空飛ぶ少年は海駆ける少女の嘆きを聞く   作:4WD skyline

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著者「おひさでーす!」
瑞鶴「あんた、先月分」
著者「:(;゙゚'ω゚'):」
瑞鶴「……はぁ」


人によって帰宅した後の自宅での過ごし方は違う

「一体なんなんだこの戦績は⁉︎」

という提督の罵声が響く。

提督の見た目は小太りの中年男性で、人を見下す様な腐った目をしていて、身長もそれほど高くなく高く見積もってもせいぜい165センチぐらいだろう。

罵声と同時に提督は一枚の資料を榛名たちに見せつける。

そこには『B級判定勝利』と書かれていた。

判定は艦娘の負傷度や、深海棲艦の撃墜数、もしくは損傷具合等々で決められていて今回のB級判定勝利は決して良いものではないが悪くもない結果でもある、その上勝利を取ってきたので、決して責められるわけではないが……

「一体何回言えばいいんだ⁉︎S級以外は勝利ではないと言っているだろう⁉︎」

と、提督は叫ぶ。

「で、ですが提督、私達三人はただでさえ中破の状態で……」

と、霧島が反論しようとするが

「黙れ!貴様らはたとえ人が死ぬような傷であろうとバケモノの様に自力で治るだろう!それなのにバケツや資源などに頼るなど言語道断だ‼︎バケモノはバケモノらしく治せ‼︎」

といいながら

ーバチン!ーバチン!ーバチン!と、金剛、榛名、霧島の顔を叩く。

「もういい、金剛以外は下がれ……!金剛には旗艦としての『処罰』を与える!」

と言われ

「「は、はい……」」

と、榛名と霧島は執務室から出た。

 

 

 

暫くして、下劣な提督の声と喘ぐ金剛の声が聞こえる執務室の扉の手前で榛名と霧島は立っていた。

「……榛名お姉様」

と、霧島が榛名に声をかける。

「霧島……。榛名は大丈夫ですから。心配しないで下さい」

口調こそ穏やかだが、その表情はとても苦々しいものだった。

(……榛名お姉様)

榛名は隠しているつもりだが霧島には分かっていた。榛名はもともと自己評価がとても低く作戦が失敗すると決まって自分のせいだと思い込んでしまうのだ。

「違う」と言ったとしてもそれでも榛名は自分のせいだと思い込むのは止めない。それどころか気を遣わせてしまったと、さらに自分を責める。

……そんな榛名にどう声をかければ良いか分からず霧島はただ唇を噛みしめるしかなかった。

そして、榛名は

(何故、あの人は艦娘である私の傷を直したのでしょう)

と、海岸で出会った彩月の行動にまだ疑問を感じていた。

(どうして『バケモノ』である、『兵器』である榛名を『人』のように……)

という榛名の彩月に対する尽きない疑問は眠るまで続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー所変わって常世家のリビングでは……

「なあ、そういやあの時の子達の一人、お前のこと『ショウカク』とかいう人のLittle sister……、妹って言ってたよな」

と彩月がふと思い出した。

「え、あ、そう言えば……」

「なんか知ってる?その人の事……」

「う〜ん……」

と暫く瑞鶴は首を傾げるが……

「ゴメン……」

結果は空振りに終わった。

「……そっか。まぁ、しゃあなしだな。ふと思い出す可能性だって無いわけじゃないんだし」

「ウン……」

「そう気にすんなって。生きてりゃどうにかなるんだし」

と、落ち込みそうだった瑞鶴を彩月なりにフォローする。

「そ、そうよね!生きてたらとりあえずどうにかなるわよね!」

と、瑞鶴も元気を取り戻した。

「んじゃ、風呂やってくるから、出来たら先入りな」

「はーい」

十数分後……

湯船に浸かりながら瑞鶴はあることを思い出していた。

思い出すのは彩月と初めて出会った日のこと。

あの日までの瑞鶴は瑞鶴でありながらも瑞鶴ではなかった。

目覚めた瞬間から殺意と破壊衝動にかられ理性を失い、ただただ破壊と殺戮を繰り返していた。深海棲艦はもちろん仲間であるはずの艦娘にも手を上げた。そして、艦娘、深海棲艦が速さを競うかのように瑞鶴を轟沈させようとした。

しかし、あの日彩月が現れた。そして、魔導を使い瑞鶴を助けた。

(あの日……。もし彩月じゃなくて他の人が来てたら私はどうなってたんだろう)

そう思うと湯船に浸かっているにもかかわらず、瑞鶴の背筋が凍えるような冷たさを感じた。

(……彩月のおかげなのよね。今の私があるのは)

そう思うと今度は顔が急激に暑くなるような感じがした。

(でも、何で私を……)

そう、思った次の瞬間だった。

ーガチャ

「瑞鶴⁉︎ボディーソープ確か空だったは、ず……」

と、慌ててボディーソープを持って来た彩月だったが、瑞鶴が湯船に浸かっていたことを思い出し……

「えっと、その、スミマs……」

「キャァァァァァ⁉︎」

ーバチーン‼︎と、瑞鶴の平手打ちを見事に喰らい、その夜の彩月の右頬には、真っ赤に染まった紅葉が出来ていた。

 

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