ぼっちの俺と人気な彼女   作:鬱ケロ

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どうも、鬱ケロです!

ハロウィンなので特別編。クリスマスとかもこんなの書きたい。

長くなっちゃいましたが、よろしくお願いします!


ぼっちの俺とハロウィンイベント

 それは俺が図書館で本を読んでいる時のことだった。

 

「あの、少し良いですか?」

「え?あ、はい。大丈夫です」

 

 本を読んでいた俺は突然声をかけられた。ちなみに俺じゃなくて別の人に声をかけた可能性は無いだろう。……だって俺の周りにほかに人いないし。なんでか、みんなほかの机に座るんだよなぁ。……泣いていいですか?

 

「だ、大丈夫ですか?なんだか目が潤んでません?」

「大丈夫です。それより、何か用ですか?」

 

 考えていたことが顔に出ていたのか心配されてしまったが、すぐに気持ちを切り替え、話しかけてきた相手の顔を見る。

 そこにいたのはこの図書館でよく見る図書委員の人だった。俺と同じ一年だと思うが、俺がこの図書館に来るといつもいるので多分部活には入っていないだろう。あと、長い黒髪がとても綺麗だったのでなんとなく覚えていた。

 

「あ、あの。来週の火曜日の放課後も図書館に来ますか?」

「え?来週の火曜日、ですか?」

 

 その問いを疑問に思いながらも俺は図書館のカレンダーを見る。

 ふむ。来週の火曜日は三十一日か。月末。……これはとうとう図書館にはもう来ないでください。っていうことなのかな。遂にこの学校から俺の居場所が無くなるのか。短かったな。

 

「……あの」

「あ、ごめんなさい。……そうですね。来ようと思ってたけどそういう事なら仕方ないですよね。わかりました。もう来ません」

「え!そ、そんな!な、なんとかなりませんか!?貴方が必要なんです!」

「え?」

 

 え?この人今なんて言った?俺が必要?邪魔じゃなくて?

 

「あの、すみません。え?必要?俺が?なんで?」

 

 いや、本当に意味がわからない。邪魔者扱いされたりしたことはあるけど、必要ですとか言われたのは初めてなんだが。

 

「あ、す、すみません。その、実はその日にハロウィンイベントがありまして……」

 

 彼女はそうして俺にそう言ってきた理由を話してくれた。

 なんでも、この学校の近くの商店街でハロウィンイベントがあるらしく、そのイベントで図書委員会が子供達と遊んだり、お菓子を配ったりする予定になっていたらしいのだが、一週間前になってからいきなり委員の半分以上が外せない予定が出来てしまい行けなくなってしまったらしい。なので急遽、代わりに行ってくれる人を探すことになったそうだ。そこで、いつも図書館に来る俺のことを思い出し、念のため声をかけてみようと思い今回話しかけてきたらしい。

 ……もうね、なんというか、

 

「アニメとか小説みたいな展開だな」

「それは私も思いました」

 

 話を聞いていて思ったことを俺はそのまま言葉にした。そして俺のその言葉に机の向かいに座る彼女は頷いた。あ、ちなみに話している途中で敬語は無くて良いと言われたのでタメ口で話してます。彼女が敬語なのは癖だそうです。

 いや、だってさぁ。イベントで行く筈だった人が直前で行けなくなって、それで困ってほかの人に助けを求めるとか、それなんて学園もの?

 確かに、直前に外せない予定で行けなくなるってことはあるだろうけどさ。それが十人くらいって。あり得るのか?

 俺がそのことに呆れていると、目の前の彼女は泣きそうな顔になっていた。

 

「どうしましょう。このままだと人が足りなくて子供達を楽しませることが出来ませんよぉ」

「いや、ちょっ!ここで泣くなよ。俺が泣かしたみたいになってんじゃん!」

 

 やばいよ!別の場所にいる生徒達が俺を凄い冷たい目で見てる!ごめんなさい!俺はそれで喜ぶ性癖は持ってないんです!

 しかしこのままだと俺は女の子を泣かした噂通りの最低な男になってしまう。これはもう仕方ないか。

 

「わかった!その日は俺も手伝うから!それで良いだろ!?」

「ほ、本当ですか!?」

 

 俺の言葉を聞いた彼女は凄い勢いで俺に迫ってきた。

 いや、近いよ、近い!この子ちょっと無防備すぎないか?

 

「本当だから、ちょっと離れて。近いから」

「あ、す、すみません」

 

 俺の注意でやっと気付いたのかすぐに離れると、頰を赤くして俯いてしまった。……やばい。ちょっと可愛い。

 その姿を直視出来なくなってしまった俺は視線を横にずらす。

 すると、そこには何故か満面の笑みを浮かべる神無がいた。

 

「……何してるの、翔君?」

「え、あ、いや、ちょっと」

「ちょっと、何?」

「いや、その、はい」

 

 あれ?なんで笑ってるのにこんなに怖いんだろう?はは。鳥肌立ってやがる。

 向かいに視線を向けると図書委員の彼女は見てわかるほどに震えて下を向いていた。

 俺は彼女のその姿を見て、勇気を奮い立たせて目の前の魔王(神無)に話しかける。

 

「な、なぁ。ちょっと落ち着いて話し合おうぜ?」

「うん。そうだね。落ち着いて、ちゃんと、その子の事とか、話してもらおうかな。ね?カケルクン?」

 

 あ、なんでか知らないけどオワタ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 十月三十一日。ハロウィンイベント当日である。

 ハロウィンとは本来収穫祭であり、元はケルト人が行なっていた祭りだった。そしてこの日は魔女や悪霊が悪さをしに来るため、悪い霊を追い払う宗教的な意味合いもある祭りでもあったらしい。

 仮装をするのはこの悪い霊達に悪さをされないために仲間のふりをする。いわば、魔除けの意味があるらしい。これについてはいろいろと説があるから興味のある人は調べてみてくれ。

 そんなわけで今俺達は仮装をしているわけだが、

 

「ねぇ、ねぇ。どう?翔君。この衣装!」

 

 隣の奴が凄いうるさい。仮装して俺の前に出てきてからずっとこの調子だ。

 あの後、ハロウィンイベントの事など洗いざらい話した俺達だったが、話し終えると神無が自分も行きたいと言い出したのだ。俺は正直なところ嫌だったが、それを言う前に図書委員の彼女が嬉しそうにオーケーを出してしまったのだ。そして今に至る。……俺、帰って良いかな?

 

「ねぇ。無視は酷くない?」

「ああ、もう。うるさいなぁ。ちょっとは静かにしろよ。てか、叩くな。さっきから肩が痛いだろうが」

 

 そう言いながら俺は改めて神無の仮装姿を見る。

 頭に被っているとんがり帽子からおそらく魔女だろう。

 どことなく、シャドウバースのドロシーに似ている。

 

「あぁ、はいはい。似合ってるよ。可愛いよ。可愛い」

「なんか適当すぎない?」

 

 そう言いながら頰を膨らませる神無。

 いや、実際とても可愛いとは思う。でもなんだかそれを素直に言うのは俺の豆腐並みに脆いプライドが許さなかった。

 

「お二人は仲がいいんですね」

「えへへ。そうかなぁ?」

「んなわけねぇだろ。馬鹿か」

 

 俺達のやりとりを見ていた図書委員の彼女は面白そうに、しかし少し意外そうに俺達にそう言ってきた。

 そしてその言葉を俺が否定すると、神無が俺の背中を殴ってきた。解せぬ。

 ちなみに彼女は白い着物を着ている。なんでも雪女の仮装だそうだ。仮装なのか?あれ。

 あ、あと俺は犬耳をつけて狼男に仮装している。これが一番楽だった。

 俺達の他には前に図書委員の人達がいるだけだった。それでも当初聞いていたよりも人数が多いことから、何人かの図書委員は用事を無くすだかしてこちらに来てくれたようだ。

 そんな風に話しているとらいつの間にか目の前に商店街が見えて来ていた。

 その商店街を見ていると図書委員の彼女が話しかけてきた。

 

「今日は本当にありがとうございます」

「別に良いって。……それより本当に俺でで良かったのか?」

「?それはどういう」

「あー、ほら、噂の事とか」

「噂?なんの事です?」

「え?」

「え?」

 

 あれ?もしかして俺に関する噂をご存知でない?

 神無も同じ事を思ったのか彼女に話しかける。

 

「あ、あのさ。もしかしてだけど、学校で話されてる噂の事知らない?」

「そ、その、私教室でも図書館でも本を読んでいて、あの、そういうことを話す友達が……いない、です」

「……あ、その、ごめん」

 

 そうして二人の間に気まずい空気が流れだした。

 あー、うん。こういう会話って何故か気まずくなるよな。

 それにしてもまさか彼女が俺と同類だったとは。

 薄々感じてはいたけど、本人の口からちゃんと言われると親近感湧いてくるな。

 でもこの空気はなんとかしなければ。そうしないと俺の精神が持たない!

 

「あー、まぁ、知らないなら良いよ。気にしないでくれ」

「はい。わかりました」

「あ、あぁ!も、もう、着いたみたいだよぉ」

 

 神無も空気をなんとかして変えようとしているのか必死に話しかけてくる。……うん。空気を変えたいんだったら、まずその噛みまくるの直せよ。必死すぎてちょっと引くぞ。

 

「それでは、今日はよろしくお願いします」

「う、うん!よろしくね!」

「あぁ、よろしく。それと清水、お前ちょっと落ち着け」

 

 そんなこんなでハロウィンイベント開催です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ。疲れたねぇ」

「そうだな」

「はい、疲れました」

 

 そう言って歩く俺達の表情は心なしかやつれて見えることだろう。

 俺達は今ハロウィンイベントが終わり帰路についていた。

 しかし。本当に疲れた。何がって子供達の勢いが。

 腹にタックルかましてくる子供もいれば、お菓子をもっとくれと言ってくる子供もいたり。子供って体力が終わることが無いのか?軽く人外じゃね?

 

「でも、楽しかったよね」

「はい。普段本を読んでいるだけで、あんな風に子供と関わることが無かったのでとても楽しかったです」

 

 そう言って前の二人は楽しそうに笑い合っていた。

 確かに、俺も普段一人でいるからあんな風に子供と遊ばないから、少し新鮮で楽しかったかもしれない。

 

「これからも何かあったら呼んでね?なるべく協力するから」

「はい。ありがとうございます」

 

 やっぱり神無は人との距離を詰めるのが上手いなぁ。俺はあんな風に言えないわ。

 

「翔君も手伝うよね?」

「え?あ、あぁ。まぁ、暇だったら手伝うわ」

「ふふ。ありがとうございます」

 

 そう言って可笑しそうに、でも嬉しそうに彼女は笑う。

 あ、そう言えば、

 

「なぁ、あんた名前はなんて言うんだ?」

「え?」

「え?知らなかったの!?」

「いや、うん。ごめん」

 

 知らなくてすみません。いや、だって知らなくても今までなんとかなってたんだもんさ。仕方ないじゃん。

 

「そう言えば教えてませんでしたね。私の名前は七種(さえぐさ) (しおり)と言います。以後よろしくお願いします」

「よろしくね!」

「……あぁ、よろしく」

 

 そう言って俺の前で微笑む七種と神無は、沈む夕日もあってとても綺麗に見えた。

 

 




もっと短くなると思ったのに四千文字超えちまった。
ちょっと驚いてます。
最後もうちょいなんとかならなかったかなぁ。

お気に入り登録、評価下さった方々ありがとうございます!
それではまた次回!
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