艦これ?ありませんよ   作:apride

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この章は黒い話になっております。生まれながらの善人の私としてはストーリー上から耐えがたきを耐え…(嘘)
それにしても黒い話は初めて書いたので…稚拙な文章になってたらすみません。


懐柔

提督は早朝から基地内を歩き回る。随分と仕事に精が出る? なわきゃねぇ! 最初の獲物を誰にしようかと朝から物色中なのだ。

 

「此処が艦娘どもの寝所か? 」

 

プレハブ製の兵舎が二棟あり、中は6部屋に仕切られている。一部屋に4~6人というからがら空き状態であるようだ。

隣には水道設備が見え、風呂のような入渠施設になっている。さらに食堂棟があり、海岸に近い場所には倉庫が建つ。

「生意気にカーテンが閉めて見えねぇじゃねぇか? 」

 

「おはよーございます!」

「どわぁっ!! お、驚かすなっ!! 誰だ?」

まだ薄暗い早朝に後から声を掛けられ驚く。相手は小柄な少女の姿をした艦娘だった。

 

「す すみません! 提督!睦月型駆逐艦一番艦の睦月です」

「お前が睦月か‥ ほう、睦月型一番艦(・・・)か… 命令だ、7時に執務室に朝飯持って来い」

「わ、私がですか? あ、いえ‥睦月了解致しました!」

睦月は命令の意味がわからず戸惑うが、提督直々の命令に敬礼した。

 

 

 

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「そろそろ7時か? 朝飯だなぁ? 睦月よ、最初の獲物はお前だよ! グヘヘ」

 

 

「朝食をお持ちしました」

睦月は命令どおりに朝食をのせたトレーを持って入室してきた。

 

「うむ、朝飯はここに置いてくれ。お前は机の下に入れ」

 

「はい? 」

 

 

 

 

 

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「グズッ、グズッ… うう… 」

 

情事の後で静まり返った執務室に睦月の嗚咽だけが聞こえる…

 

「いつまで泣いてやがる! 」

「ひっ!」

「いいか、お前が我慢していれば… わかるな? 」

「…他の()に酷いことしないで!」

「お前次第だと言っておる… 返事は? 」

 

「……わかり…ました」

 

睦月はそう返事すると乱れた服と髪を手早く直して退室して行った。

 

 

 

 

 

「艦娘は姉妹艦想いばかりと聞くからな… あいつは一番艦だから妹艦をネタに脅したのは我ながら良策だったなぁ」

 

 

 

 

「提督…あのような行為はあまりにも… 」

 

振り返るとドアの前に険しい顔で副官が立っている。握った手が怒りからか震えている…

執務室の隣には副官が詰めている部屋がドア1枚隔てて繋がっているのだ。微かに聞こえた声の様子に途中からそっと中を覗いていたようだ。

しかし提督はそんな険しい表情をする副官を気にするでもなく一瞥すると、冷めてしまった朝食を口に運びながら話し始める。

 

 

「ふん‥ おお! そうだ、君の息子さんは確か大学受験だったよね? 最近は奥さんもパートで働いているらしいねぇ? 家計‥大変でしょ? 少佐の俸給はいくらだっけな… ん? 」

 

事前に部下の家庭事情を調べたのだろう、恰も思い出したかのように語りだした。

 

「今そんなことは関係ないで… えっ? 」

 

下衆な笑みで己の家庭事情を語り話を逸らす上官に怒りを露にした瞬間‥目の前に投げられた封筒に驚く。

 

「取っておきなさいよ! 家計の足しには充分過ぎると思いますよ? 」

 

少佐の手は無意識に封筒に伸びてしまった。一瞬の躊躇の後で急かさず手に取って中を見ると札束が詰まっているではないか! 多分‥百万円だろう。

少佐の俸給月額は約15万円也…

 

「貴方も知っての通り、機密費は提督の自由裁量で使えるのです。僕の言ってる意味わかるよね? 」

 

副官は無言で封筒を掴むとポケットに押し込んだ…

 

 

「仲良くしましょうね。グフフ」

 

その時、ドアをノックする音がする。札束が入った封筒から手が離れていない副官は疚しさにビクッとなる。

 

「提督、御呼びと伺いましたが? 」

入ってきたのは基地憲兵隊の隊長。

 

「いやぁ、折角来てもらいましたが…憲兵隊の出る幕は無くなりましたよ。我々の仲間が増えました」

 

提督は憲兵を事前に呼んでいた。副官が封筒を受け取らない場合になんらかの理由を付けて拘束するつもりだったのだ。隊長以下基地憲兵隊は買収済みのようだ…

 

「そうでしたか… じゃ、これで基地幹部は全員足並み揃いましたね」

憲兵隊長は薄ら笑いで副官を見ていた。

 

「隊長‥あんたら既にぐるだったのか! ……」

副官は既に自分以外の主だった面子が抵抗に懐柔されていたこと知り怒りが込み上げた。が、自分もたった今賄賂を手にしたことを恥じ黙りこんだ。その様子をチラッと見た隊長は…

 

「こうなりゃ皆一蓮托生ですよ。我々は精々副業に励みましょうや? 提督閣下は艦娘どもをご存分に堪能されますよう… 手に余るようでしたらお手伝いしますよ?」

 

海軍憲兵大尉のこの男は副官と違い独身であるが、生来の博打好きな性格が災いして多額の借金があったのだ。その為、一番に提督の買収対象となっていた。彼は借金を帳消しにしてもらった上に、基地物資の横流しにも手を染め始めている。

 

「皆さん各々事情がありますからねぇ。僕も提督として部下の皆さんの幸せを願っているんです。先ずは世の中金が無いと! …綺麗事言ってちゃ生活できませんからねぇ…クフフ 」

 

 

深海棲艦が現れて数年が経過、世界の海はその大部分が奴等の生息域となった。

人類にとっての母なる海洋は深海棲艦に奪われてしまい、国際貿易の主軸たる海運は壊滅的打撃を受けている。この事は海洋国家であり、各種資源を海外からの輸入に依存する日本にとって国家存亡の危機なのだ。

だが、それよりも庶民には切実な問題がある…。

貿易がストップした日本経済は奈落の底へまっしぐら、物価上昇率と失業率は比例するように跳ね上がる。株価は下落の一途を辿り、貨幣価値の低下に伴いインフラが進行している。

 

生活必需品を手に入れることが困難になりつつあるのだ!

 

 

 

提督は厚待遇で迎えられた特別職の高級軍人扱いなので、生活の心配などは無くなり… 艦娘への性的欲求を満たすことに夢中だ。

副官や隊長は海軍士官とは言え、不景気の最中では恵まれた待遇とは… むしろ庶民と言って差し支えないだろう。提督は女、彼らは金… 利害が一致してた。

 

 

「少佐に言っておきますが、艦娘を人間だと思わないようにね? あれは女の姿をした兵器(・・・・・・・・)です。くれぐれもそこんとこ忘れちゃぁいけませんからね? 」

 

提督は真顔になり副官へ釘を刺すように‥ 言い含めるように伝えた。

 

「は‥そうです‥ね。奴等は日本国民では無いですものね! 提督の仰有る通りです! 」

 

艦娘は日本国民ではない。彼女達は海戦後の海上で保護された国籍不明の漂流者として扱われていた。対深海棲艦決戦兵器と位置付けられた現在に於いても日本国籍は与えられていない。

少佐は考えを完全に切り替えていた。彼は艦娘よりも家族が大切なのだから…

 

「…(毒を喰らわばなんとやら‥艦娘には悪いが)」

 

 

この基地に艦娘の味方は居なくなったのか…

 

 

 

 

 

 




執務室での豚提督と睦月の情事の描写…必要かなぁ?
どのような行為が行われたか想像出来るように書いてますが、あまりえげつないエロ描写は私自身の人間性が疑われないかと心配(苦笑)
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