行くあてもなく、ただ自由に自分の行きたい所へと足を運び好き勝手な生活を送っていた時。まだ、滞在先と決めた場所に着いて二日も経たないうちに見覚えのある名前から手紙が届いていた。差出人『グレイワース・シェルマイス』
どうやら急用があるらしくアレイシア学院なる施設に大至急来るようにとのお達しだった。断る理由も無く、行くあてもないミカドは暇つぶしに少し行ってみるかと思ってしまったのが失敗だった
アレイシア学院に関してはそこまでの問題も無くたどり着くことができた。それはいい。それはいいのだ
「俺に・・・この学院で生活しろというのはどういうことだ?」
ミカドが睨む先には平然とした顔で座る黄昏の魔女ことグレイワースが座っている
グレイワースに会いに来て出てきた最初の言葉が編入しろ。とのことだった
理由を聞いたところレン・アッシュベルが今回の精霊剣舞祭に出るとかで、それに伴い今回の精霊剣舞祭に出場しろという頼みらしい
もっとも、頼みという名の命令なのだが
「お前もわかってると思うが、アレの正体はカゼハヤ・カミトだ。今回のそれは別人ってことになるんだが・・・っと、まぁ。その話はまた今度だとりあえず今はお前の力が必要だということだけ言っておこう」
(この女・・・・)
内心で吐き捨てるように呟くと盛大にため息を着いて手渡された書類に目を通す
もちろん編入手続きをするための書類だ
「わかってると思うがお前に拒否権はない」
「チッ・・・確かに俺としてはお前みたいなのと契約ってのは死んでも嫌だな。しかも契約者を学院で探せってか・・・勝手に決められるくらいなら自分で選ぶよ」
書類にサインをして机に叩きつけると指定された待合室で待つこと数分
先ほど部屋から出てきたミカドと同様の表情を浮かべながらカゼハヤ・カミトが出てくる
「ミカドか・・・・?」
「久しぶりだなカミト。やっぱお前も呼ばれてたか・・・」
お互いに深くため息をついた後に固く握手を交わす
過去に戦ったこともあったがそれはお互いに叶えたい願いがあって、それを達成するための戦いだった
当時は想定外の事態で負けてしまったがソレに悔いはない
カミトとミカドにとっては共通の知り合いであったグレイワース
その人物がきっかけで旧友と再会できたのは喜ぶべきことなのかもしれない
それとコレは先ほどグレイワースに言われたことなのだが、ミカドことレイ・サルヴァトーレは精霊としてこの学校に編入するらしい
僅かに抵抗があったが、すぐに気づかれるし何よりそのほうが契約者を探しやすいだろうとのことだった
ひとりでも問題無いのだが精霊剣舞祭に出されるとなれば契約者を探さなければならない。さすがに今の自分では荷が重いことくらいは分かっている
過去に契約をしようと寄ってきた者は多かったが誰もが自分の力しか見ていないことに気づいた時は酷く衝撃を受けた
所詮自分は精霊で、人としての価値は無きに等しいのだと
それからは精霊使いとは関わらないようにしていたのだがこの始末である
窓から除く青い空を見上げ、無意識のうちに溜息をもう一つ吐いていたのだった