セシリアに生まれたオリ主がなんとかして一夏を落とそうとするけど中の人が違う面々のせいでなかなか落とせないIS 作:キサラギ職員
A.ないです
Q.百合はどこに行ったんだよ
A.なんのこったよ(すっとぼけ)
Q.主人公はホモなの?
A.ノンケ(ホモ(レズ
「クラス代表決定おめでとー!!」
「おめでとー!!」
夕食後の自由時間。寮の食堂。一組メンバー総揃いで酒の入らない宴会が行われていた。
クラッカーは、鳴らされなかった。下手に鳴らすと山田先生が飛んできて戦場と化すためらしい。地獄耳ってレベルじゃねーぞ。天然ハイパーセンサーかなにか?
壁には『織斑一夏クラス代表就任パーティー』なる紙がかかっていた。
「………ああ、ありがとう」
そして一夏は女子にきゃいきゃいと黄色い声を浴びせかけられながらも、やれオレンジジュースだ炭酸飲料だを注がれまくり、全て飲み干していた。なんだろう。わんこそばじゃないんだからいちいち全部飲まなければいいのに。無限に注がれるぞ。こういうところで妙に律儀?な男である。だがそれがいい。
一夏の腰掛けている椅子の横には仮面を被りお茶を嗜んでいる箒がいる。賞賛の声もなんのその、まるで自分のことのようにしたり顔で頷いている。またも刀らしきものを傍らに提げているが、真剣じゃあるまいな。
俺はどこかって? そら箒の反対側のポジションよ。ちなみに右側。君の右手になりたい。
「これで対抗戦も盛り上がるねぇ」
「絶対一夏君が勝つよ!」
「ねー、強いもんね」
モブ子たちがやんややんや盛り上がっている。主役の一夏が目的ではなくて、盛り上がることが目的な連中、野次馬、その他もろもろが大集合していて、クラスの人数をはるかに超える盛況っぷりだった。
箒がくつくつと喉を鳴らして笑う。様になってるなあ。
「フッ、好意に値するぞ諸君」
仮面女というイロモノゲテモノの代表格とでも言わんばかりの箒のセリフであるが、ミステリアスな空気と熱血的な一夏へのアプローチのせいか、女性陣からの評価は意外と高い。
「好きと言うことさ!」
「ねー箒さんって一夏君と一緒の部屋に住んでるでしょー? どこまでいったの? C?」
「あー気になる。やっぱりもう……」
一夏が本日何杯目になるかもわからないジュースを飲み干し口をぬぐうと、ごほんと咳払いをした。
「別に何もしていない。しつこいから縛り付けてベッドに転がしているだけだ」
「束縛!?」
「え、なに一夏君ドS? そういうプレイまでやってるの!?」
「フジューン! 不純異性交遊っていうんだよ!」
「うらやま死刑」
おいいいい!! 誤解を招く言い方をするんじゃない一夏!
俺は一夏の横で身を屈めプルプルしていた。
すると箒がぽっと顔を赤らめて両手を頬に置いた。仕草は乙女を絵に描いたようだった。
「将来のための勉強とのことらしいぞ」
「違うぞ。お前が耳元でうるさいから縛ってやってるだけだぞ」
一夏がむっとして反論するも、聞きようによっては激しい行為でもやってるのではないかと女子が騒ぐ。だがまあ
キャーキャーうるさい女子を尻目に、俺は悔しい思いをしていた。うーん。この積極性、見習いたい。
すると一夏が何杯目になるかもわからないジュースを飲み干して、げっそりとした顔を向けてきた。レア顔頂き。
「教えてくれオルコット。次何杯の飲み物を飲み干せばいい? 何を食べればいい?」
団長に導いてもらうといい。
じゃなくて。
肘をついて上半身を机にもたれながら人差し指を立てる。
「セシリア」
「?」
「セシリアとお呼びくださいませ。それともファーストネームはお嫌い?」
「セシリア。どうすればいい」
「こういう会食……というにはラフすぎますが、好きな分だけ召し上がればいいのですわ。もう要らないということならば飲み干さずそのまま持ち運べばよろしいと思いますの。パーティーの主役の器が空だったら、誰もが注ぎたがりますわ。全て飲み干せる自信があれば別ですが」
「その発想はなかった。感謝する」
律儀というかなんというか……俺はコップを見つめている一夏の横で口を覆って笑いを漏らしていた。
と、そこで新聞部の女子生徒がやってきた。カメラとボイスレコーダーを持っていた。名前は二年 黛薫子。名刺がぺちりと一夏の前に置かれた。
「はいはーいちょーっと失礼しますね。私は新聞部部長黛薫子。以後お見知りおきを! さっそくなんですけどクラス代表になった感想をインタビューしに来ました!」
黛薫子―――まゆずみかおるこ? 新聞部部長がボイスレコーダーを一夏に向けた。目がキラキラ輝いている。いやな予感しかしない。あること無いこと書かれそうだ。
そこで一夏はなぜか俺のほうにちらりと視線をくれた。なんだ? どういうんだ?
「実力を示したかっただけだ。ほかにわけは無い」
「クールだねぇ織斑君。おっけーあとはちゃちゃちゃっと魔法のペン先で脚色するとして」
オイ。
部長さんとやらはメモにさらさらと何かを書き込むと、ボイスレコーダーを握りなおして笑みを浮かべた。
「じゃ続いて織斑君と戦ったセシリアさんから祝福を込めた熱い愛のメッセージを」
「んななななななな!?」
なぜばれたし。いとしいしとにメッセージをあげるよ!
じゃない、なぜ俺に振るんだよ! 俺は鳩がカール・グスタフでも食らったような動揺を起こした。椅子から立つと、拳銃よろしく突きつけられるボイスレコーダーに引き気味になる。
息を吸い込み、
「お、お、………………いち……おり、織斑くん、さん、お、おめでとうございまひゅぶ」
噛んだ。
だれかおれをころせ。
俺は真っ赤になりながら着席した。頭を抱えて周囲の生暖かい視線を受け止める。勘弁してください。この失敗は認めて次の糧にすればいい。そう思っておこう。
しかしそこはマスコミ、にやりと笑いながらボイスレコーダーのスイッチを弄るという対応だった。なるほど、わかってらっしゃる。この先輩つわものですわ。覚えておけ廃刊にしてやる。
「次写真取るから。握手してる絵が欲しいんだよね見出しにね。専用機持ち三人衆って感じで。そういやなんかコードネームとかないの? 素晴らしきセシリア・オルコットとか」
「わたくしがそんな名前を持っていると思って!?」
俺は十傑衆じゃない! 手伝って欲しいのは俺の方だわい!
ヤケクソ気味に俺が起立すると、一夏はというと、別の部員に横脇を抱えられるようにして起立させられていた。箒? 言う前から既に立ってるよ。屈伸しながら待機してるよ。何と戦うつもりだよ。
あのIS『心鉄』は専用機扱いらしい。こうなると原作の『紅椿』が登場するかどうかも怪しくなってきた。まず白式が存在しなかったりするわけで。そういや鈴音はどんな機体なんだろう。多分原作通りだとは思うんだけど。
「んじゃあの柱の下行ってもらっていい? 張り紙が後ろの構図が欲しいんだよねー」
こうして俺たち三人は張り紙が背景に入る場所まで連行された。
中央に無表情の一夏。俺が右。左に箒。
カメラを構えていた新聞部部長が手でものを中央に寄せる仕草をした。
「もうちょい寄って。特戦隊みたいなポーズとって」
「とるわけないでしょう!」
俺がつい肩を怒らせると黛先輩殿は意地の悪い笑みを浮かべてくれた。サンキュー新聞部。Fワードをぶちかましてやりたい。本場イギリスの罵り言葉を効果的に運用したい。
「あっはっはセシリアちゃんからかい甲斐があるなぁ。撮るよーいーちにーさーんよーんごーろーく」
部長がのんびりとカウントを始めるや否やクラス中の面々が俺たちを包囲した。謀りおったな! みんなで写るつもりか!
俺は咄嗟に一夏の腕にしがみついた。カシャリと音が鳴ると同時にフラッシュが焚かれる。数日後発行された新聞を見てみると、俺が一夏に顔を埋めている場面が掲載されていた。撮り直しとか、されないんですか? 文句を投稿しておいたけど聞いちゃくれなかったんだよなあ。
そんなこんなでパーティーはお開きになった。