私は何の為に生まれてきただろう。
何を為すためにこの才能があるのだろう。
この力で、自分は何をしたいのだろう。
物心がついて、自分の立場を理解して以来、ずっと考えてきたことだ。
その答えは残念ながら定まっていない。
答えは形は見えるが曖昧なまま霧散してしまう。
何の為に。そんな言葉を常に考える。
自分がやらなければならないこと。
常に探し続けている。
ただ
『秋ねえ!ずっと綺麗なままでいてね!』
幼い頃に聞いた女の子の言葉が、私の心を象った。
北畠秋は大企業の長女として生まれた。
彼女の家は高知県高知市に本拠地を持ち、四国全域に様々な会社を持つ世界有数の大財閥である。
そんな大財閥の令嬢たる秋は、ありとあらゆる教育を受け、それらを全部を見事に吸収した立派な才女であった。
「金や権力などは己を貫き通す為の道具にしかならん。自分の為すべき事を見つけろ。」
5歳の誕生日に秋は父親に告げられた。
名門北畠家の娘として、彼女には何かを為すことが求められていた。
それ以来彼女は自分の為すべきことを探し始めた。
大財閥の当主でありながら武道を極めている父からは、己を貫き通すための力を。文化面ではその道で知らない者はいないとまで言われた母からは、美しさの何たるかを見通す審美眼を学び、自らのものにした。
それでも彼女は未だに何を為すかが分からずにいた。
何かを為すために必要なものは手に入れたが、肝心の為すべきことは手つかずだった。
そんなある日、彼女の家の付近にとある一家が引っ越してきた。明るい髪と表情が特徴の家族で、話していて心地よかったのを今でも覚えている。特にその家族の一人娘の笑顔は格別だった。
秋はそれ以来、鍛錬の後以外はその子の遊び相手になった。自分の家の広い庭でかくれんぼをしたり、物語を読んであげたり、はたまた自分の剣術を教えたりした。そしてその子は常に楽しそうに笑っていた。その過程で、秋は女の子の笑顔を見るたび、何かを掴めそうな気がしていた。
だが、その楽しかった日々は唐突に終わりを告げる。
少女の父親が大規模な地震により亡くなったのだ。元々父の赴任を理由に高知に引っ越してきた家族であり、父を亡くした少女は母親と一緒に実家の香川に引っ越しをせざるを得なかった。
秋は楽しかった日々の終わりを悲しんだが、それでも寂しさをおくびに出さず少女との別れを済ませた。
だが分かれ際の少女の一言が、秋の心に刺さった。
『ずっと綺麗なままでいてね』
この言葉に少女がどんな意味を込めたのかは分からない。
自分の容姿について言ったのか、それとも性格か、はたまた自分には見えない何かか。
ただそれ以来、彼女は自分の為すべきことに何かを得た気がした。
少女との出会いからしばらく時が経った。
秋はさらに自らの研鑽を重ね、15歳の頃には父の剣術をほぼ会得し誰にも負けない強さを手に入れていた。
勿論武術だけではない。学業も常に上位3位内をキープし続け、将来人の上に立つ者として生徒会長をしている。生徒をまとめられているかと言われれば出来ていると自信満々には言えないだろうがそれでも生徒がより良く学校生活を送れるようにぐらいはできていると実感している。
最近は副会長の誘いでボランティアグループの部員という名のお手伝いをしている。あくまで生徒会長として依怙贔屓などは絶対していないが、以外にもボランティア活動自体は気に入っている。誰かの為という自分の目的の参考にもなっているような気がするのだ。
だが、肝心の為すべき事は見つけることはできていない。今、秋は目標をひたすら探しながら己を高める日々を続けている。平穏に満ち溢れる中、言いようの知れない焦燥感にかられる日々を。
「私の為すべき事ってなんなんだろ」
ふうっと息を吐くように一人呟く。自分は来年からは高校生。大人にどんどん近づいていくのに、北畠家の者として役に立たねばならないのに、為すべきことが分からず大人になっていく。このままわからないまま大人になるのだろうか。自分は一体何なのだろうか。
「『ずっと綺麗なままでいてね』か…」
彼女の心から出てきた独白は、始業のチャイムに消えていった。
「『人類を守る御役目』?」
夏が終わり風がだんだんと涼しくなってきた頃、大赦の人間が北畠家の屋敷にやってきた。どうやら父と母には秋が学校から帰ってくる前にすでに話を終えたみたいだ。いくら大企業の当主の父でも大赦には逆らえないらしい。ただ秋が部屋に入る前に部屋から出てきた父に、『何があっても己の信念を忘れるなよ』とそっと告げられた。
「人類を守るとは一体どういうことなのですか?」
秋は言葉の真意が分からず聞き返した。大赦はこの国で一番偉く、重要な仕事をしているのは知っているが、それでも言われたことのスケールの大きさは常識を超えている。
「今ここで詳しくは申せません。このことは神樹様の御信託ですので。」
大赦の人は機械的な声で答えた。秋はその様子に眉をほんの少しだけ顰めた。大赦の人間とは北畠家の娘として比較的に会う機会が多かったが、それでも大赦の人間の不気味な感じは未だに慣れない。なぜ顔を隠し、声に感情をのせないようにすろのか。どうしてそこまで人間性を隠す必要があるのか。秋はその辺に疑問と、隠蔽性に些かな蔑視を感じていた。
「…神樹様の御信託ならば仕方ないですね。」
いくら大赦が胡散臭く、気に入らなくても秋に決定権はない。信託はこの世界で絶対なのだ。そうでなくとも秋には『人類を守る』という言葉に引っかかるものがあった。
(もしかしたら、これが私の為すべき事なのかもしれない…)
名門北畠家に生まれ、何不自由のない生活を過ごしてきた。おかげで秋は自身の実力と実家の権力という大きな力を持つ人になった。力がある者が弱き者を守る。自分は今、その場面に直面しているのだろう。
「人類を守る御役目、受けさせていただきます。」
「ここがゴールドタワー」
数日後、秋は香川県に来ていた。香川に来るのは初めてではないが、この建物に入るのは初めてだ。
『ゴールドタワー』。丸亀城と同じ旧世紀から存在する貴重な遺産のような建物であり、現在は大赦の管理下にあるため現状が不明な不思議な建物である。いずれにせよこれから大赦関連の重要施設の内部に入るのである。
「何があろうとも、私は私のできることをするのみ」
秋は心意気を言葉にして自分に言い聞かせ、ゴールドタワーに入った。
一階のエレベーターから待ち合わせ場所の展望台まで上がり、展望台に到着する。
そこには自分と同じぐらいの年代の少女が数名いた。
(御役目を任された人達、かしら)
集められた少女たちはお世辞にも人類を守るというような大役を任せられるようには見えない。不安そうな顔をした女の子や、事の重大さを理解していないような態度をした少女など、見るからに普通そうな少女たちだ
秋は不安を感じた。このような子たちが御役目を果たせるのだろうか、と。
ふと展望台にいる数人の少女の中に見知った人がいた。秋の学校の副会長であり、ボランティア部『人愛部』の部長、牟田蓮音(むたはすね)だ。おっちょこちょいな性格ながら人情に篤いから生徒からの評判が高い女子である。秋は牟田に話しかけた。
「牟田さん、貴女もここにいるということは御役目なのかしら」
「うおっキタバァ!?そ、そうだよアタシもなんだよォあっはっはー」
「今度人前でその呼び方をしたらその口を縫いますよ」
話しかけられたことに驚いたのか、蓮音は挙動不審になりながら答えた。
蓮音の特徴としてオーバーリアクションがあるが、それにしても今の反応はオーバーというより余所余所しさを感じた。
何か隠している。
だがそれ以上秋は追及しようとは思わなかった。彼女にも何か思惑があるのだろう。何より彼女にはその人柄と人望に生徒会運営で世話になっていたので秋はあまり彼女に不快感を与えたくはなかった。
「まあ、後で大赦の関係者の人から説明されるでしょうし、その後でいろいろ話をしましょうか。…例えば、この前の生徒会総会での遅刻などを」
「うわあああ!!それはナシだよキタバア!!」
「…言いましたね、早速。それではお仕置きを」
「あっ…いや、ごめッ!?ごむぇんふぁふぁいいい!!」
秋は蓮野の唇をつまみ上げながらこめかみの血管を浮き上がらせる。だがその姿は怒りというよりいたずらっ子のような表情であり、秋にしては珍しく楽しそうな表情である。
先ほどの質問も追及しなかったのも彼女の機嫌を損なうと生徒会運営に関わるからなどと内心で理由をつけているが、結局は秋自身が気づいていないだけで好きな蓮音に嫌われたくないだけなのだった。
世界を動かすとまで言われた大企業の娘として大人であることを自らに強要した北畠秋が、年相応な姿を見せる数少ない人間の一人。それが牟田蓮音という人物である。
「全く、御役目の話が終わったらさっきの件に加えてもっと話すべきことが必要みたいね。覚悟しておきなさい」
「とほほ…分かりました」
その言葉を聞き、秋は展望台の散策を始めた。その顔には他人が見ても分からないような、もしくは本人すらも気づかないような小さな笑顔だった。
蓮音はその誰もが気づかないような笑顔を見て、静かに俯いた。
彼女の両手は、手のひらが白くなるほど握りしめられていた。
それからも展望台にどんどん人が集まってくる。秋は展望台を散策していたがそこまで広くはなく、たいして目ぼしいものも発見できなかったので集まってくる少女たちを観察することにした。
展望台に訪れるのは、いずれもごく普通な少女たちだ。一部、他の子と違った雰囲気を持った子がいたが、それはあくまで極少数に過ぎない。
(こんな子たち『人類を守る御役目』ができるのだろうか…)
いよいよ御役目事態にすら疑問を感じていた頃だった。
不意に秋の脇腹に衝撃が起こった。まるで小さな猪にぶつかられたような大き目な衝撃に、一瞬息が止まる。だがそこは物心ついた時から武道を学び続けた身。半歩足をずらして上手く衝撃を殺し、余った勢いで脇腹に突進してきた何かを正面から受け止める。
僅かな驚きと怒りを感じながら秋は自分の腹部を確認する。
そこにいたのは、小柄な少女だった。
「秋ねえ!秋ねえだ!やった、秋ねえに会えた!!」
脇腹から正面に抱き着いたなにかはしきりに秋の腹部に顔をこすりつけて嬉しさを表している。まるで猫のような仕草に秋のわずかな動揺は霧散された。
改めて秋は自分に抱き着いてきた何か、いや、少女を観察する。はねっけの多い癖毛な赤みがかった金色の長髪を二つ結びにした子だ。制服はどこのものかわからないが、その上に来ているダボダボなカーディガンからは年季が入ったものであるということと、少女の小柄さを物語っている。
秋はふと、この少女に見覚えがある気がした。金髪で、人懐っこく、自分を「秋ねえ」と呼ぶ人間。そのような人物はすぐに思い出した。
「もしかして、佳夏(よしか)?」
その言葉を聞いた瞬間、少女は秋の腹部からガバッと顔を上げ、万遍の笑みで答えた。
「うん、そうだよ!ずっと会いたかったよ、秋ねえ!」
そう宣言すると今度は肩に手を回す。力いっぱい抱き着きながら、忘れないでいてくれたんだねと嬉しそうに言った。対する秋は首元に佳夏の小柄な全体重がかかるのを無意識に抱き返すように抱っこすることにより対処していた。これは幼い頃から何度もやっていたことであるから今更意識してやるまでもなく体が覚えていた。そして何より秋は別のことを考えていた。
(忘れるわけないでしょ。貴女は私に大事なことを教えてくれたのだから…)
新田佳夏(にったよしか)。秋が子供の頃に隣りに引っ越してきた少女である。
秋と佳夏が過ごした日々は一か月に満たなかったが、それでもお互い通じるものがあるのだろう。
秋の脳内には遥か昔、佳夏と過ごした日々や最後の別れが思い起こされていた。彼女の言葉のおかげで、自分が何をすべきかが見えてきたのだ。
懐かしい思い出に浸っている中、首元に顔を移動させた佳夏が自分でも意識しているかいないかぐらいの小さな声でそっと呟いたのを聞いた。
「でもここにいるってことは、そういうことなんだね…」
佳夏の呟きにより秋の意識は完全に現実に戻ってきた。佳夏の言葉の意味は一体?そして何より、記憶の中の天真爛漫な姿からでは聞いたことないような寂しげな声は。
佳夏を優しく引きはがして顔を見る。
天真爛漫さが顔に出ているようなかわいらしい顔が、ほんの少しだけ陰りを覗かせている。
「ねえ佳夏、一体どうしたの」
たまらず聞き返してしまった秋に佳夏はただただ笑顔を浮かべる。その笑顔に何があるかを改めて問おうとしたとき、展望台のエレベーターが開いた。
今まで何度も少女たちを連れてきたエレベーターであり、今更誰が来ようが関係ないし実際10人目の少女が来た辺りからは見向きもしなくなったが、なぜかこの時だけは秋はエレベーターが気になった。
そこには今までと同じように少女がいた。見た目もごく普通なお下げの髪型な少女だ。
だが秋はなぜかその少女から目が離せなかった。
見た目はごく普通な少女であるのは確かであるにもかかわらず、何か言いようのない何かを感じた。
いや、この感覚自体は良く知っている。剣術を父から学んでいるときや年上の人と試合をするときのようなもの。そのような感覚をその少女からは感じた。
「…秋ねえ?」
佳夏の心配そうな声で気を取り戻す。何かしらと聞いたらちょっと怖い顔してたよと言われた。
その後、あんまりそういう顔するのは良くないよと忠告されすっかり毒気を抜かれてしまった。本当、昔から人に安心感を与える才能は彼女以外に会ったことがない。将来上の立場になったことを考えて彼女から学ばねば。
そのようにして旧友との再会を楽しんでいたら凛々しい声が聞こえた。
「全員、揃ったようですね」
いつの間にか大赦の神官がいた。純白の神官衣装に心を見せない仮面と声。相変わらず不気味な存在だ。
「今ここに集まっているのは、勇者という御役目の候補生だった者たちです」
勇者、という言葉に秋は疑問符を浮かべる。勇者といえば神話や御伽噺に出てくるような人間だったり、はたまたクラスメートの会話に出ていたゲームのキャラクターの職種などである。いずれにせよ、現実の世界では早々聞かない話だ。ましてや御役目という重要事態の前でそのような世迷言をいうなどとは。
それから神官の話は続いた。
今回集められた少女たちは勇者候補として二種類。先代勇者の後継者候補と勇者適正値が高い少女を集めたグループである。
確かに言われてみれば蓮音を含め、秋の学校の子が数人いたのを思い出す。つまり自分は後者なのであろうと推測した。
何にせよそのことが一体どのような関係があるのか。
「あなたたちは皆、勇者適正値が高い。その素養を活かして、新たな御役目についてもらいたいのです」
女性神官の言葉と共に、設置されたスクリーンに映像が表示された。
そこに映っていたのは---
「これは世界の真実です」
---地獄だった
「世界は既に滅んでいる、か…」
秋はゴールドタワーの屋上で海を眺めていた。本来ならば屋上は施錠されていて入ることができないはずだが、秋は子供の頃に鍵開けを学んでいてカードキーや金庫の鍵でない限りは大概の鍵破りはできる。秋自身も父がなぜこのような技術を学ばせたのか全く分からなかったが、現に役に立った。
立ち入り禁止の屋上など誰も来ようとしない。つまり、一人になるには最適な場所だ。
秋は今、どうしても一人になりたかった。
158mのビルから見る夕焼けに染まる海は言葉にすることが烏滸がましいぐらいに、美しかった。
---世界の真実を知った。
大赦の神官により秋たちは、大赦の最高機密であるこの世界を知った。
壁の外の世界は致死性のウィルスなどとは比較にならない、灼熱の劫火と異形の神の遣いの『頂点(バーテックス)』と、有象無象に湧き上がる頂点の先兵、『星屑』で溢れていること--
人類滅殺を目論むバーテックスを撃退する『勇者』という存在--
神樹様と人類の『国津神』と天の神とバーテックスの『天津神』--
そして、バーテックスとの戦闘により傷ついていく、勇者と呼ばれる少女たち--
映像に映っていた少女たちは、見た目でわかった。
彼女たちは、中学生に満たないぐらい、幼かった。
「あんな幼い子たちが…この国を、命を懸けて…!!」
声に出さずにいられなかった。
いずれ何かを為すために自分は平穏な生活の中で力をため続けていた。生まれた時から与えられていた分、大きなことを考えていた。
だが実際は自分自身が何かを為すための準備をしているときに、自分より幼い子たちがすでにこの国を守るという大事を背負っていたのだ。それも、これからの明るい未来を捨ててまで。
神官の話から、勇者の後継者候補ということは想像できた。
あの幼い子たちは、少なくとも無事ではないのだろう。下手したら、その命を散らしたのかもしれない。
これからの未来が約束されていた、尊い命を…
「ッ!!」
無意識に落下防止柵に拳を叩き付ける。秋の鍛えた拳から全力で叩き付けられた金属製の柵は悠然とし、却って秋の拳からは一筋の血が流れ落ちた。
だがそれでも秋は気にならない。武道で鍛えたはずの精神は乱れきっていた。
守るべき者に守られていた。
自分はただ暢気に自分を探し、力をためているだけだった。
守るべき者達が傷つき、倒れ伏しているのに、気づいてあげることが出来なかった。
自分は、守られていたのだ。
言いようのない感情が心に溢れる。
後悔、懺悔、情けなさ、やるせなさ、怒り、憎しみ、そして、悲しみ。
すべての感情から隠れるように柵によりかかり、顔を伏せる。
涙などは流れない。ただ、全身から言いようのない感情があふれ出ている。
秋はしばらく海風に身を任せた。言いようのない激情を夕焼けの眩しく温かい光が優しく包み込んでゆく。
世界は静かに秋を包み込んでいた。
しばらくした後、秋は改めて眼前の雄大な海と優しい夕日に向き直った。
その顔に、もはや激情はない。
ただ、覚悟を決めた顔だ。
「名前も知らない子たちよ、あなたたちは頑張ったわ。貴女たちのおかげで私たちは、生きている」
秋は呟く。名も知らない小さな少女たちに、最大限の敬意を込めて。
「だから、後は私たちに任せなさい」
そして宣誓する。名も知らぬ少女たちに、正真正銘の真心をもって。
「北畠家の娘として誓うわ」
物心がついた時から悩み続けた、自分の為すべきことを。
「私、北畠秋が貴女達が守った未来を…人類を救済する」
高らかに宣言した。
人類はこれまで防戦一方だった。
圧倒的な力に敗北し、屈辱を受け入れ泥水を啜って無様に生きてきた。
だが、諦めはしなかった。
三百年を経て、ようやく神に対抗する力を手に入れた。
ならば、これからだ。
これから反攻が始まる。
静かに、だが着実に近づいている。
「見ていろ天津神よ。貴様らに人類の力を見せてやる!!」
夕焼けが海に沈んでゆく。
人類の狼煙は日没とともに静かに上がった。