これからは更新していきます。本当にすみません・・・・
「う、馬小屋・・・・・」
「言うな。俺も悲しくなる」
ミカドは絶句していた。カミトも苦笑しながら歩いていく
いや、きっと居心地の良い快適な場所なわけがない
それくらいは思っていたが、これは想像を超えるものだった。ドアは軋んだ音を上げながら開いていく。家畜臭い
カミトはあまり気にしていない風だがミカドにとっては死活問題だ
異例とは言え一応精霊なのだ。この仕打ちはどうなのかと
ミカドはブツブツと文句を続ける
「大体、あっちから呼び出していおいてこれはないだろう・・・」
カミトは何やら黒い革手袋に視線を落としている。おおかた剣舞姫のことでも考えているのだろう
単純に考えるのなら再び現れた剣舞姫は偽物と見て間違いない。何せここに本物がいるのだから
今回このような仕打ちを受ける元凶と言ってもいい存在だ
「レン・アッシュベル・・・・!!!」
ミカドは今置かれている状況の怒りを込めてそう唸ると、カミトがびくりと肩を震わせて反応する
ふいに、どこからか美味しそうな香りが流れてきた
香りが部屋に充満してくると、ミカドを猛烈な空腹が襲う
「は、はらへった・・・・・」
何かに引っ張られるようにドアへ向かい、扉を開くと何ともうまそうなスープが置いてあった
無意識に手を伸ばすが、お椀は遠ざかる
手を伸ばしては、遠ざかる。これを何度繰り返したことか
気づけばプラチナブロンドの少女の前に立っていた
彼女の後ろにはメイドの姿も見える。確かキャロルといったか
「・・・何の用だ」
「迎えにきましたわ。さぁ、行きましょう。お腹が空いているのでしょう?」
唾を飲み込む。一瞬だが下僕でもいいと思ってしまった
空腹に抗えなくなり手を伸ばしかけたところで引っ込める
カミトが耐えているのに自分が負けてなるものか
「え、遠慮する。じゃあな・・・」
「ま、待ちなさい!」
リンスレットは慌てたようにミカドの袖を引っ張る。空腹も限界に達し、フラフラになっていたミカドは予期せぬ力がかかり引っ張られるままに倒れた
「イテテ・・・何するんだ、ったく」
「私の下僕になるのがそんなに気に入らないんですの?!」
「・・・・」
目線をドアに向けるとカミトが両手を合わせて何かを言っている
(ご愁傷さま)
いつか殴ってやると心に決めた
さらに、そこに災厄を巻き起こしかねない声が飛ぶ
「人の契約精霊に餌付けしてんじゃないわよ!この、泥棒犬ッ」
クレア・ルージュだ。カミトにゾッコンの少女である
クレアはキッとミカドを睨む。すかさず鞭が振られて倒れているミカドに追い討ちをかけた
数度に渡り鞭が振られてミカドはピクピクと震えている
「な、なぜ・・・」
「なぜかしら。考えていることがわかってしまったの」
今は可愛らしい笑顔も悪魔の微笑みに見える
すぐにリンスレットに向き合ったかと思うと罵り合い始まる
「いつもこうなのか?」
「お二人は仲良しなんです」
「「皮肉か?」」
キャロルの言葉にカミトとミカドは声を合わせて苦笑を漏らす。次第に口喧嘩はエスカレートしていき気づけばお互いに精霊を召喚する事態にまでなっていた
「あたしの奴隷に手を出すなんて許せない!」
「あなたの奴隷はわたくしの下僕にしてさしあげますわ!」
地面に倒され、鞭で叩かれ。さらには空腹に追い込まれている
仰向けのまま動く気にすらならなくなっていたミカドの頭が優しく持ち上げられたかと思うと、今度はふわっとした感触につつまれる。空を見上げていたはずの視界にはキャロルの顔が・・・
「って、何してる?!」
「先ほど、助けていただいたのでそのお礼です」
屈託のない笑みにそれ以上は何も言えず、顔が熱くなるのを感じながら黙って膝枕をされるのだった
喧嘩真っ只中の二人に気づかれていないことだけが救いだろうか、リンスレットは魔氷精霊フェンリルを。クレアは炎精霊スカーレットを
お互いの力がぶつかり合い激しい嵐となって吹き荒れる
「おおお、俺たちの家が!」
ぶつかり合いを見ていると、突然カミトの叫び声が聞こえクレアもそれに反応する。視線を向けると、そこには勢い良く燃え盛る我が家(仮)が目に入った。確かに酷い場所ではあったが寝床があるのと無いのとでは段違いだ。これにはミカドもショックを隠せない
「わ、我が一生に一片の悔いなし」
肉体的ダメージと精神的ダメージの相乗効果。+寝心地のよい感触に包まれたミカドは明日目覚めた時はこれが夢であって欲しいと願いながら強制的な眠りを迎えた