だって主人公の信長まだ一言も喋ってないんだぜ……
「うーむ、まさか吉法師が
「吉法師様が女子だと気づかなかったことに関してはこの平手、節穴か、平手!! と怒鳴られても良い覚悟にございますぞ!! 」
驚愕の事実に動揺する二人が、まあ可愛いので良いかと自己完結しているとそこにただ一人冷静な土田御前がふと思った疑問を提示した。
「それはそれとして御二方。そうは思いたくないのですがもしや……嫡男嫡男騒がしく叫びながらこの間に走ってこられましたよね? 」
「そうだな……むぅ……ということは他の家臣達に……しまったッ!」
土田御前の疑問からあることに思い当たってしまった信秀は顔を青くさせながら一人まだよくわかっていない平手に命をだす。
「平手!少しばかり外の様子を伺って来てくれるか!」
「ハッ!! この平手にお任せあれ!!」
何故信秀が青くなっているのか、よくわかっていないながらも平手はその命令を喜んで受けて外の様子を伺いに行った。
〜数分後〜
「信秀様ァッ──!! 大変でございます、信秀様ァッ──!!」
またもや平手政秀の騒がしい大声が響き渡る。ただ単に声も大きいのに興奮しているが故に何倍も煩い。
「煩いぞ、平手。吉法師が起きたらどうするんじゃ!」
「申し訳ありませぬ!! それと、大変でございますぞ!!」
大変でございますぞ!と何回も壊れたからくり人形のように繰り返す平手に少しばかり苛立ちながら信秀は先を促す。
「何回も言わんでいいわ! で、どうじゃった?」
「簡単に言うと、城内は信秀様に御嫡男がお生まれになった! と大騒ぎになっております。林秀貞殿、青山与三右衛門殿や内藤勝介殿を初めとして」
その事実を聞いた時、信秀はああ、終わった……と思うと同時に電流が頭に走るのを自覚した。そう、もう取り消せないレベルで広まってしまい、お祭り騒ぎになったのならば一層の事大器を感じるこの女子に家を継がせてしまえばいいのだと。
「あー……うむ。いっそ、吉法師を嫡男にするぞ、儂は! この子から儂が親馬鹿なせいかもしれんが才能を感じるしの!」
信秀は女子の吉法師を嫡男にすると言うが、この戦乱の世ではまず女性の地位は低い。鎌倉時代辺りまでは女性も相続権などがあったらしいが、領地の分割相続で武士たちが苦しくなったりした結果、女性の相続権などが削られていったのだ。一部では女性の相続権も戦国時代には存在していたらしいが、それはどちらかといえば少数派。故に女子を嫡男などとすれば大反対の嵐が巻き起こる可能性が高い。故に信秀の言葉に土田御前は疑問を呈する。
「この子を嫡男に? 一体どうするつもりなのです? この子は女子。当主にはなれませぬ。納得しない輩もいるでしょう」
「ふ、その点は安心じゃ! 男だと誤魔化せばよいのじゃ! 儂も見た目が女子っぽいとよく言われるし、恐らく吉法師も儂に似るから問題はないはずじゃ」
信秀の得意げな表情での説明に土田御前も一応納得したのか、それ以上疑問を呈することは無かった。少しばかり微妙な表情をしていたが。小煩い土田御前が納得したことに気を良くしたのか、信秀のテンションは急上昇。
「うむうむ。我ながら良い案じゃ! ははは!!」
「流石は信秀様!! いよッ!! 日本一!! 脳筋!!」
大人二人が酒でも飲んでいるかのように阿呆な会話をしている脇で、土田御前は頭が痛くなり、こめかみを抑えていた。こいつらほんとうにそれでいいのか、と。
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織田信秀は男の娘。
だってよく考えてみてください。
織田信勝、織田信長の父親で、戦国ナンバーワンクラスの美人お市の方の父親ですよ?
ね? これがムキムキマッチョマンな姿とか想像できないじゃないですか(言い訳)
なお織田家はお祭り大好きな感じ。だって当主の信長が催し大好きだし仕方ないね