最近プリンセスコネクトってゲームをやり始めました。……投稿遅れた原因もそれが少しあったりします。
このゲーム、アニメが凄いヌルヌル?動いてアプリゲームにしては凄いなぁって思います。周回もそんなに苦じゃないしね!
と、まぁ、そんなこともあって相変わらず投稿が遅いこの作品ですが読んでもらえると嬉しいです。
それでは今回も、よろしくお願いします!
これはテストが終わって少し経ったある日の事。
放課後になり俺はいつものように図書館で本を読もうと教室を出た時の事だった。
「あ!音無先輩!」
「ん?……うわぁ」
声のした方を見ると入学式の日に知り合った後輩が笑みを浮かべながら此方に手を振っていた。
そんなここ数日で見慣れてしまった光景に俺はつい声が漏れてしまったが、後輩はそんなことを気にした様子もなく駆け足気味に近づいてくる。
「もしかしてこれから図書館に行くんですか?」
「……そうだけど」
「偶然ですね!実は私もこれから行こうと思ってたんです!」
そう言って笑みを深める後輩。いや、偶然てお前……。
「なにが偶然ですね!だよ。お前ここ数日俺について来てるんだから俺が放課後に図書館に行く事なんてわかりきった事だろうが」
そう。何を隠そうこの後輩。出会ってから今日まで放課後になるといつも教室の前で待ち伏せていてその度に俺についてくるのだ。
一応入学式の時の事は神無がクラスの奴らにちゃんと説明してくれていたのでその事について騒がれる事は無かった。
しかし、それから毎日来るものだからクラスの奴らの反応がよろしくない事になってきた。具体的に言うと「もしかして脅したんじゃ……」とか、「あんな可愛い子に笑顔向けられるとかクソが!」とか。
まぁ、そんな事があり入学式の時よりも俺に向けられる視線がより鋭く、そして怖くなっているのだ。
そしてその問題の種になっている後輩といえば、そんな事を気にした様子もなく笑顔を浮かべている。
「そんな事より!先輩、早く行きましょう。時間は有限ですよ!」
「うわ!ちょっ、お前急に引っ張んな!」
突然後輩が手を引っ張ってきたので俺はバランスを崩し少しふらついてしまう。
最近気づいた事だがこの後輩、姉である七種 栞よりもかなり元気がいい。それと距離が近い。姉が落ち着き過ぎているので余計そう思ってしまうのかもしれないが、普通に体を触ってくるので反応に困ってしまう。
そしてなにより、その距離の近さが人前でも変わらないので、
「どうしたんですか?早く行きましょう。さぁ、さぁ、さぁ!」
「わかった!行くからちょっと落ち着け!いろいろとやばいから!」
俺に向けられる男子からの視線が二割り増しで鋭くなるのだった。……勘弁してくれ。
そんなわけで場所は変わって図書館である。俺はいつも通りの席に座り読書をしようと鞄から本を取り出すが、横から前から伸びて来た手によって本を取られてしまう。
「……おい。本返せ」
「いや、お話ししましょうよ。私がいるんですから」
そう言って後輩は俺に呆れたような目を向けてくる。
「……はぁ」
「うわ!あからさまにため息吐くとか傷つきますよ!」
「静かにしろよ。ここ図書館なんだぞ」
「あ、すみません」
そう言うと後輩は少し落ち着いて静かになる。
こうして注意するとちゃんと気をつける所は好感持てるんだがなぁ。
「でもですよ先輩。後輩である私とすらまともに話す事が出来ないのは流石にまずいですよ?コミュ障ここに極まれりです」
「……お前俺をバカにしてるだろ?なぁ、してるよな。ん?」
「ヤ、ヤダナー。シテマセンヨ。アハハハ」
「おい。俺の目を見て言えや」
俺が軽く睨みながらそう言うと、後輩は苦笑いを浮かべて申し訳なさそうな顔をする。
そこで後輩は何かに気づいたかのように顔をして、辺りをキョロキョロと見る。
「どうした?」
「あ、いえ。今日は清水先輩はいないんだなぁ、と」
「あぁ。……まぁ、あいつは人気者だからな。クラスの仲が良い奴らと遊びにでも行ったんじゃないか?」
「へぇー」
神無がいない理由を俺なりに考えて言うと後輩からはそんな気の抜けた返事が聞こえてくる。
ここ数日ずっと来ていたから後輩にとっては珍しい事だと思うかもしれないが、実際はあいつが此処に来ることは結構少ない。クラス委員としての仕事もあるし、クラスメイトとの交流もある。
今の俺にとってはどれも縁遠いものだし今更どうでもいいと思えるが、あいつにとってはどれも大切なものなんだろう。
「……なーんか音無先輩つまらなそうですね。清水先輩がいた方が良かったですか?」
「なんでだよ。別にお前がいようが神無がいようが変わらねえよ」
俺がそう言うと後輩は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにニヤニヤと笑みを浮かべた。
「おやおや〜?今清水先輩のこと神無って言いましたか〜?いつの間にそんな仲に?」
「はぁ?……あっ」
後輩にそう言われて初めて俺は自分の言った事に気づいた。
「あ、いや、今のはだな、その」
「大丈夫です。わかってます。わかってますって。安心してください。えぇ、安心していいですとも」
「わかってねぇ!そのニヤけ顔はわかってねぇ!」
後輩のニヤけ顔を見て俺が声を荒げると、俺のそんな反応を見て後輩はそのニヤけ顔をより深めて、ついには俺をまるで小さい子供を見守る親のような目で見始めた。……この後輩本当に最近俺を舐めすぎだろ。
「はぁ。本当にそんなんじゃねぇから変な勘繰りはやめてくれ。あいつに迷惑がかかっちまう」
「迷惑だなんてまた大袈裟な……」
「お前だって俺の噂はもう聞いてるだろ」
「それは!……はい」
後輩は反射的に何かを言おうと口を開いたみたいだが、すぐに苦虫を噛んだような顔でそう呟いた。……後輩達から変な目で見られ始めてたからなんとなくわかってた事ではあるんだが、確証を得るときついものがあるな。
「ったく。誰が一年前の事なんて話したのかね。最近はだいぶ静かになってきてたんだがな」
「……」
「……まぁ、そういうわけで変な勘繰りされてそれが広がるとちょっと面倒なんだ。わかってくれ」
「……はい」
「本当はお前だって俺と一緒にいない方が」
「そんな事!……お願いですから言わないでください」
「……」
後輩は俺の言葉を途中で遮り大きな声を出すが、後になるにつれて声は小さくなり等々俯いてしまう。
それでも後輩は言葉を続ける。
「……だって、先輩は何も悪くないじゃないですか。なのに、まるで全部先輩が悪いみたいに。噂のことだって、変な風に捻じ曲げられて、まるで、その時自分はその場にいたかのように語っていて。誰も、あの時あった事をちゃんと知りもしないくせに。こんなのって……あんまりですよ」
喋っている間も俯いていたため顔はよく見えないが、震えている声と時々鼻をすする音でどんな顔をしているかはなんとなくだがわかる。
そして今の後輩の言葉。やっぱり、そういう事なんだろう。
実を言うと、あの入学式の日に後輩を見てから不思議な感覚はあったんだ。ただ、その時は気のせいだと勝手に納得した。
でも、後輩に会うたびにその感覚は強くなっていった。そんな時だ。俺が一年前のあの時の夢を見たのわ。
……だからわかった。この不思議な感覚はなんなのか。そして、この後輩が誰だったのかを。
こいつは辛いんだろう。自分が関わっている事だから。それに根は真面目っぽいからもしかしたら、自分のせいでこんな事になってしまっている、なんて思っているかもしれない。
俺は未だに俯いている後輩の頭に手をおく。手を置かれた後輩はビクッと肩を跳ねさせて俺の方を見ようとするが、頭を抑えてこちらを向けないようにする。
「悪いな。女の人って髪を触られるのが嫌らしいけど、今だけは許してほしい。
でもな、そんな噂がある俺と関わった事でお前や神無、お前の姉や兄貴……倉持先生に迷惑をかけたくないんだよ」
「そんな、迷惑だなんて……」
「あぁ。わかってる。お前達はそんなこと気にしないだろ?でも、俺は気にするんだよ。自分のせいで誰かが辛い目にあうのが嫌な気持ちは……わかるだろ?」
「……はい」
きっと今の自分の状況と重ねでもしたんだろう。少し間を空けてそう返事をするとまた静かになってしまう。
「もしかしたら俺と関わっている事が原因でお前は友達が作れないかもしれない。最悪、酷い目にあうかもしれない」
「……」
「もちろん、いますぐに決めろとは言わない。でも、今日はよく考えてみてくれ。今後も俺と関わっていくのか。もしくは此処で関わる事を止めるのかをさ」
「……」
「ま、俺が言いたいのはそういう事だ。じゃあ俺はもう行くわ」
そう言って後輩の頭から手を離して席を立ち、出口へと歩いて行く。
途中でこちらを見ている図書館の先生と目があうが何も言われる事はない。……そういえば、今回結構大きい声出してたのに怒られなかったな。もしかして気を遣ってくれたんだろうか。だとしたらありがたかった。
そう思い頭を下げると優しそうに微笑み首を横に振った。
図書館から出る時に後輩の方をチラリと見ると俯いたままだった。
翌日。いつものように教室を出る俺だったが、いつもとは違い後輩の姿は無い。
……まぁ、そういう事なんだろう。仕方ない事だ。
別に、入学式前の状態に戻るだけだ。そう、戻るだけ。
そう自分に言い聞かせながら俺は廊下を歩くが、ここ数日感じていたあの騒がしさは無い。それが、とても寂しく感じた。
……あぁ、俺は意外とあいつの騒がしさを気に入っていたのかもしれないな。
「……つまらねぇなぁ」
「そんな顔してたら更に人が避けちゃいますよ?」
突然聞こえてきたここ数日で聞き慣れた声に俺はゆっくりと後ろを向く。
そこには、見慣れた後輩の姿があった。
「まったく!先輩の教室に行ってみたらもういなくなってて焦っちゃいましたよ!」
「……なんで」
「ここ数日いつも行ってたんですから少し待っていてくれてもいいんじゃないですか?」
「……なんでいんだよ。よく考えろって言っただろ。俺と関わったらもしかしたら……」
「考えましたよ」
俺の言葉を遮って後輩ははっきりと、俺の目をまっすぐ見ながらそう言った。
「考えましたよ。あの後暫く図書館で考え続けましたけど、はっきりしなくて。だから家に帰ってからも考えて、考えて、おねえちゃんににも相談して。
……でも、結局最後は同じなんです。はっきりしなかったのは、私に負い目があったから。
それを無しにすれば、これしかなかったんです」
「……」
後輩の言葉に俺が何も言えなくなっていると、後輩は俺に向かって優しく微笑んだ。
「私は先輩に関わっていきますよ。私は先輩が噂で聞くような人じゃない事を知ってるので。それに先輩と関わらない学校生活とかつまらない事この上ないでしょうし」
「……わかってんのか?俺に関われば友達できないかもしれないんだぞ?」
「噂で人を判断するような人と友達になりたくないです」
「……酷い目にあうかも」
「私一年前から護身術を習ってるので大丈夫です。大抵の奴なら倒せますよ」
「……でも」
「先輩」
後輩はそう言ってゆっくりと俺の方へ近づくと俺の手を握る。
「大丈夫です。だから、自分から独りになろうとしないでください。
お願いですから、私達から、私から離れようとしないでください」
「……そっか」
後輩にそう言われて気づく。
……そっか。俺は自分から独りになろうとしていたのか。
寂しいとか思っておきながら、その原因は俺にあったのか。
こんなに単純な事だったんだ。まったく。呆れて何も言う気になれないな。
「本当にいいんだな?」
「はい」
「多分もう戻れないぞ?」
「戻るつもりなんてありませんよ」
「そうか」
そこで俺は一度言葉を止める。
「んじゃ、これからもよろしくな」
「はい!」
そう言って俺と後輩は一緒に笑う。
あぁ、こいつらなら俺は信用してもいいんだろうな。
そんな事を俺は心の中で思いながら。
「あ、でもあんまり人がたくさん見てるところでくっつくのはやめてくれよ?周りからの視線が痛い」
「えぇー!そんな〜!!」
……あれ?ぼっちってなんだっけ?
なんだか書いていてそんな風に凄い思っちゃったんですが、ま、まぁ、いいよね?
読んでいただきありがとうございました!
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誤字・脱字、感想などもらえると嬉しいです。
それではまた次回!