ラルトスと土御門が眼前の存在に狼狽える中インデックスは、念動力の爆発で吹き飛ばされた中から起き上がる。
「き、キルリア……。ラルトスの進化系です。……トウマ、マスタートウマ、しっかりしてください……」
「つうっ……。大丈夫だ、インデックス。こんなのにやられるほど、やわじゃねぇ」
インデックスは解析結果を、念動爆発の衝撃で聲もとぎれとぎれに土御門達に伝え、主たる上条の下へ寄り添い介抱する。だがインデックスが思った以上に、上条当麻は頑丈だった。
「俺はいい、インデックス。怪我してねぇな?」
「うん、とうまが守ってくれたから……」
「っし、なら、大丈夫だ」
「ラルトス。キルリアは強いのか」
<ぶっちぎりです>
「だったら話は早い。数に勝る今、早急に撃破する」
後方でけが人が無事を確認しているとき、土御門はラルトスと眼前脅威を推し量っている。この推測は当事者に聞くことで、信ぴょう性が確実になるが今は敵。立ちふさがるのならば、排除しなければならない。
「おい、土御門!インデックスは無事だ、逃げるぞ!」
ここらの区画はつながっており、キルリア方面にも上条側にも通路がある。この大広間は4か所に通路がある。そこで今のが牽制であるならば、キルリアが立つ奥こそが最深部であることが確実だ。
たぶん。
いや、そうだろう。
そこで土御門元春は考える。最も効率的な解決方法を。いや、考える意味すらない。そんな事なぞ今までの経験上、常套手段として使ってきた。場面が違えど、それは結局同じ事に他ならない。
「……さて、背に腹はかえられないにゃー」
彼は今後の選択を強いられることに、簡単なため息を一つつく。
「上やん。そっちにいっても、あるのはカス部屋だけだぜぃ」
「なんでわかるんだよ」
「キルリアは俺たちを倒そうと思えば、さっきのサイコカッターで弾幕を張ればいけたはずだにゃー。でもそれをしないのは、俺たちがまだ『脅威ではない存在』または『ただの牽制でこの道を通らせない』ことですたい。それかただの『時間稼ぎ』か」
土御門は真っ赤なボディを持つポケモン図鑑を片手に、キルリアの能力を再確認しながら言う。
「そして俺たちが遭遇して5分が経過。テレパシーを使えるならば、ここの管理者に報告しているはずですたい。でもそれがないのは、『誰もいない』か『いるけれど、行かなくていい』という絶対根拠が必要ですなー」
「……おい、まさか……」
「そう、その通りだ。上やん。そしてここでやるのは、『死ぬかもしれない根拠のない未来』と『死しかない現状の打破』という天秤も必要ねぇ、クソッたれな選択だぜぃ」
土御門は手首にある宝石に指をあて、何かを選択している。そして宝石から出てくる土御門のポケモン。そのポケモンは浮遊しており、実に突撃しかしなさそうな体制をしている。
「土御門、お前、何を考えてんだ!」
「お前が行け、上やん。幸い、俺の方がポケモンに関しては、“強い”」
サングラスを指で直す土御門。余裕そうなその姿は、頼もしそうに見えるがまだ“駆け出しの青年”であり、ただ“ちょっぴり強いだけ”のポケモントレーナーである
「ダンバル。はがね、エスパータイプ。エスパーに対して、1/4ダメージで済みます」
「ラルトス。上やんを頼むぜ」
<もちろんです。行きましょう!>
ラルトスが走り出すのと共に、土御門はビリリダマのソニックブームでキルリアを怯ませ、ダンバルの突進で攻撃を御した。しかしキルリアは隙間を縫って、走っているキルリア・上条とインデックスに向かって『マジカルリーフ』を飛ばした。
必中する不思議な葉っぱは、彼らに攻撃をぶつけたが戦闘不能にできなかった。ラルトスとインデックスは上条に抱き上げられ、彼の鍛えられた脚力で一気に戦線を離脱したのだ。
「さてと……キルリア、少し黙っててもらうぜ?」
盛大な爆発音。上条は歯を食いしばり、後ろを気にしないで前を向いた。まだ死んではいないが、死なないとは限らない究極の選択。ラルトスに道案内をしてもらい、最奥部へ急ぐ。
なぜなら地上でも、珍しいながら強いピカチュウに対して、欲望を抱く者が出現したとラルトスが感じ取ったからだ。その感情をキャッチする能力は、他のポケモンより追従を許さないほど特化している。おかげでポケモンと人間による惨劇を知れたのと同時に、この事件をすぐに解決しなければならないという『気』を上条に抱かせるに至る。
「まじで、早くしろよ?上やん……」
土御門の眼前には、念動力を操りそれにより武器を練り上げているキルリアが阿修羅の如き覇気を身にまとい、殲滅必至の態勢を取っていた。
なんか、読みにくいですね。何がいけないんでしょう……。