セシリアに生まれたオリ主がなんとかして一夏を落とそうとするけど中の人が違う面々のせいでなかなか落とせないIS   作:キサラギ職員

21 / 87
いかん そいつには てを だすな !


18話 ISTD!!!

 パルヴァライザー。

 アーマード・コア ラストレイヴンに登場したラスボス。インターネサインと呼ばれる前時代のさしずめ自己進化型の攻撃兵器生産プラントが作り上げた、アーマードコアに匹敵する機動兵器。ついにその目的や製造の意味合いが明らかにされなかったが、インターネサインすなわち“共食い”の意味と、インターネサインがある場所にレイヤードと呼ばれる人類が“大破壊”から逃れるための巨大シェルターに酷似した施設があることから、それはレイヤードを滅ぼすための兵器だったのではないか……

 

 と俺は推測している(フロム脳)。真に受けるなよ。

 

 

 パルヴァライザーの厄介なところは、相手に倒されるほど強くなることだ。相手の対応や行動戦術を見て、その戦闘データを蓄積、新しい機動兵器を再生産する。外部端末であるパルヴァライザーとインターネサインの完全破壊。コレを成しえない限り、永久に強くなり続ける。さらに厄介なのが“特攻兵器”と呼ばれるAI搭載型のミサイルとでもいうべき物体を無尽蔵に作り上げることである。この兵器のせいで、アーマードコア3系の地上はボロボロになっている。

 

 「それがどうしてここに……!」

 

 俺は焦りを隠せなかった。倒すことはできる、そう確信できた。あれは“無敵”でも、“最強”でも、“例外”でもないからだ。しかし、パルヴァライザーは同時に“倒してはいけない”兵器である。倒せば倒すほど強くなる。原作ではたった二十四時間程度の間でタンク型と呼ばれる動ける砲台程度だった兵器が、空を飛びつつシールドを展開しホーミングレーザーを放ってくるまでに進化した。では数日では? 数週間は? 数年かけたら? 答えは簡単だ。人類は、あれに食い殺される。

 

 「準備が整いました! いつでもいけます。こちら側で学園外への通信を確保するように努力します!」

 「よしなに」

 

 スタッフたちが必死に作業に取り掛かっている。俺は頷いてみせた。

 通信が遮断されている。クラックによる通信網の遮断。そして強力なジャミング。おまけにシールドと扉の封鎖。伝書鳩を放って奇跡を待つほうが賢明だろう。

 だが、俺は、ここを強行突破してやることにした。待機状態だったブルー・ティアーズを展開。俺の体が光の粒子に包まれたと思った次の瞬間には、俺は青い装甲を纏っていた。狭い室内だ。慎重に動く。

 

 「セシリア・オルコット。ブルー・ティアーズ。行きます!」

 

 インターセプターを握り、扉に振りかぶる。

 

 「はあああっ!!」

 

 一刀両断! 崩れ落ちる扉から飛び出した俺は、緊急用シャッターが並ぶ廊下へと出た。ストライクガンナーのビット・スラスターへ意識を送る。ついでに通信回線も開く。どの相手に送っても繋がらない。

 

 「プライベート・チャネル……だめ……か。オープン……これもだめ!?」

 

 『警告 通信妨害検知 オートECCMスタンバイ』

 

 やはり、これは何者かによって仕組まれている。通信回線の暗号化が破られている? 全周波数ごと潰しにかかっている? とにかく、パルヴァライザーに攻撃をさせてはだめだ!

 俺は扉へと突っ込んだ。インターセプター収納。展開、スターライトmkⅢ。構えて引き金に指をかけた。

 

 『射線軸上生体反応検知されず』

 

 「出力最大、ファイアー!」

 

 レーザー照射。隔壁に空いた穴に全速力で飛び込んでいき、廊下を駆け抜ける。途中隔壁に阻まれて孤立していた生徒数人を見かけたが、無視して進む。

 

 「ごめんあそばせ!」

 

 腰を抜かして倒れこんでいる生徒に軽く会釈をして先へ進む。

 あくまで優雅に。たまにうっかりするけど許せ。とにかく急がねば。

 

 「見えましたわ!」

 

 アリーナの隔壁が見えた。ここを破らねば中には入れない。アリーナ側からの損傷は考慮しているはず。しかし、アリーナ外からのしかもピット内部からの攻撃兵器の使用はおそらく考慮していない。破れる可能性はある。シールドによって守られた扉。インターセプターのレーザー刃を全力でドライブして突っ込んでも破れないという数値が、ハイパーセンサーから伝えられてきていた。ならば、強引にでも押し通る!

 俺は唇をきゅっと噛むと、目線を隔壁へと照準した。

 

 「ミーティア・シャワー! スターライトmkⅢ! 全力をぶつけて差し上げますわ!」

 

 ミーティア・シャワーの半分を起動、全て扉へと突っ込ませた。爆発。備品やら壁やらがぶっ飛んだが、この際気にしていられない。請求は俺のお小遣い口座から月末引き落としでお願いします!

 続いてスターライトmkⅢを最大出力で照射。大穴が開いた。よし、ブチ抜いた! とにかく警告しなくては!

 俺はアリーナ会場へと乱入すると叫んだ。

 

 「いかん、そいつには手を出すな!」

 『だめだよそいつには手を出しては!』

 

 ん? 魔法少女みたいな、コンピュータボイスみたいな声が聞こえたがこれは一体……?

 俺がアリーナ上空を見上げると、そこにはおそらくこの世界の混乱の元凶とでも言えるであろう人物がISを纏って浮遊していた。

 

 『そいつにだけは手出しをしてはだめなんだよ!』

 

 「篠ノ之束………ステイシス………?」

 

 軽量二脚型AC『ステイシス』とよく似たISがアリーナ上空に浮遊していた。レイレナード系の遺伝子を強く受け継ぐ空力特性を重視した鋭角な輪郭線。人型でありながら人ではない機体形状。突撃型ライフル、レーザーバズーカ、PMミサイルを装備し、レーダーらしき物体を乗せていた。

 俺がそのISをステイシス?と疑問符を付けたのは、全身をあろうことかピンク色に塗っていたせいだ。ついでにISスーツではなく原作通りの魔法の国アリスを彷彿とさせるエプロンドレスにウサ耳をつけた上で装着しているので、違和感が天元突破している。ハイパーセンサーで拡大すると『この世界は私には遅すぎる』『相対的に私が速い』『すていしす☆』などとふざけたデカールが貼ってあった。やけに上手い自画像とか。お前痛ACかよぉ! このデカールの完成度からしてデカールガチ勢と見た。うまいデカール付いてる機体ってどうしてヘイトが集まるんだろうな。フシギダナー。

 いかんいかん。シリアスな流れを自分で叩ききってしまうところだった。

 

 篠ノ之束。

 

 ISを独自で開発し世界に発表した天才もとい天“災”。一夏からは「狡猾な羊」とも呼ばれる女。

 その性格は天上天下唯我独尊(ワールドイズマイン)とでも表現するべきか、ごくごく限られた事柄と数人の身内の存在は認めるが、あとの人間は塵芥(くうき)か何かのように認識している、異常な人間。いわく作中の事件の大半は糸を引いているという女。原作におけるデウスエクスマキナ。もしくは孔明。その女が、必死な形相でパルヴァライザーに対峙する一夏と鈴音と、俺と、観客と、その場にいる全員に叫んでいた。

 ステイシスということはオッツダルヴァ? でもジャック・Oみたいなこと言ってたし。よくわからないが、手出しはしないほうが――。

 

 「束………チッ」

 「なんなのコイツ! 馬鹿! 離しなさいよ!」

 

 一夏が動いた。束をぼんやりと見つめていたかと思えば、パルヴァライザー――ずんぐりとした形状。フロート型タンク脚部から伸びる胴体に砲身のみの手と、キャノンを乗せた錆びた鉄色の――の砲撃に狙われた鈴音の装甲を掴んで引く。直後砲撃がつい今しがたいた地点を掠めてアリーナのシールドに直撃、ものの一撃でダウンさせた。

 観客席が大パニックに陥っていた。われ先と逃げ出そうとするもの、身を屈めて動かないものもいた。

 ハイパーセンサーによる計測。掠めただけで軍用ISのシールドと装甲であっても貫通し絶対防御を作動させる威力のエネルギー弾。

 

 「どうすりゃいいんだ……!?」

 

 俺はいよいよ混乱状態に陥っていた。駆けつけたはいいが攻撃はできないし、見殺しにもできないし、何もしないわけにもいかない。アリーナのシールドはダウンしている。攻撃させれば生徒が死ぬ。束に任せようにも、コミュニケーションが通用するかもわからない。

 

 「それでも!」

 

 帰ったら出前二人前のピザをたらふく食べて寝ようそうしよう。声優的に。こいつを何とかしたらベッドで寝るんだ俺。

 俺はIS『ブルー・ティアーズ』のスラスタを全開にして、タンク型パルヴァライザーへ突撃を敢行した。




Q.パルヴァライザーってなあに?
A.自己進化する兵器製造プラントが生産する機動兵器。ラスボス。戦闘端末であるパルヴァライザーが破壊されればされるほど情報がフィードバックされどんどん強くなるので、倒してはいけない。ダクソで死ぬほどに強くなる主人公みたいなもん。

Q.タンク型ってつよいの?
A.元の世界基準だと弱いよ

Q.束さん……?
A.はろろーん束さんだよー! 天災の私をお呼びかなー?

Q.ピザ?
A.セッシーが男口調になると緑髪のあのキャラみたいな声になります
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。