セシリアに生まれたオリ主がなんとかして一夏を落とそうとするけど中の人が違う面々のせいでなかなか落とせないIS   作:キサラギ職員

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書けたのであげておくスタイル。あと1、2話で一巻終了します。
感想はばしばし書いてあげてください。なんか戦闘ばっかやってる気がするけどそろそろ日常に裂いていくから……(震え声) イチャイチャとか見たいでしょ? わたしもみたい。
一人称やっぱ難しい。三人称にかなり近くなってしまった


19話 零式月光剣

 「ようは戦わなければよいのでしょう!?」

 

 作中最大の脅威として描写されていたパルヴァライザー――正確には、インターネサインを前に、俺は、テンションがあがりまくっていた。アドレナリンが吹き出ているのだろう。さらに言うとパルヴァライザーは実に10mはあろうかという巨体である。こちらが人間大と考えると、相手は象のようなものだ。仮にブルー・ティアーズが限界性能を引き出し偏向制御射撃(フレキシブル)が行えるようになったとしても、装甲を貫くことさえ難しいだろう。おまけに攻撃を仕掛けてはいけないという縛り付き。俺が取ったのは、体当たりだった。

 

 「一夏さん! 鈴音さん! 攻撃を仕掛けてはいけませんわ! とにかく、アリーナの外へ!!」

 

 俺は叫んだ。通信が使えない以上は、声を使うしかない。ISの拡声器機能を起動させ、叫ぶ。先ほど束が口にしていたセリフを引用しているのだから怪しまれることもないだろう。……ないだろう?

 

 「何をする気だ?」

 「このデカブツを何! ねえ、セシリア!」

 

 俺は二人に目線を向けた。

 

 「とにかく攻撃だけは駄目ですわ! アリーナの外へ! ISで押し出してしまうのです!! ここにあんなものを入れたままでは被害が出てしまいますわ! 手を貸してくださるっ!?」

 「わかった」

 「う、ぐ……わーったやればいいんでしょやればぁっ!」

 

 一夏と鈴音が俺に声を張り上げてくる。一夏は淡々と、鈴音はやけくそ気味に両手を万歳させていた。通信が使えないことを理解したのだろう。

 俺は、動きの鈍いパルヴァライザーの正面懐に潜り込むことに成功していた。ISとパルヴァライザーでは大きさが違いすぎる。また、タンク型は動きが鈍い上に、武器は砲に頼っている。アサルトアーマーのような武器も持っていない。一番安全なのは、密着することだ。どしんと体を密着させ、スラスタを最大限に吹かす。壁を押しているようだった。

 

 すると上空で待機していた束が俺のことを正面から見据えていた。艶々とした瞳。いっそ人外染みた美しい顔の造形。千冬の顔立ちとよく似ていながら、その瞳は艶の中に狂気を宿しているように思えた。

 

 「お姉さんも手伝っちゃうぞ! そこの金髪の子! 押すから………チッ」

 

 束が歳不相……コミカルな仕草で自身の頭上で手を使い兎の耳を作って見せた。表情が一変。突如舌打ちをして身を翻す。黄色い大威力のビーム砲撃がステイシスを掠めた。

 

 『砲撃角度高度重力の影響から計算中……不明 ハイパーセンサー走査内にアンノウン無し』

 

 自慢じゃないがブルー・ティアーズのハイパーセンサー走査範囲は他のISと比べて高い。検知さえできない距離からの砲撃が行われているらしい。よりによって、あの束相手に。

 

 「くっ…………データに無い機体……? この……!」

 

 束が歯を食いしばりながらレーザーバズーカを構えた。

 再度襲い掛かる砲撃。ステイシスの装甲がごっそりと持っていかれる。あの束が、苦戦していた。見る限り装甲もエネルギーも底を突いている。次の一発を食らえば絶対防御が作動して機能停止に追い込まれるだろう。

 

 『所属不明機を二機確認。操縦者不明。ISネーム不明。接近する後続機、戦闘タイプ近中距離射撃型。先頭機、戦闘タイプ全距離対応型………類似する機体一件。サイレント・ゼフィルス』

 

 俺はその言葉を聞いている余裕など無かった。眼前のパルヴァライザー、束に襲い掛かるものがなにか。パルヴァライザーを攻撃せずして排除しつつ、束に襲い掛かる敵をなんとかする。腕前が粗製な俺にはつらいところだが、やるしかない。

 だからその先頭の機体が後続機の三倍の速力で接近しつつあるとわかっても思考を割くことができなかった。その機体が全身を真っ赤に染め抜いていたことをセンサーが捉えても、元ネタが何かについて考えることもできなかった。

 幸いなことにパルヴァライザーの動きは鈍かった。頭部センサーを辺りの動きに合わせて蠢かせるだけで、攻撃をほとんどしてこない。なら、今のうちだ!

 一夏と鈴音が俺の横につけてスラスタを吹かす。

 

 「…………!」

 

 上空。センサーは、例え目を向けていなくても範囲内を遍く脳に情報として送ってきてくれる。

 束が顔を歪めているのがわかった。次の一撃は―――絶対防御ごと貫通して肉体に致命傷を与える程の威力があったから。センサー計測結果、軍用機基準。リミッター無し。

 

 「これ以上はやらせん! 束! もっと動け!」

 

 黄色のビーム砲撃を、遥か下方から放たれたなでしこ色のビームが相殺する。コの字型のフィンファンネルがスラスタの軌跡で螺旋を描いたかと思えば、ぱっと散開した。

 

 「ちーちゃん………」

 「情けないな束! らしくないぞ!」

 

 IS『ν』を纏った千冬がその隣に並んでいた。弱弱しい表情を浮かべる束とは対照的に、鋭く光る瞳を敵対者へと向けて。遅れてやってきた一機を交え、人外の戦闘が繰り広げられる。

 白い閃光と、赤い彗星、焼け焦げた色、ピンク色が乱れながら撃ち合い斬り合いもつれ合う。

 

 「貴様は……!」

 「………」

 「所詮戦争だ。楽しくやろうや……」

 

 千冬の言葉に赤い機体の女は答えず、煤けた色の機体の女はだるそうに答えた。

 

 「他の先生達は何をやってるのよ!」

 「IS保管庫が押さえられている? 携行中だった人だけが対応できたのかもしれない」

 

 鈴音が涙目になりながら言うと、一夏が暢気に自分の顎を撫でながら言った。

 

 「いいから、押しなさい!」

 

 俺はもうアリーナの被害だとか、上空の戦いだとかは頭になかった。とにかく押すことだけを考えていた。

 するとタンク型パルヴァライザーは回避しようとしたのか、下部スラスタを吹かした。スラスタ配置からして、浮かぶか下がるかに特化している。前後の動きには弱いと見た。

 

 「今だ、押せ!」

 

 俺の馬鹿声と同時に、一夏と鈴音が一気に出力を上げた。パルヴァライザーがゆらりと、自ら吹かしたスラスタの勢いのせいでふわりと持ち上がるとバランスを崩した。そのままアリーナ外壁へと叩きつけられ、重量そのまま転落した。

 俺は瓦礫にまみれ見えなくなったパルヴァライザーを前に荒い息を整えようとしていた。

 ブツリ。校内放送のスイッチが入った。

 

 『学校内の諸君! 緊急事態だ。謎の敵の襲撃を受けている。直ちにアリーナから退去するか、その場から動かず救助を待て! ……一夏ァー! 私の機体はここにはないし入ることもできない……だからささやかながらエールを送らせてもらう!』

 

 箒のバカ声が響いてきた。その声の大きいこと。

 

 『バカものが。ようやく使えるようになった放送を……』

 『どうせ聞こえるなら、全校生徒に聞かせてやるさ! 好きだぁー一夏ァー! 学園に入学する前から……』

 

 ガッ。拳が打ち付けられる音と苦悶の吐息。荒い息をした山田先生が放送越しに言葉を発する権利を奪い取ったようだった。

 

 『聞いての通りだ逃げられるなら逃げろ。無理ならば動くな。伏せて待て。ち、外部と通信できればいいものを……!』

 

 

 

 「余計な鎖は外した。……これなら殺しきれる」

 

 

 一夏の声がした。

 

 

 『不明なユニットが接続されました』

 

 

 

 

 俺は振り返った。一夏が虚ろな瞳で背面に背負った特大剣を引き抜いていた。ISの各所装甲が溶けて落ちていく。電流が走っていた。剣が表面の錆を落とす。鮮やかなエメラルドグリーン色の輝きが細部にまで行き渡ると、根元の毒々しい赤い宝石に光が灯った。

 ISのOSからのメッセージが垂れ流されていた。それはISが上げる悲鳴だった。

 

 

 『システムに深刻な障害が発生しています 直ちに使用を停止してください』

 

 

 俺と、鈴音と、箒と、その場にいる全員が見ていた。一夏が光り輝く剣を振り上げる。

 柄に名前が彫られていた。

 

 

 

 『零式月光剣』

 

 

 

 一夏がその剣をパルヴァライザーに振り下ろして――――――アリーナが光に飲み込まれた。

 

 何が起こったのかは俺もよくわからん。意識が吹っ飛んだというのはわかったんだけどな。




Q.赤い機体って
A.出会ったらハイクを詠め

Q.束さん弱くない?
A.相手が強すぎる

Q.緑色の光って?
A.へーきへーき大丈夫だって GNとかサイコフィールドとか魔力かもしれないじゃん
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