ぼっちの俺と人気な彼女   作:鬱ケロ

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初めまして?こんにちは?鬱ケロです。

他に書いてる作品が全く進まないから、気晴らしにもう一つ投稿。
勢いで書いた。後悔はしていない。
最近リアルが忙しいので不定期です。

それではよろしくお願いします。


高校一年
ぼっちの俺と担任


 ある作品の主人公いわく、『青春とは嘘であり悪である』らしい。

 その後はまぁ、軽い犯行声明っぽい事が書かれているので此処では割愛させてもらう。

 もちろん、そういう考え方もあるだろう。実際、自分はこの言葉を最初に読んだ時に少しだけ納得してしまった。

 さて、此処で突然だが問おう。青春とは何だ?

 彼氏、彼女を作ることと言う人もいるだろう。運動部だったら仲間と協力し、時に喧嘩をし、絆を育むことを青春と言うのかもしれない。先ほど述べた主人公のように嘘であり悪であると言う人もいるだろう。

 この問いへの答えは千差万別。様々な答えがあると思う。

 

 そういうことを踏まえた上で俺の考えを言おう。

 自分が考える青春とは、つまらない周回のようなものである。

 弁明させてもらうが、自分だって高校に入学した当初は友達を作ろうと意気込んではいた。なんだったら話しかけるシミュレーションを何回かしたまである。しかし結果は見事にぼっち街道を突っ走っている。正直突っ走りすぎて、ぼっちのオリンピックがあったら、金メダル取れるかもしれないとまで思ったレベル。

 そんなわけでただ学校に行き、授業を聞き、一人で飯を食べ、また授業を聞いて帰る。俺の青春とはそんなものだ。

 しかしそんな俺の青春に最近おかしなものが入って来た。

 そいつは何故か俺に話しかけてくる。ぼっちの俺に、だ。最初はなんかの罰ゲームかとも思ったがそんな風には見えない。

 あの女は、いったい何がしたいんだろう?

 

 話が逸れたが、つまりはだ。青春だとか言ってるリア充諸君、中には俺のような奴もいるということをわかってほしい。

 それでは最後に。

 俺の青春はいったいどこで間違えたんでしょうか。教えてください。

 

 

 

 

 

 

 全ての授業が終わり、少し落ち着いた雰囲気の職員室。ある人は明日の授業の準備を。ある人は他の先生と談笑をしている。

 そんな先生達から視線を外し目の前に視線を向けると、国語教師兼我がクラスの担任でもある倉持(くらもち) 康太(こうた)は目を腐らせながら俺の作文を読み上げていた。

 最初は大きい声で読もうとしていたが、全力で止めさせてもらった。此処でそんな事をされたら俺の学校生活が本当に終わってしまう。

 先生は読み終わると俯き、少ししてから顔を上げ俺の目を見た。

 

「……最初からだろ」

「真顔で言わないでくれません?心にくるので」

 

 普段見ない目で見てくるから何かと思ったら、俺の高校生活全否定とか酷すぎる。……あながち間違いでもないから否定もできない。

 

「ていうかさ、音無(おとなし)。俺が授業で出したのって読書感想文だったよな?それがどうしてこんなことになってるわけ?本について書かれてんの最初の二行と少しだけじゃん。本の感想かけよ」

「書いてるじゃないですか。『青春とは嘘であり悪である』って言葉に対する感想」

「普通本全体を通しての感想を書くものだろ」

 

 そう言って先生はため息を吐く。

 ……本気で言っているのだろうか、この先生は。

 

「何言ってるんですか先生。この作品は現在十二巻まで出てるんですよ?その感想を書くってなったら、とてもじゃないですけど原稿用紙一枚に収まりませんよ」

 

 とは言っても十二巻はつい最近発売したばかりなんですけどね。

 ずっと待ってました。なるべく早めに読みたいと思います。ありがとうございます。

 すると先生が再度ため息を吐く。

 

「誰が全ての巻を通しての感想を書けって言ったよ。どれか一冊に絞ってそれの感想を書けばいいだろうが。お前馬鹿か」

「さらっと馬鹿とか言わないでください」

 

 確かに頭は少し弱いが、それでも学年で半分よりは上なんだぞぅ。

 そんなことを思っていると、先生は少し寂しそうに俺が書いた作文を見ながら俺に話しかけてきた。

 

「俺がどうこう言えることでもねぇけどよ。もう少しお前はクラスの奴と話してみたらどうだ?そうしたら意外に打ち解けられるかもよ?」

 

 そう言う先生の目を見ると、本当に俺のことを思ってのことのようだ。この先生のこういうところがきっと生徒に好かれるところなんだろう。

 ……だからこそ俺も正直に言おう。

 先生の目を見て笑みを浮かべながら俺は言葉を発する。

 

「無理です」

 

 無理に決まっているだろう。

 

「よく考えてみてくださいよ。四月に入学してからもう半年経ってます。だから、クラスでは大体グループが出来ちゃってるんですよ?そんな中に話しかけに行くとか、魚がワニの住んでる川を泳ぐようなもんですよ」

 

 俺がそう言うと倉持先生は苦笑いを浮かべ、頰をかく。

 

「お前だったらそう言うと思ったわ。でも、今は話す奴いるんだろ?作文にも書いてあるし」

「……あの女が勝手に話しかけてくるだけですよ」

 

 今の俺の顔はどうなっているかわからないが、あまり良い顔はしていないだろう。その証拠に、先生がこの話し合いが始まって初めて笑顔を浮かべていた。……いや、そんな良い笑顔向けるなよ。サディストかあんた。

 

「お前のことが気になるんだろうよ。あんまり邪険に扱ってやるな」

「意味がわからないですよ」

 

 そう言って今度は俺がため息を吐く。本当に意味がわからねぇよ。

 

「ははは。まぁ悩めや。お前はまだ若いんだからな。と、もうこんな時間か。今回は此処までにしよう。感想文は再提出な」

「わかりました」

 

 時計を見ると時計の短針が五を指していた。まぁ、今回のことは俺も流石にふざけすぎたと反省して、俺は作文用紙を受け取る。

 

「それじゃあ失礼します」

「あ、ちょっと待ってくれ」

 

 職員室から出ようとする俺に倉持先生が声をかけて来た。

 なんのことかはわかるが、俺は足を止めて先生の方を見る。

 

「『俺ガイル』十二巻読み終わったら貸してくれ。今月ちょっと金がやばいんだ。頼む」

 

 その言葉に俺はさっきとは違う笑みを浮かべる。

 この頼みに対する俺の返事は決まってる。

 

「いやです」

「今回のこの読書感想文、お前の評定に入れてやっても良いんだぞ」

「ワーイ。先生ニ本ヲ貸スコトガ出来ルナンテ僕ハ幸セデス」

 

 先生のやることじゃねぇよ、ちくしょう。

 泣きたくなる気持ちを抑えて俺は職員室を後にした。




俺ガイル面白いですよね。
ちなみに作者は陽乃さんがけっこう好きです。

読んでくれてありがとうございました。
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