IS VS Build   作:シュイム

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今回初めてちゃんとした戦闘シーンを書きましたがやっぱり難しい!
少し仮面ライダーのオマージュも入ってます。
加えて、オリジナルフルボトルの件ですが、今のところ賛成が4人、反対が1人という感じです。 とりあえず賛成という事にしますがこれからも賛成・反対の意見は受け付けます。
番外編を書くとしたら臨海学校が終わってからになるかな?
てか受験終わってからか
それでは建兎のIS初戦闘、どうぞ!


第12話 戦闘開始、アー ユー レディ?

「ーなあ、箒。 気のせいかもしれないけど... 俺達剣道の練習しかしてなくないか?」

 

「(フイッ)」

 

「目 を そ ら す な」

 

月曜、クラス代表決定戦当日となった。

それまでの間なんと2人は剣道の練習ばかりしてたのだ。

なんでも久しぶりに試合をしてみたら一夏のあまりの弱さに箒が憤慨。

ISの事もやらずにひたすら稽古をしていた。

まあ下手に色々手をつけるよりは慣れたもので鍛え、体を作ることも大切なんだが...

 

ちなみに俺は楯無さんの元、放課後みっちりISの訓練をした。

俺は『打鉄』を使っていたのだが当然こてんぱんにされ、気絶した回数も少なくなかった。

そもそも飛んだり武器を出すことすらままならないってのに...

だがまあ何とか感覚を掴めるまでにはなった。

ビルドとはまた違った感じで楽しかったし

 

「桐生、悪いがまだ織斑の専用機が来ていない。アリーナの使用できる時間の関係で先に試合を行ってもらう。」

 

「わ、わかりました。」

 

来た、遂に俺のIS操縦者としての初舞台だ。

心臓はドキドキするし、手汗がヤバい。

それが目に見えて酷かったのか

 

「大丈夫だ。如何なる時も冷静に判断し有効な手を打つ。お前の普段からやってる事を全力で出来れば十分だ。」

 

なんと織斑先生(ブリュンヒルデ)からのお褒めのお言葉。

さすがにこれには喜びが隠しきれない。

 

「ああ、俺たちも応援してるぜ!」

 

「桐生くん、落ち着いて頑張ってくださいねっ」

 

「建兎、陰ながら私も見守っているぞ。」

 

...ふっ。嬉しいな、皆からこんな風に言ってもらえるなんて。

 

「...うん、それじゃあ言ってくるよ。」

 

そう言って俺は打鉄を纏い、一体化。

ピット・ゲートに進み、アリーナへ出る。

ハイパーセンサーに問題はなく、あらゆる角度を見渡し感じる事が出来る。目の前の『相手』、セシリアの事も。

 

「お待ちしておりましたわ、桐生さん。」

 

真剣な表情で話すセシリア。

彼女は青い綺麗な翼を持った機体、『ブルー・ティアーズ』を纏っていた。

手にはセシリアの身長を超えるほどの銃器、『スターライトmkⅢ』を握っている。

 

「あらかじめ言っておきます。」

 

「?」

 

「わたくしは例えあなたが初心者で操縦がおぼつかない、という事でも容赦なく攻撃します。やりすぎだと罵られるかもしれません。しかし!わたくしは代表候補生として、対戦相手に対する最低限の礼儀として、最後まで全力で戦わせていただきます!」

 

「...! 分かった。俺だって何もしてこなかった訳じゃない。一矢報いる位はするさ!」

 

『試合開始!』

 

「ハッ!」

 

「グゥッ!」

 

スターライトmkⅢからレーザーを発射。

俺はそれをギリギリで躱すが装甲に掠ってしまいダメージを受ける。

 

ーバリア貫通、ダメージ58。 シールドエネルギー残量、486。

実体ダメージ、レベル低

 

ちっ! やっぱりまだ慣れきれていないk... ズドンッ!...!!

ヤバい、全弾的確に撃ってくるから躱し切れないぞ!

打鉄の武器である葵をようやく呼び出す事が出来たが、その間も攻撃を喰らっていた。

ブルー・ティアーズには更なる武器であるBTレーザー付きのビット、「ブルー・ティアーズ」がある。 いや本当にそういう名前なのよ。

ライフルに加えて4基のビットによる連続射撃、簡単に躱せるわけもなく

ダメージ 43、ダメージ 36、ダメージ 45... アラートがうるさいし、どんどん蓄積していく!

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

ピットSide

「桐生くん、大丈夫でしょうか...。 先程から攻撃が当たってしまって...。 やはり訓練機ではーー」

 

「...」

 

山田先生は心配そうな顔で、織斑先生は相変わらずの無表情。

しかし、その顔にはどこか期待してるような雰囲気が見られた

 

「「建兎....」」

 

心配そうなのは山田先生だけでなくモニターを見ていた一夏と箒もであった。

あんな相手に次は俺が試合をする...。特に一夏はそんな緊張感も持っていた。

 

一方、観客席では

 

「桐生くん、やっぱり訓練機じゃ勝てないのかな...」

 

「でも、そんなの分からないわよ」

 

「無駄無駄、所詮男がISで女に勝とうなんておこがましいのよ!」

 

「きりりん〜...」

 

「桐生くん... 頑張って...!」

 

皆思い思いの言葉を話していたが、その中でも本音と簪は変わらず建兎を応援していた。

そんな建兎を応援する者が影にもう1人、建兎の修行相手こと更識楯無がいた。

 

「桐生くん、見せてみなさいな。あなたの底力を。」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

俺はひとまず体制を整え、直撃のみを避けながらセシリアに近づく

ハイパーセンサーで上あらゆる方向を見れるのでビットの位置は良くわかる。

 

「うおおお!」

 

「っ! やりますわね! この弾幕から接近してくるなんて!」

 

そういいながらもセシリアは慣れたように躱す。

なんとか一撃、掠らせることは出来た...。

けどだめだ、こんなんじゃ!

 

その後も軌道が読みやすい弾であるからか少しずつ慣れてきた俺は弾幕を躱しながらセシリアに一閃。という流れを繰り返し、当然エネルギー残量に差はあるものの、着実にダメージを与えていく。

 

「あなた、本当に初心者なんですの!? こんな短時間でブルー・ティアーズの射撃に慣れてくるなんて!」

 

「さあ、どうだか、な!」

 

さらに一撃!セシリアが驚き、焦り出したことはハイパーセンサーで分かる。何せ俺がISに触ったのは数える位しかなく、しかも使ってるISは訓練機である打鉄。驚くのも当然である。

 

「ここまで耐え切るなんて...。やはりあなたは何か他とは違いますわね。 ですが、ここまでです!」

 

そう言ってビットがそれぞれ上下左右に配置され、俺に接近してくる。

俺はそれを無理矢理突破するもビットとライフルで一撃ずつ喰らう。

 

残量は残り65...あと一撃で致命傷か... こうなったら!

 

「はあああ!」

 

俺は射撃してくるビットに向かって全速力で突撃、ビットを1機破壊した。

 

「なっ!」

 

これにはセシリアも思わず驚く。

教科書通りってのはこういう不測の事態に弱いってな!

まあ元々この機体の弱点を知ってたのもあったんだけどな。

 

俺はその隙を見逃さず、そのまま突撃。

彼女に有効な一撃を与えた。

 

「っ!」

 

「よし!」

 

ライフルを構え撃ってくるがもう遅い。

目が慣れてしまってるから躱すのは容易だし、ビットもある程度どこから撃ってくるのかも予想できた。

二機目、三機目と破壊しどんどん優勢になっていく。

よし、()()()()()()()()

 

俺はわざと突撃、それを見たセシリアがニヤッと笑い

 

「お生憎様、ブルー・ティアーズは6機あってよ!」

 

腰の辺りから砲台が現れ、ミサイルが発射される。

まさかの武器に躱し切れず直撃。ーー()()()()()()()()()()

 

「ハァッ!」

 

「!?」

 

俺は下から浮かび上がり、セシリアに上段斬りをかます。

予測できていなかったのかそのまま喰らってしまう。

そう、俺はその武器を知っていたため砲台が見えた瞬間体を捻らせてダメージを減らし、低空飛行に切り替え爆発に乗じて上昇、カウンターを放ったのだ。

元々防御型の打鉄だからこそできて、タイミングを間違えば即ゲームオーバーの捨て身技だけどな。

 

「そんな!なぜ、この武装の事を!?」

 

「ブルー・ティアーズについては結構調べたからな!」

 

その後も残されたビットを躱し続けてセシリアを追う。

ライフルを蹴り上げられバランスを崩したセシリアの後ろに回り込み、そのまま叩き斬る!

俺の残量 32...! これで終わ...!

 

ドゥン!

 

!?

刹那、俺は側面からの謎の攻撃に吹き飛ばされ、体に衝撃が走った。

 

ビーーーー!

 

『試合終了。勝者ーーセシリア・オルコット』

 

...は?

今、何が起こった?俺は体勢を立て直しセシリアの方へ向き直る。

セシリアもわけが分からないようだった。

試合を見ていたギャラリーは何かに気づいたようだが...

 

ダメージを確認してみると、

ビットによる射撃 ダメージ 47 とあった。

馬鹿な、ビットはセシリアを間に挟んだ所にあったはず!

あの位置からじゃ狙撃なんて... !

 

まさか...偏向射撃(フレキシブル)!?

 

ブルー・ティアーズにはBT兵器の機能として、偏向射撃が備わっている。通常、直線でしか飛ばないレーザーを曲げて様々な方向に撃つ機能だ。

しかし、この時点ではまだセシリアは使えてなかったはず。

もしやあのピンチになった瞬間に咄嗟にやったってのか!?

 

 

「あ、あの。 桐生さん...?」

 

何も言わない俺を見かねてかセシリアが声を掛けてくる。

 

「...オルコットさん。ブルー・ティアーズには偏向射撃があったよね?」

 

「え、ええ。 よくご存知ですわね。あれが?」

 

「恐らくあれが決まって俺は負けたんだ」

 

「ええ!? でも、わたくしは今ビットを操作した覚えは! それにそもそも偏向射撃は使えなかったはずです!」

 

「もしかしたら無意識に動かしたのかもしれない。『負けたくない』って言う、強い意思で。」

 

「そう、ですか。」

 

何とも言えない表情をするセシリア。

勝てたこと、初めて偏向射撃をできた事に対する喜びやあと少しで負けていたかもしれない事に対する焦り。

正直『俺が負ける』事はなんとなく皆も思っていたかもしれない。

だが、そんな俺たちにギャラリーの皆は拍手をしてくれた。

照れくさくなり、俺たちはそれぞれのピットへ戻る。

そこには一夏や箒、先生達が出迎えてくれた。

...楯無さんに修行してもらったんだから勝ちたかったけどなぁ。

まあ、一夏にセシリアの奥の手とかも見せられたから良しとしよう。

こうして俺のIS初試合は黒星スタートとなった。

 

1-1 クラス代表決定戦 第一試合

勝者 セシリア・オルコット




というわけでクラス代表決定戦はまずセシリアが1勝です。
言い忘れてましたがこの作品では原作と比べてそれぞれのキャラを強めにしようかと思っております。
そこら辺もタグに加えた方がいいですかね?
それではまた次回!

Next→第13話 鋼を砕きしムーンサルト

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