IS~古の鋼鉄~   作:閃狼姫

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遅くなってしまって本当にすいません!!

そして今回も短いです!

……では、どうぞ!


※文章に物足りなさを感じたので加筆しました(5/22)


STAGE38

波の音が聞こえる……

 

沈んでいく意識が浮上してくる。

 

「ん…?ここは……?」

 

目を覚ました俺が見たのは真っ白な空。やけに重い身体を起こすと自分が白い砂浜に横になっているのに気が付く。そして目の前に広がる青い海。

 

「俺は確か…?」

 

亡国機業のスコールと戦っていて……どうなったんだっけ?

 

立ち上がりあたりを見回すが人っ子一人いない。

 

「いや、そりゃそうか……こんな変な所に人が居るはずないか…」

 

頭をかき、ひとまず移動することに決めた。

 

まぁ、何かあるかもしれないしな。というか、本当にここはどこなんだ?そういえば最後の攻撃、水面に勢いよく叩き付けられた気がするけど……まさか、あの一撃で?

 

「俺、死んでここは天国とか?……いやいや!それはない!それはないと信じたい!!」

 

確かに死にそうな戦いだったのは間違いないがギリギリ耐えられた筈!……だよね?

 

「いや…?でもな……」

「お兄ちゃん。ようやく来れたんだね」

「ん?」

 

突如、声をかけられ、振り返るとそこには白いワンピースを着た少女がいた。その少女を俺は何処かで見たような気がするが思い出せない。

 

「えっと……君は?」

「そんなことより、力が欲しいんでしょ?どんな相手にも負けない強さを」

「力?」

「あれ?……違うの?」

 

俺の答えに少女が困ったような顔をする。まるで俺が力を求めると答えることが当たり前だと思っているようだが、俺は別に力を求めている訳じゃないし、ここが何処か、帰られるのか。それを知りたいだけなんだが……

 

「いや、別に力を求めている訳じゃないんだけど……」

 

だから、正直にそれを伝えた。すると少女は少し考えこむと。

 

「そっか……“今までの”お兄ちゃんとは違うみたいだね」

「今までって…どういう事だ?」

「いいよ。まだ時間があるみたいだから……お話しよ!」

 

納得したのか少女は笑顔で椅子に座ると俺にも座る様に促した。

 

「それじゃあ、お兄ちゃんの、ううん。織斑一夏たちの秘密を話してあげるね!」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

クロガネの一室にて千冬とマドカ、そして……

 

「なんで俺まで……」

 

不貞腐れた様で椅子に腰かけるシュンヤ…この三人が揃っていた。

 

「お前だって気になっているんだろう?秋だけが千冬に拾われた理由が…」

「……ふん」

 

シュンヤはマドカの言葉に少しだけ千冬を見て視線を逸らした。

 

「さて、では話してもらおうか?お前があの時、私を捨てた理由を、な」

 

マドカの視線を受けた千冬は伏せていた目を静かに開き、軽く息を吐く。

 

「……今更、何を言ったところで信じてもらえるか分からん。それでも先にこれだけは言わせてほしい……」

 

席を立ち、床に膝をついた千冬はマドカ、シュンヤをしっかりと見つめ。

 

「今の今までお前たちの事を放っておくことになってしまって本当に申し訳ない」

 

そう頭を下げた。

 

「……俺は別にアンタに謝って欲しいわけじゃない。まぁ、それであんたの気が済むなら受け取っておくわ」

「そうだな。私も謝罪が欲しいわけじゃない…だが、それで少しでも気が済むなら謝罪は受け取っておく」

 

そんな千冬に返す二人は厳しかった。

 

「そうか…お前たちは強いな…私はいつも後悔してばかりだ」

「それは私たちのことも含まれているのか?」

「そうだ……」

 

マドカの問いに頷き、千冬は語り出す。

 

「全ての始まりは私という“生体兵器”の誕生から始まる……私は“奴ら”の研究所で遺伝子操作によって作り出された新たなる人類にして生体兵器なんだ」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「は?千冬姉が……作られた存在!?」

「うん」

 

少女の話に俺は思わず叫んでいた。

 

「そんな…ばかな?!そんな話信じられねェ!!」

「でも、それが真実なんだよ?」

 

淡々と語る少女。その様子に怒りばかりが湧いてくる。そんな俺の様子を見てクスクス笑う少女は。

 

「そして、お兄ちゃんはね。千冬と束が互いの遺伝子を使って作り出した子供なの」

「はい?」

 

今までの人生で一番驚くとんでもないことを言われた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ちょっと待て!?じゃあ、一夏も普通の人間じゃないのか!」

「…………」

 

シュンヤの驚きは当然だった。それほどまで千冬の話が荒唐無稽に聞こえたからだ。いや、あの“天災”が係わっているという時点で不可能ではないのかもしれないがそれにしたって人間を作る、それも女性の遺伝子のみでというのはあまりにも常識を無視していないだろうか?そう思うシュンヤはマドカへと視線をやるが意外にもマドカはシュンヤと違い冷静に話を聞いている。

 

「そうだ。奴らが望むスペックを持った成功体である私と既に規格外ともいえる身体スペックに頭脳を持った束の遺伝子を使うことでより完成度の高い生体兵器を生み出し量産する。それが一夏を生み出した計画だ。だが、その計画で生まれてくた子供たちは生後数か月の大きさまで成長するのが限界だった。そこまで成長すると細胞が崩壊を始め、数時間後には肉塊に変わり果てたそうだ。本来なら、そこで計画は破棄される予定だったのだろうが……束がそれぞれの遺伝子を調整した結果、唯一の成功体として生まれたのが一夏だった」

「待て!どういう事だ?その計画で私も生まれたのだぞ?」

 

千冬の話に声を荒げるマドカ。千冬は目を見開き、在りえないと首を横に振り。

 

「何だと!?…私は成功したのは一夏だけだと研究所の職員に聞かされたぞ?その成功体を私が面倒みる様に言われ、一夏に私が姉だという記憶を植え付け、今まで姉弟を演じてきたんだからな……」

「演じてきただと!?じゃあ、お前はアイツに!一夏に!何にも想いを抱いていなかったってのかよ!!」

 

激高したシュンヤに胸倉をつかまれた千冬はその腕をつかみシュンヤを睨む。

 

「そんなわけあるか!一夏も秋も、大事な家族だ!」

「俺たちの事は知らなかったくせに、よくそんな言葉を言えるな!」

「…それは…」

 

シュンヤの言葉に目をそらしてしまう千冬。そんな千冬の態度にシュンヤがさらに言葉をぶつけようとした時だった。

 

「落ち着け。シュンヤ。お前のおかげで少し頭が冷えてきた。その計画で成功体として生まれたのは一夏と私なのは間違いない。だとすると一夏と私を意図的に分けた存在がいる?それは何のためにだ?態々分ける理由が分からん」

 

唇に手を当て考えるマドカ。そんなマドカに舌打ちしながら千冬を放したシュンヤは床に胡坐をかき。

 

「随分落ち着いてんな?お前」

「お前が騒いでくれているおかげだ。だが、そうなるとお前と秋の場合はどうなんだ?私たちと同じように成功体となったのはお前たちだけだろう?」

「あ~……そういや、俺たちはどうしてなんだ?」

「お前たちの存在を知ったのはハウがアリスを助けたあの事件後に確認され、“奴ら”から私に捕獲命令が下された存在“アインスト”の遺伝子を使って“奴ら”が新たな戦闘生物を作っているということを聞いた時だ」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「そのアインストの遺伝子に最初は織斑千冬の遺伝子を組み合わせていたみたいなんだけどね。うまく行かなかったんだって」

「なんでうまく行かなかったんだ?」

「う~ん…私にもよく分からないけど、何者かの意思が働いていたんじゃないかな?でもね。成長していたお兄ちゃんの遺伝子を使ったら、今までは良くて人型に近い異形にしかならなかったのに、人に最も近い生物が生まれたんだって」

「それが……秋?」

「うん。あとシュンヤもだね」

 

俺と千冬姉の事やマドカとの関係でも驚きだって言うのにまさか秋にまでそんな事があったなんて……

 

「でもおかしいじゃないか!?俺には小さい頃の秋との思い出がある!箒と一緒に過ごした事だって……「それは全部、篠ノ之束がお前たちの記憶を改竄したからだ」ッ!?」

 

背後から聞こえた声に振り返るとそこにはIS学園の制服を着た“俺”がいた。

 

「な……んで……?」

「時間切れだね」

 

小さく息を吐き、少女は椅子から降りるともう一人の俺の傍まで行き。

 

「今回のお兄ちゃんは力を求めていないみたいだけど?貴方はどうするの?」

 

そう少女が告げる。しかし“俺”は少女を冷たく見下ろし。

 

「なら、俺が貰う。元からそのつもりだった……」

「それは出来ないよ?貴方はもうじき消えちゃうんだから」

 

少女が言い聞かせるように言うが。

 

「俺は…俺たちは、篠ノ之束を殺す為だけに“この世界”までお前を伝って来たんだ……」

 

いつの間にかその右手に握られているのは赤い刀身を持つ細身の西洋剣。それを見た時、嫌な予感がした。

 

「そうだね」

 

“俺”が何をしようとしているか分かっているのか気づかないふりをしているのか少女はそう呟く。俺は自分の予想が外れてくれと思いながら駆けだそうとする。

 

「この機会を逃すわけにはいかないんだよ!!」

 

“俺”は西洋剣を振り上げ……

 

「俺たちの邪魔をするな!!“特異点”!!」

 

少女を斬り裂いた。

 

「なっ!?」

 

崩れ落ちる少女に駆け寄り、抱き起す。その傷は致命傷だということは分かっている。それでも俺には諦められなかった。

 

「……お兄ちゃん……」

「しゃべるな!くそ…どうすりゃいいんだ!?」

 

斬られた箇所が黒く染まり、少女の体を蝕んでいく。それでも少女は微笑み、俺の頬に手を当てる。

 

「私は…大丈夫だから。お兄ちゃんなら……今度は救えるよ……頑張って…ね」

 

そういって消えていった。

 

「次はお前だ。俺たちから全てを奪った篠ノ之束を俺たちは赦さない。同じ織斑一夏なら何故、力を求めない?」

 

さっきまで腕の中に居た筈の少女。まだ、色々話したかった。もっと教えてもらいたかった。

 

「…けんな」

「なんだ?」

「っざっけんなよ!」

 

感情が高まる。目の前の敵を倒すために俺は自身の剣を取る。

 

「来い!白式・雪風!!」

 

白い閃光と共に全身装甲に身を包んだ俺が雪片を向ける。

 

「雪風…だと?この時期はまだ二次移行はしていない筈…?それに雪羅でもないだと?まあいい…今度こそ、この刃を奴の心臓に突き立てる為に!」

 

赤い刀身を素手で掴み、引き抜く。

 

「目覚めろ!■■■■■!!!」

 

勢いよく引き抜いたことによりあたりに鮮血が舞う。そして叫ぶが奴のISの名前だけノイズが奔ったように聞き取れない。さらに黒い光に包まれると。その姿は細身で漆黒の全身装甲へと変わっていた。背中から機械的なウイングが見え、大きく広がる。放たれるプレッシャーも凄いが纏う雰囲気は哀しみに満ちていた。

 

それでも、俺は引き下がることはしない。

 

「俺たちに残された時間はあとわずか……これが最後のチャンスだ。お前を殺して取り込む!」

「やってみやがれ!テメェがなんなのか知らねェけどな…男が子供に刃振るってんじゃねェ!!俺が教育してやる!!」

 

互いに同じ構えで剣を構える。

 

「「行くぜ!!」」

 

激突する二人を見守る様に二人の女性がいた。その女性たちは同じ姿をしているが髪色と瞳の色が違った。女性たちは激しく戦う二人を見て静かに涙し、その戦いの決着を見守るのだった。

 




…うん。色々言いたいことがあると思いますが、もう最初に考えていた話から大きく変わって来ちゃったんですよ……織斑姉弟の設定は変えていませんが。

本当に話を考えるって大変だな~と実感。

原作、読まないとなぁ

では今回はここで。また次回!
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