シンデレラのぶかぶかなガラスの靴   作:結城 理

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file01:[無題]

 

 

 

落ち着こ落ち着こ。

今更死んでんねんから取り乱したところで何もないわ。

 

 

……死んだ今やからこそつくづく思う、何やっとんねん俺。

これの前のファイルに君のことに結構ケチ付けてもうたな。

ほんま申し訳ないわマジで。

生きてる間やったら意地張って謝らんかったやろうけど、死んでるし素直に謝る。

 

君の出自について色々ケチつけて本当ごめんなさい。

 

 

死んだらどんな相手でもディスったらあかんなぁって今思った。

 

名誉ある死ならまだマシかもしれへん。

誰かの為に死ぬとかやったら寧ろ称賛ものなんやろな。

俺の死には名誉なんて大層なものはない。

誰の為にもなってない。

自分自身の為に死んだ。

俺のプライドが可愛くて可愛くて、それが完全に砕かれる前に自害した。

 

ほんまに屑やで俺は……。

プロデュースなんて一度も完璧に出来たことないし。

担当の心身を何度も傷つけた。

いや、身体の面では美世だけか。

内容は互いに他言無用やから言わんけど。

迷惑をかけて、いつもハイリスクローリターンで。

担当にもちゃんとした関係作れんくて。

それで俺がプロデュースに燃え尽きて。

楽になりたくて。

 

 

……楽になりたくなってんや。

 

 

 

 

 

苦しかってん、自分のプロデュースが通用しんくなっていくのは。

辛かってん、俺が彼女らより劣っていくのが。

俺は担当を高みへ導く義務がある。

でも、それを自分要らずでされたらあかんねん。

プロデューサーとアイドルが一つとなってトップを目指さなあかん。

そうやないと、俺の立つ瀬があらへん……。

 

でも、それは起きてもうた。

それも、気づけば差は歴然で。

そしたらプロデューサーは必要とされんくなるのは必然で。

……飛鳥が良い例やろな。

敵意まで向けられんのも無理ない。

俺は担当への理解すら足りてないし。

ほんま、俺要らんやん。

346の歯車に噛み合えない欠陥品や。

 

 

自殺したのも、案外間違いやないかもな……。

……うん、間違いじゃない。

正しいはずや。

自他共に認めるであろう無能の中堅プロデューサー。

所属事務所は少数精鋭のスクエアエコー。

但し、それは今の346の方針とは対をなす孤高主義。

それでも登りつめてきたのは、美世、小梅、飛鳥のお陰。

俺は何にもやりきれてない。

それでも彼女らはしっかり出来るから、仕事はしっかり来る。

で、その仕事に俺が段々意義を持てなくなる。

結果、当然飛鳥には早々に見限られるし、仁奈のことは手を回しきれない。

美世には絶対やったらあかんこと3回もかますし。

小梅ともほぼ会えてない。

 

ざっと思い当たること書いたけど、ここまで来たら生きてるのが申し訳なくなるってもんでさ。

もう手遅れやし、自分の死を少し正当化させてくれ。

 

 

 

……一旦ここで区切ろか。

だいぶ落ち着いたし、己の死にも向き合いきったやろし。

彼女らは、ウチの担当アイドルは、俺がおらんくても絶対ちゃんとやってくれる。

寧ろ俺なんか足枷や。

なんかほんま清々した感じ。

 

 

 

 

 

 

 

あ、半端な自分語りですっかり忘れてた。

これを読んでいるでアシスタント君に頼みがあんねん。

 

あ、いや先に俺についての詳細貼っとくか。

俺というか、スクエアエコーの詳細やな。

 

職歴を書いた感じで経緯を説明するから目通しといて。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ ]




流れ的にちゃんと[ ]のところクリックしてくれたな。

ウチの事務所のこと、さっきのページで理解してくれたな?
さっきまで若干支離滅裂気味な自分語りばっかりやったけど、担当アイドルを大事にしていたことは変わりない。
でも、美世、小梅、飛鳥、仁奈を支える俺は今この世にいない。
せやけど、スクエアエコー……元『トライアルターボ』にアシスタントとして務める君がいる。

言いたいことは分かるな?
……そうや、君が彼女達を導いてやってくれ!
アシスタントっちゅうもんは、file00でも書いた通りプロデューサーと仕事の本質は似てるねん。
それに彼女らも経験積んでるから、サポートしあえるはずや。
仁奈を除いてな。
運営資金は、スクエアエコーの予算から使ってくれて全然構わへん。
そんなぎょうさんある訳ちゃうけど。
事務所もウチの部屋をまるっきり使えることになるやろう。
君にとってもこれは結構なメリットやと思うねん。
それにもしかしたら、彼女らも少し凹んでるかもしれへんしな。
いや、これは大層な自惚れか(笑)
もし彼女らが凹んでて動かれへんかった時の希望になれるから君は。
君はスクエアエコーの新生プロデューサーとして、君臨してくれ。


そんだら、託したで、ウチの事務所のこれからを。




追伸:file 02、03、04、05にそれぞれ原田美世、白坂小梅、二宮飛鳥、市原仁奈についてのメッセージを書くことにするわ。
これはアシスタント君に向けてじゃなくて、各々本人向けってことで。
まぁ本人たちは興味ないやろうけど、読んでくれたら嬉しいな。
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