魔法仕掛けの人造人間   作:あかいろ

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救世の人造人間

これは昔描かれた物語。

賢者と『造られた少年』の物語。

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

 

一人の少年が賢者の魔法によって造られた。

 

賢者は自分が魔法を極めるために少なかった親しい人間にも数多の無関係の人間にも多大なる災いをもたらした。

 

彼の命が終わる前に彼は償いの為に少年を造り上げた。

 

その少年は賢者により自らを犠牲にして必ず人の願いを叶えるために設定されて、まるでどこにでもいる普通の人間のような容姿をしており、誰からも特別とは思われないように造られた。

 

でもそんな容姿とは違って彼の体は特別だった。

 

絶対に壊れず病にかからず、この世の何よりも頑丈で軟かくこの世の誰よりも健康で長寿だった。

 

彼は自由に古今東西を旅して、いく先々で人を救った。

 

道に迷う人がいるなら目的地まで連れて行き、暴力を受けている人がいるなら暴力を振るう者を倒し、ありとあらゆる場所をその目で見通し、ありとあらゆる道具を扱えた。

 

彼の身体からはどんなものでも創ることができた。

 

氾濫により川を渡れなくなった人々には絶対に崩れない橋を、龍を退治するための旅に出た勇者には万物を切り裂く剣を、飢えで苦しむ人にはこの世のものとは思えない極上の料理を与えた。

全ては彼の体を原材料として代償に造られた。

 

彼には賢者が持っていた魔法や薬草の知識も持っていた。

 

意中の相手を落としたい人には恋に落ちる秘薬を、日照りで苦しむ村には雨を降らせ、火山の噴火には荒ぶる炎を鎮め、殺したい憎むべき相手がいる人には一口で死ぬ毒薬が与えられた。

全ては彼に宿った魔力を代償として生み出した。

 

彼の血にはこの世の全ての生命の源が宿っていた。

 

骨が折れた老人にそれを渡すとたちまち治り、腕の無くした青年に渡すと腕が生えて、目の見えない少女には視力が与えられ、亡くなった女性に渡すと生き返った。

全ては彼の生命を代償としており、与えるたびに彼のは血は弱くなっていった。

 

こうして彼は少しずつ身体を欠けていき、魔力を失い、血を流して、やがてとても寒い冬に、最後に1人、貧しい孤児に寒さをしのぐ為にこの世の何よりも柔らかく温かい毛布を与えて、病気にならない薬を与えて、怪我を治して鼓動を止めた。

 

 

この物語は『人の為に行動することの重要性』と『過度の奉仕は身を滅ぼす』ことを暗示しており、絵本や小説、はてはアニメにもなり世界的に有名となって今も語り継がれている。

 

 

 

 

 

 

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あぁ、またぼくを必要としている困っている人がいる。

ぼくはそれに応えなきゃ、助けてあげなきゃ、救わなきゃ。

それがぼくの存在意義なのだから、創造主(おとうさん)への恩返しなのだから。

 

だからぼくは救いを求めるその声に応えた。

 

「抑止の輪より来たれり、天秤の守り手よ!!!」

 

必死に詠唱する声が聞こえて、ぼくの視界に白髪の青年が現れる。彼がおそらくぼくのマスターなのだろう。

可哀想に何故かはわからないがマスターは苦痛に喘いでいた。

 

「こんばんは、マスター。ぼくに名前は無いけれど、困っているあなたの力になりたいな」

 

そう彼に向かって微笑んだ。

 

 

 

 

 

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身体中を暴れまわり、肉体を貪り食われながらも雁夜は英霊の召喚を果たす為に奥歯を噛み締めて詠唱を続けた。

 

「汝三大の言霊を纏う七天」

 

全ては桜ちゃんを救う為に、時臣を見返す為に。

その一心で呪文を唱え続ける。

やがて光っていた魔法陣が一際大きく輝き始めた。

 

「抑止の輪より来たれり、天秤の守り手よ!!」

 

雁夜がそう唱え終わると目の前に小柄な人影が見える。

それと同時に雁夜は膝から崩れ落ちて床に倒れこんだ。

痛みと魔力を吸い取られたことにより立っていることすら厳しくなったのだ。

せめて召喚した英雄の姿を見ようと首をあげた。

そしてすぐに自分の召喚した英霊が外れだと考えた。

 

「こんばんは、マスター。ぼくに名前はないけれど、あなたの力になりたいな」

 

そう微笑む少年はどこにでもいそうな容姿をした日本人の子供で、親に買ってもらったような子供用のTシャツにズボンを履いていた。

 

こんな子供のどこが英霊だというのか、何ができるというのか。

あぁ、死よりも辛い痛みに耐え抜き、ようやく叶った聖杯戦争への参加もこれではまるで絶望的じゃないか。

 

そう雁夜が考えていると、背後から嘲笑が聞こえる。

 

「はははははは、なんと不幸なことじゃ!!雁夜まさか貴様が英霊の召喚に失敗するだけでなく、幻霊未満とも思えるような何の力も持たない子供の幽霊を召還するとは」

 

至極愉快そうに笑いながら去っていった臓硯に雁夜は何も言う気になれずに、ただ自身の無力感や絶望感に痛みすら感じないままに打ちひしがれ、立ち上がることもできないでいた。

そんな雁夜の様子を見かねて、少年が雁夜に手を伸ばす。

 

「どうしたんだい、顔色が優れないようだけど、マスターは体調が悪いのかい?それとも元からそんな青白い顔なのかい?」

 

質問に答えることもなく、差し出されたその手を受け取ることもできずにただただ涙を堪える雁夜を見て本格的に焦り始めた少年。

 

「ええっと!どこか痛むのかい?待っておくれよ、今ぼくが治してあげるから」

「いや、いいんだ。ほっといてくれ……それとゴメン……これから怖い目に巻き込んじゃうかもしれない」

 

聖杯が召喚させてしまった以上彼は少なくともシステム上は七騎の英霊の1人と認定されてしまったのだ。

英霊を召喚できなかっただけでなく、何の力ももっていなさそうな幼気な少年が本来召喚するはずだったサーヴァントの代わりになってしまった。

罪悪感と絶望感と無気力感に苛まれた雁夜にはもう体の痛みもどうでもいいことであった。

 

「何を言ってるんだいマスター。今にも泣きそうな顔をしてるじゃないか!そんな人を救う為にぼくは造られたんだから」

 

そう胸を張って受け答える少年。

造られた?一体どういうことだと、少年の発言を疑問に思っていると、雁夜の口に少年の指が突っ込まれた。

 

「おわっ!!ひゅ、ひゅうになひをひゅるんだ!!!」

「いーから、ぼくの血を飲んでおくれよ」

 

もごもごと口を動かすが少年は指を動かさない。

しばらくしているとぬるりと彼の指から血が流れ出ているのを感じたが、何かを言い出す前に喉に流れ込み、発言することなどできなくなった。驚きによって。

 

彼の身体中に駆け巡っていた痛みは消え去り、白髪だった髪の色が元に戻っていったのだ。

 

「わぁ、マスター!元々そんな見た目だったんだね!うんうん、そっちの方がかっこいいと思うよ」

 

呆然としている雁夜をよそに1人で楽しそうに喜ぶ少年。

自分の体を見渡してから、ようやく現実を認識して信じられないという表情を浮かべた。

 

「君は一体何者なんだ?」

「ぼくかい?クラスだとバーサーカーだよ。ぼくには名前がないんだ」

 

そう言って楽しそうに少年は笑った。

 

 

 

 

 

* * * * *

 

 

真名 造られた少年

クラス バーサーカー

身長 不定(今回は142センチ)

体重 不定(今回は41キロ)

属性 中立・善・地

出典 絵本『賢者と造られた少年』

地域 欧州

 

真名 造られた少年

 

物語『賢者と造られた少年』の主人公。

助けを求めるだれかの為、自らを犠牲にして出会った人物を救う為に行動した人造人間。

身体は万物の元となり、願われればあらゆる魔術を行使し、血は全ての生命の源泉であった。

 

人物

 

一人称は『ぼく』。

常に笑顔を絶やさず、人々に笑いかける。

人を助ける為に造られた存在であり、またそれを自覚して動いている。

ただし彼の人を救うという漠然とした想像で動いており、本人が望んでいないとしても良かれと思って勝手に行動する。ありがた迷惑も多い。

 

ステータス

 

筋力 B 耐久 EX 敏捷 D 魔力 A+ 幸運 B 宝具 A

 

 

 




最初はアンパンマンをサーヴァントにしようと思って気づいたらこうなってた
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