IS VS Build   作:シュイム

26 / 33
はい勉強のストレスに耐えきれませんでしたー、盛大なタイトル詐欺でーす。
そのうえ明後日模試ありまーす。
それではどーぞ


第四章 3人の代表候補生編
第21話 クローズドされた心


「この部品は...どこにあるんだ?」

 

「あー確か整備室にあったはず」

 

どうも建兎です。

ただ今箒と一緒に山田先生から頼まれた部品探しをしています。

 

何故こうなったのか理由を言うと少し長くなるけど...

箒は謎のIS襲撃の際の勝手な行動で迷惑を掛けたこと。

俺は束姉さんから届けられた荷物に一緒に入ってたクローズドラゴンが部屋で暴れて個室がボロボロに。

織斑先生にしこたま叱られて現在先生と同棲中です。(泣)

 

いやね?多分電話越しでも分かってたんだけど凄い性格に難があるのか全く懐いてくれないのよ。

今は織斑先生が拘束してくれているけど解き放ったらとんでもないことが起こる...はず。

これらの理由で俺たちはペナルティとして一週間放課後の雑用を命じられているのだ。

 

「あれ、無いぞ? ここにあるはずなんだが...」

 

「え、じゃあそっちのボックスは...コードか。 じゃあどこだ...?」

 

「何、してるの...?」

 

「「ん?」」

 

後ろからの声に反応し振り向くと手にCD-ROMのようなものを持った簪が居た。

恐らく「打鉄弍式」の組み立てのためにここにいるのだろう。

 

「えっと、すまない。 君は...?」

 

「私は更識簪...。 篠ノ之さんに...桐生くんもどうしたの...?」

 

「あー簪さん、実は今この部品探しててさ。」

 

「どれ...? あ、これならこっちの棚にある。」

 

「あ、ありがとう。 というか、何故私の名前を?」

 

「あなたが篠ノ之束の妹って事は私の組にも伝わってる。...けど、あれだけ派手な事してたら嫌でも覚える。」

 

「うぐっ」

 

簪の一言に箒はダメージを受ける。

少なくともやってる事が危ないことだって自覚あったんだな。

 

「...なんであんなことしたの...?」

 

「わ、私には一夏を助ける力が無くて...。 せめて、せめて何か出来ないか、と思って...。」

 

「織斑、一夏...。」

 

箒の言葉に簪のCDを持つ手の力が強まる。

あ。あかん、これあかんやつや。

 

「か、簪さんはここで何してたの!?」

 

「...ごめん。 それはあなたにも話せない。 じゃあ、私行くから。」

 

「あっ...、ちょっと」

 

そう言って簪は去ってしまった。

俺たちはいたたまれない空気の中、職員室へ向かった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

簪Side

 

「はあ...」

 

私は目の前にあるIS、打鉄弍式を見ながらため息をつく。

ここはISの整備室内にある、プログラムを行うスペースである。

そこで先程の出来事に対して自己嫌悪に陥る。

 

言ってしまった。

憧れの人に、感情的になって冷たく当たってしまった。

私らしくもない...

 

「織斑一夏」...。

彼女の言った『1人目』である男子が私は嫌いだ。

とは言っても直接なにかされた訳じゃないのだが。

 

私は暗部の一族として代々伝わった「更識」の娘だ。

そんな私には第17代目の現当主でこの学園の生徒会長、その上ロシアの国家代表をも務める私と違って優秀な姉がいる。

 

そんな姉といつも比べられて凄く嫌だったし、姉自身からも

 

「あなたは無能でいなさい。」

 

とまで言われた。

 

それでも負けたくなかった。

勉強した。鍛錬した。日本の代表候補生になって専用機だって用意されていた。

それなのに織斑一夏が現れたことによって私の専用機制作は永久凍結。

 

私が何かしただろうか、何故私がこんな罰ゲームを受けなくちゃいけないのか。

心が折れそうで挫けそうになったことだっていくらでもある。

 

でも、それでも私には幼い頃に出会った心の支え(ビルド)が居た。

今でもあの時の興奮は覚えている。

彼のようなヒーローに、強い人間になりたい。

私が今打鉄弍式を1人で組み上げているのも姉への対抗心よりもそれが大きい。

 

だから『2人目』の男子である桐生建兎がビルドであると知った時は本当に驚いた。

彼とは1度話した事があったけど、その時に何となく懐かしく感じたのは気のせいじゃなかったんだろう。

 

本当はあの時のお礼をちゃんとしたい。憧れの人とまた話をしたい。

でも彼はこのIS学園でも皆を助けるヒーローとして活躍してたりこの間お姉ちゃんと仲良くしていたりして今まで話が出来なかった。

 

だからさっきの事は本当に悔やまれる...。

はあ、今日はビルドの動画見るのは止めよう。

止まっていた手を動かし、私は再び打鉄弍式のプログラムを始めた。

 

 

簪Side out

―――――――――――――――――――――――――――――――――

建兎Side

 

「はあ...」

 

「何辛気臭え顔してんだよ、ほら行くぞ! こんちはー!」

 

「おう、いらっしゃい」

 

今日は休日。

久しぶりに外で龍我と一緒に出かけようという事で行きつけのラーメン屋である「ラーメン鍋島」に来ている。

簪との事があって俺は少し落ち込んでいるのだがそんなこと龍我はお構い無しだ。

さすがバカだ。人の気持ちにここまで鈍感なやつは一夏だけだと思ってた。

「お前絶対今バカって考えたろ」

 

「いや、何のことだ?」

 

「あら 建兎くんも龍我くんも久しぶりねぇ」

 

「いらっしゃい! お兄ちゃん達!」

 

「あ、兄貴! こんちゃーす!」

 

ホッ、あぶねえ。

従業員さんのおかげでなんとか話題をそらせられた。

店主の鍋島 一(なべしま いち)さん、奥さんの(ゆき)さんに娘のれんちゃん。そしてアルバイトの妹尾 立弥(せのお たつや)さん。

 

全員俺がビルドとして助けた事のある人達だが、その前からもラーメン鍋島には通っていた。

初めて会った時は思わず叫んだけどな。

 

立弥さんは自分のが年上なのに俺がビルドと知ってから「兄貴」と呼んで

くる。そしてなぜか

 

「また俺には挨拶なしかよ」

 

「...こんちゃーす

 

「声ちっさ!」

 

...龍我を嫌っている。

本編でも確かに仲良くはなかったけどここでもそうだとはな。

 

「おい立弥! 喋ってる暇があるなら足を動かせ!」

 

「は、はい!!」

 

「はあ...。んじゃ大将! 俺シノビラーメンのみそで!」

 

「...俺はスクエアラーメンの塩で」

 

「あいよ」

 

待ってる間も俺は簪との事が頭から離れなかった。

原作でも好きなキャラだったから思った以上に拒絶された事が結構応えている。そりゃなぜあんな態度なのかも知ってるんだけど...。

当然俺は簪の手伝いはしてやりたいが思い返すと楯無さんともよく関わってる俺が接しようとしても逆効果な気もしてくるし、簪を絶対説得出来るとも言えないしな...。

 

「で、お前は何でため息ばっかなんだよ。IS学園でなんかあったか?」

 

「...まあちょっとな。」

 

「なんか分かんねぇけど俺はお前が間違ってるとは思わねえよ」

 

「!?」

 

「お前いっつもビルドになって誰か助けてんじゃねえかよ。 俺もお前が勉強見てくれたおかげで今の高校に入れたようなもんだし。だからよ、誰かがお前を悪く言っても俺は味方でいるぜ?」

 

「俺達もそうだぜ。テレビで言いたい放題言うヤツらもいるが、俺も幸もれんも立弥もお前を信じてる。ほら、とりあえず今は食え!」

 

そう言って俺の前に真四角の皿のラーメン、龍我の前に手裏剣の形を模した海苔の入ったラーメンが置かれる。

...龍我、それはお得意の第六感か? ほんっと凄い鋭いな。

でも、そうだな。また弱気になってた。

これからもっと大変なことだって起こるんだ。気を引き締めてかないと!

 

パンパンッ!

 

「いただきます!!」

 

「「うるさい!!」」




また話進まねえ...。
ちなみに建兎達がラーメン屋にいる時一夏は五反田食堂に居ます。

あと今月末キャラなどの設定出すのを予約してます。
さて次回はいつだ!←

Next→第22話 天空に立つ暴れん坊達

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。