本編からちょっと外れてるので外伝扱い
Project.T.D
それはISの本来のあり方である宇宙進出を目指した計画の一つ。この計画では外宇宙探査用の恒星間移動IS開発が主であったが、今の時代、ISは兵器としての一面でしか見られずこの計画を聞いてもそれに賛同する者も出資者もいなかった。その為、計画はとん挫しかけたがそれを救ったのはテスラ・ライヒ研究所だった。
「どこまでも君が思うように進むといい。私たちは君の夢を応援し手伝わせてもらうよ」
テスラ研の所長ジョナサン・カザハラの言葉にこのプロジェクトを立ち上げたフィリオ・プレスティはテスラ研の職員として働きながらプロジェクトのISを作り上げていった。それらのISはシリーズ77と呼ばれている。
このシリーズ77は惑星間航行を目指している為、高性能テスラドライブを二基搭載したツインテスラドライブにISコアを組み合わせ使っている。この為、パイロットには別々の動力を制御することが出来る高い技量が求められる結果となったが使いこなせればとてつもない推進力を生み出す事が出来る為、シリーズ77には必要不可欠な技術と言える。だが一番の特徴はこのシリーズ77はISとしては異例の特徴を持っていた。
可変機構。
人が装着することが前提のISで変形を行い人型から巡航形態へと変わることでその運用性は上がることになる。しかし、実際に人間が搭乗していてはこの可変機構を搭載することは不可能。だが、後のシリーズ77の完成形は可変機構を搭載している。この技術を可能にしたのは電脳ダイブの技術を応用した物だった。電脳ダイブとは操縦者個人の意識をISの同調機能とナノマシンの信号伝達によって、ISの操縦者保護神経バイパスを通して電脳世界へと仮想可視化して侵入させること。これによって操縦者自身が直接ネットワーク上のシステムに干渉することが可能となる。この行為自体に危険性はないものの、使用はアラスカ条約によって規制されている上、電脳世界へ入っている間は操縦者が無防備になるため、あまり活用されていないのが現状だったのだがマキがこの技術に注目、応用し作り上げたのがコントロールポッドと呼ばれる代物だった。
このコントロールポッドはコックピットのようになっており、ダイレクトフィードバックシステムを内蔵した専用のギアを装着。これによって操縦者の意識をISコアに転送しISを遠隔操作することを可能にしている。またダイレクトフィードバックシステムによって操縦性も向上。さらにリンク係数が高ければ高いほどISの反応も良くなる。実はこの技術は簡易版を既にマキが製作、使用していたため完成させるにはさほど時間がかからなかった。しかし欠点として現状ではポッドからのコントロール距離が遠くなるほど反応が鈍くなる事が判明しており、それを解決する為、日々試験が行われている。しかし、このコントロールポッドが導入された事によってISに可変機構を持たせることに成功し、そしてISが人型である必要もなくなった。
「ウチ、天才でしょ!サイコ―でしょ!」
そういって無駄にテンションが高いマキを呆れた眼で見ているのはメイだった。
「いや、確かにすごいですけどね。というか貴方クロガネに行ったのでは?」
「それがさ~確かに勉強にはなったんだけどね?…親分と隊長の扱きに堪えられなかったんだよね……」
黄昏ながら遠い目をするマキ。
「シュンヤとマドカは?」
「ずっと訓練受けてるよ?同じ扱きを受けてるトウマ・カノウとも意気投合してたし、今もやってるんじゃないかな?」
それを聞いていたジョナサンはマキへと確認を取る様に尋ねる。
「それでまたテスラ研で働くということでいいのかな?マキ君」
「所長が良いって言ってくれるならお世話になりまーす!」
「ふむ。まあ君の実力は知っているからね。こちらからもお願いするよ」
こうして篠ノ之マキはテスラ研に戻り、フィリオの手伝いを始めたのだった。彼女の参入とコントロールポッドの導入によりプロジェクトは飛躍的に進展した。
「カリオン、アステリオン、ビルトラプター共にコントロールポッドとのリンクを確認」
「調子はどうだい?スレイ、アイビス、クーリェ」
『カリオン。スレイ・プレスティ。問題はない』
『アステリオン。アイビス・ダグラス。問題ないよ』
『ビ、ビルトラプター。クーリェ・ルククシェフカ。だ、大丈夫です』
三人の返答に頷くフィリオと彼の恋人でありプロジェクトのシステム開発チーフであるツグミ・タカクラは今日行われる試験内容を三人に告げ、データ収集を開始した。
「あ~疲れた~」
午前のデータ収集を終え、テスラ研の食堂で突っ伏すのは試作可変機であるアステリオンのパイロットであるアイビス。
「ふん。あれくらいの訓練で音を上げるなどたるんでるぞ。アイビス。少しはクーを見習ったらどうだ?」
「く、クーは別に……」
「ふふふ。クーちゃんは偉いわよね」
半眼で突っ伏すアイビスを見るスレイ。彼女はフィリオの妹でありこのプロジェクトを成功させるべく常にトップの成績を出しているが同じプロジェクトの仲間であるアイビスには厳しく当たっていた。しかし誰もが彼女がアイビスを気にかけていることを知っており、アイビス自身もスレイに憧れを持っていることから人間関係は上手く回っていた。
「あははは。クーはビルトラプターの方はどうなの?
「うんとね?ちょっと変形する時に引っかかる感じがするの」
アイビスの問いに答えるのはテスラ研で働くには幼すぎるように見える少女、クーリェ。彼女はマキがクロガネから連れてきた少女でマキ曰く「ワケあり」とのこと。本人の意向もあってビルトラプターを任されていた。
「引っかかる?変形がスムーズに行われていないのかしら?」
「うん。関節部分がきゅるきゅる言ってるよ?」
「あとでチェックしておくわね」
クーリェの言葉にツグミが端末に記入していると食堂の入り口から入ってきた人物が居た。
「きゃっほー!テンションあっがるー!ヒャッホホホヒャッホーイ!」
その人物はくるくると回りながら入ってきてアイビスたちの前で止まると。
「見て見て!コメットシスターズのコンサートチケット!」
「嘘っ!?」
その人物、マキが持っていたチケットにアイビスが喰いつく。
「これって来週のコンサートのチケットじゃん!どうしたの?!」
「いやー実はコメット姉妹の専用機開発を引き受ける代わりに頂いたんだよね~」
「え?専用機?」
「アイドルが専用機を持つのか?」
マキの言葉にツグミとスレイが首をかしげるがマキは真面目な態度を取ると。
「彼女たちはカナダの代表候補生だよ。しかし条件がね…カナダはISの開発に関しては一歩遅れているからね。他人の力を借りてでも新技術とか導入したいんじゃないのかな?で、フィリオさんに話が来た時にピーンと来たんだよね」
そう言ってマキが取り出した端末。そこに表示されていたのは二体のIS。
「使用できるISコアは一つ。でも操縦者は二人。この二人で一つのISを動かせるようにする。そんな条件だったんだけど……このわ・た・し、天才IS開発者であるマキ様にかかればちょろっとクリアーってなもんですよ!」
「「「で?」」」
「一つのISコアで二体のISを動かす。というわけでシリーズ77の技術を使って作りまーす!フィリオさんからも許可貰ってるしね!」
そう言って食堂を飛び出すマキに残された四人は唖然としながらもすぐにいつものことか…と納得しお昼を食べながら午後の試験内容についてミーティングを始めたのだった
「~♪」
鼻歌を歌いながらものすごい速さでキーボードを叩くマキと同じ速度でキーボードを叩くフィリオ。二人が製作しているのはコメット姉妹用の専用機。
「それにしてもいいのかい?」
「何がー?」
「いや、僕は助かっているけどカリオンやアステリオンに使われている技術は亡国機業に渡したものなのじゃないのかい?」
カリオンなどに使われている技術は亡国機業に渡ったリオンシリーズのデータを使われている。
「だってウチが開発したんだよ?ウチが使って何が悪いのさ?」
口をとがらせて言うマキにフィリオは苦笑した。
「カリオンは戦闘機をモデルにしているけどテスラドライブを積んでいる部分は脚部のように可動できるようにしたからね。デブリ帯でも細かな動きが出来るようにしているし、完成形のβでも十分に使える筈だよ」
「ISの技術の応用だね」
「PICも組み合わせて使ってるしね。まあISの技術を前面にしたのがαの試作型であるアステリオンだね。可変機構は一部しか使っていないし……まあ、フィリオさんの理想に近づいているかな?」
「そうだね。僕の夢が確実に現実になっているって実感はあるかな」
「ふ~ん」
「君はどうなんだい?」
「楽しいよ?篠ノ之束のコピーとして生み出されて、本人に技術と知識を詰め込まれて、失敗作って言われて捨てられて…シュンヤ達に出会って色々作ってきたけどさ。こういうのも楽しいって思えてきたよ」
「そう思ってくれるのなら僕もうれしいよ。この機体もきっと彼女たちに喜んでもらえるよ」
そう笑うフィリオ。マキもつられて笑う。
「でもさ……このフェアリオンってフィリオさんの趣味だよね?コンセプトや武装は考えたけどウチ、こんなデザインしてないもん」
「アハハハ。アイドルらしくていいかなって…」
「まあいいよ。さてコンサートまでに完成させるよ~!」
マキは両手を突き上げ、フェアリオンの完成に向けての作業に入った。
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「う~ん……反応は確かにあったんだけどな?」
辺りを見回しながら束は持っていた大剣“グランワームソード”を収納する。その周りには物言わぬ骸となった兵士やバイオソルジャーが転がっていた。
「おや?この壁の向こうに…」
頭部につけているウサミミがピクッと動き束は手をかざすと重力波が放たれ壁が崩壊。下へと続く階段が現れた。束はそれを見て満足するように降りていく。
「ふんふん。生命反応があるからまだ生きているみたいだね」
相変わらずピクピクと反応するウサミミを一撫でし進むと一際頑丈な扉がそこにはあった。それをあっさりと破壊し中に入るとそこには天井から鎖で吊るされた存在がいた。
「やあやあ!異世界からの訪問者さん。こんにちは…あれ?今はこんばんは、かな?まあいいよね。挨拶は大事って古事記にも書いてあるって言うしね。さて君には私と来てもらうよ?ああ、答えは聞いてないからね」
そう言って指を鳴らすと鎖が切れ、吊るされていた人物は床へと落ちた。
「ぐ……テメェは?」
「ふふん。名前を名乗るときはまず自分からって言うでしょ?まあいいけどさ、もし動けるなら自分で動いてもらえるとうれしいね。束さん。こう見えて忙しいからっさ!」
ニヤニヤと笑っていた束の目が細まると背後に向かって空間から取り出したグランワームソードを振り抜く。すると束に向かっていた閃光が切り裂かれていた。
「この束さんに喧嘩売るなんて……万死にあたいするな~?」
そこには植物の蔦の様な物と黒い装甲で構成され頭部に当たる場所にある紅い玉を輝かせている存在が多数出現していた。
「へ、どっかで見たことある面だと思ったけどよぉ…アンストだかイットとかいう奴らじゃねぇか」
「へぇ?こいつら知ってるの?」
「どいつもこいつも相手をしたことある奴らばかりだぜ!」
「そっかー。戦える?」
「ああ、鎧は着たままだからな!グレイトなバトルを見せてやるぜ!」
赤い鎧を纏った戦士は拳を打ち付け束の隣に立つ。
「さて、行きますか!」
「おうよ!売られた喧嘩は全部買ってやらぁ!!」
それから数分後に全て叩き潰した二人はそろって施設を脱出した。
「はっはー!やるね!きみぃ!」
「あったりめでえ!この俺とロアが簡単に負けるかってんだよ!」
《……自信過剰は油断を招くぞ》
「お?ロア?」
戦士がそう呟くと赤い鎧が消え、学生服姿の少年になった。
《コウタ。気をつけろ。この女……》
「漸く戦士ロアが目覚めたみたいだね」
「なっ!」
《私に気が付いているだと!?》
「知ってるとも。束さんは何でも知っているよ。吾妻吼太君。そして戦士ロア」
そういって笑う束にコウタとロアは警戒心を強める。
「おおっと安心してよ。君たちと敵対したいわけじゃないからさ。それに君たちの世界の仲間もこの世界に来ているよ」
クロガネって名前の艦がね。
「クロガネが!?」
「束さんの頼みを聞いてくれたらクロガネの居場所を教えてあげるし連絡も取ってあげるよ」
《何が望みだ?》
「協力してほしいのさ。この世界を縛る神を倒す…ね」
うん。おかしいね。もう出さないって言ったのにコウタとロアが出てきました。出てきちゃいました。でももう振り向かない。書きたいものを書くだけですよ!
ついでにアーキタイプブレイカーから三名出てきました。というかコメット姉妹の髪色ってどう見てもフェアリオンですよね?むしろ狙ってた?まあ、ちょっと強引ですがこれで可変機も出せるってわけです!
さて、投稿を始めてから色々な方に読んでいただけて感謝をしております。つたない作品ですがこれからもよろしくお願いします。
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