PERSONA XANADU / Ex   作:撥黒 灯

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6月5日──【図書室】アメーリアの課題

 

 

「はい、確かに返却を確認しました。引き続きの貸し出しは……可能ですね。“3年F組・金鯱先生”の方だけで宜しいですか?」

「はい、お願いします」

 

 杜宮高校図書室の司書、コマチさんに借りていた本を2冊とも手渡した。その際、貸出の延長が可能かどうか聞いてみると、両方可能だったらしい。とはいえ“世界のグローバル企業”は読了済みだから再度借りる必要もないが。

 となると、まだ他にも本が借りられるな。せっかくだし、見繕って行こうか。

 しかし、何を借りようか。お勧めコーナーを利用しようとしたが、あまりピンとくるものはなかった。

 そういえば以前、自分のペルソナを調べたことがあったな。良い機会だし、仲間のペルソナについても調べてみようか。

 今回調べるのは……比較的有名で出典も知っている、ラーでいいか。

 時坂 洸のペルソナで、ハヤブサのような姿をしているラーは、エジプト神話の中に出てくる神の1体だ。探せば解読してくれる本くらい見つかるだろう。

 

 ……あった、これだな。“エジプト神話の偉大なる神”。ぱらぱらと目を通せば、ラーに関する章が存在している。

 さっそく貸し出し手続きをしよう。

 

「はい、確かに承りました。返却期日は先程のものも合わせて、“6月19日火曜日”となります」

 

 今度こそ期日までにすべて読了したい。

 きちんと計画立てて行こう。

 

 

────>【杜宮駅】駅前広場。

 

 

 帰り道、駅前広場の前を通り過ぎようとした時、ふと、見覚えのある青い扉の前に、これまた見覚えのある銀髪の女性を見つけた。

 せっかくだし、挨拶をしていこう。

 

「こんにちは」

「こんにちは、そしてお待ちしておりました。危うく首が物理的に伸びるところだったとだけ伝えておきます」

「待っていた?」

「ええ、詳しい話は中で致しましょう」

 

 ベルベットルームへと繋がる扉を開く。

 どうした、早く入れよ。といった目を向けられた。

 ……大人しく言う通りにしよう。

 

 

────>【ベルベットルーム】。

 

 

「ふう、やはり立って待っているというのは疲れますね。次からはなるべく早く来てほしいものです」

 

 待たれているとは知らなかったから、というのは通じ無さそうだった。

 これからは通りかかる時に、用事がありそうか小まめに様子を伺うことにしよう。

 

「さて、本日呼び止めさせていただいたのは、少々お願い事がありまして」

「お願いごと、ですか」

「ええ、一言で表すなら、指定したスキルを持ったペルソナを準備して頂きたいのです」

「ペルソナを?」

 

 どういうことだろうか。

 

「ええ、成長の一端を見せてもらいたくてね」

「そのくらいなら構わないが」

「では、期待させていただきますね。最初のお題は──」

 

 

 指定されたペルソナを合成出来たら、確認してもらおう。

 課題を通じて、アメーリアとのコミュニケーションが取れるようになる気がする。

 

 

────

 我は汝……汝は我……

 汝、新たなる縁を紡ぎたり……

 

 縁とは即ち、

 停滞を許さぬ、前進の意思なり。

 

 我、“塔” のペルソナの誕生に、

 更なる力の祝福を得たり……

──── 

 

 

 ……それにしても、指定のスキルを持ったペルソナというが、どうやったら確実に狙ったスキルを継承できるのか。

 まあ、暫くは試行錯誤してみよう。

 

 

──夜──

 

 

 さて、今日はバイトをしようか。

 夜のバイトは今のところゲームセンターか杜宮総合病院の2つが候補になる。他にもあるだろうが、探す時間はもったいないな。

 前は病院の清掃をしたし、今日はゲームセンターに行こう。

 

 

────>ゲームセンター【オアシス】。

 

 

 今日のアルバイトは筐体間の巡回と清掃、灰皿の回収が主業務。その最中にお客様の都合処理などをこなしていく必要がある。

 ゲームセンター特有の喧騒と匂いにはまだ慣れないが、頑張ろう。

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 特に何事もなく終わった。

 少しだけ度胸が身に着いた気がする。

 

 

「……?」

 

 あれ、なんか今、見覚えのある人が居た気がする。

 見渡してみるが、分からない。

 気のせいだったのだろうか……?

 

 

 ……今日はもう帰ろう。

 

 




 

 コミュ・塔“アメーリア”のレベルが上がった。
 塔のペルソナを産み出す際、ボーナスがつくようになった。


────


 度胸 +2。
 >度胸が“ふつう”から“怖い者なし”にランクアップした。
 

────


 めっさ短いですね。
 一応、コミュの話は1話に2つ出さないことにしているので、その関係で特にインターバルはこういう文字数の話が多くなるかもです。

 あと、ベルベットルームコミュは話の都合上、飛び飛びになりますのでご了承ください。

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