――』
「―――』
『……少しお行儀よく躾けすぎたのではないかな』
『確かに潔すぎはしますが』
『強いだけでは意味がないとおっしゃられたのはどちら様でしたっけ?』
『蛮勇を振るうのは逆効果だからな』
『勝てねば意味があるまい』
『今の段階で勝てるものか』
『追い詰めたではないか』
『試されただけでしょう』
『我が国と致しましては彼の姿勢を評価します』
『そりゃあそちらは上手く勝てたからな』
『とはいえ公式戦ではありません』
『それにまだ一年生です』
『焦らずノウハウを蓄積していくのが懸命か』
『データ採取は?』
『つつがなく』
『一夏くんも良くやっています』
『倉持には便宜を図って正解でした』
『なぜ織斑一夏は飛べるのだ』
『製作者に伺って下さい』
『承服しかねる』
『彼はあの無様な姿で戦っておるのだぞ』
『機能を優先したまでです』
『飛べぬ機体でISと戦えと言われればああもなりましょう』
『不憫とは思わんのか』
『今更ですな』
『すべての男児にそう思っております』
『歯がゆいな』
『他に男性パイロットは見つからんのか?』
『未だ』
『随時テストを行っております』
『話題づくりにはなりそうですな』
『阿漕な輩が食いつきそうです』
『それで世論が動くとは思えん』
『戯れの玩具に成り下がるだけでしょう』
『苦々しい』
『今しばらく彼には頑張って貰わねば』
『名は何だったかな』
『被検体No.11038号です』
『そうだった』
『名前はつけない約束だったな』
『情が移りますからね』
『随分と犠牲を生んでしまいました』
『供養塔でも建てますかな』
『悲願成就の暁にはな』
『No.11038は優秀です』
『一夏くんとは仲が良いそうで』
『あの環境ならそうもなろう』
『天災の妹とも仲の良いようで』
『保険にはなるか』
『しかし嗅ぎつけている者もおられるとか』
『なに?』
『暗部か』
『抜け目ないな』
『直接仕掛けて来ることはないでしょうが』
『後ろが判断すれば危ういか』
『それは甚だ迷惑』
『具合が悪ければウサギ小屋に戻しては?』
『よく懐いていたな』
『いや一匹送ろう』
『目くらましにはなるやもしれん』
『しかし飼育員へは息がかかっておりません』
『それゆえ怪しまれにくい』
『動かせられますかな?』
『学園に恩師が居ると知れば飛び付こう』
『なるほど』
『くれぐれも慎重に』
『我らは弱者なのですから』
『わかっておる』
『いずれ再興させるさ』
『せめて孫が物心付くまでには』
『男孫ですか』
『娘の結婚式では除け者にされてね』
『せがれの結婚式は哀れだった』
『お察しします』
『忌々しき女尊男卑よ』
『男たちに栄光あれ』
――とある端末のログより