セシリアに生まれたオリ主がなんとかして一夏を落とそうとするけど中の人が違う面々のせいでなかなか落とせないIS   作:キサラギ職員

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アーマードコア6 まーだ時間かかりそうですかね?


2話 授業はブリーフィングじゃないです、先生

 「全員揃っているな。SHRを開始する」

 

 ………。

 これ、原作通りなんだよね?

 俺は机に這わせていた指をわなわな言わせかけた。何かおかしいなとは思ったのだ。入学前の戦闘がアホのように厳しくてびっくりしたのだ。まず山田真耶先生の乗機が原作だとラファール・リヴァイヴなんだが、桜のエンブレムをつけたISに乗って登場したのだ。こともなげにブルー・ティアーズのビットもといBT兵器を撃ち落すわ、ASミサイルとか言う兵器で撹乱しつつレールガンとレーザーライフルでこっちのシールドをガンガン削ってくるわ、正直手に負えなかった。しまいには蹴りを食らって壁に埋没させられた。機体名『シリエジオ』。あっ、これ原作通りどころか若干クロスオーバーしてると俺は悟ったね。

 外見は山田先生そのものなんだが、垂れ目がちな瞳は今にも人を殺してしまいそうなほど力が入っているし、胸元をきっちり締めたビジネススーツを着こなしてるせいか印象が大分違う。おまけに認識票を首から提げているせいで軍人にしか見えない。小柄なのに姿勢がよすぎるせいで身長が高く見える。

 

 「これから一年間よろしく頼む。学べとは言わん。死なないように用心することだ。何事もブリーフィング通りに進行するとは限らんのだからな」

 

 ……一部を除いた生徒達がごくりと唾を飲んでおられる。絶対中の人はあの人だ間違いない。原作の千冬さんだってこんなドスの利いた声じゃなかったぞ。

 仮面被ってる箒とか、妙に落ち着いている一夏とか、中の人がリンクスの人とか、まあ俺が一般人な段階で原作糞くらえなんだろうけど。

 

 「まず各々を知ることが勝利への鍵だ。出席番号順で自己紹介しろ」

 

 くだらんことを言ったら殺すといわんばかりの眼光で山田先生がおっしゃった。最初に起立した女生徒は直立不動で声が震えまくっていた。

 順番が一夏になった。一夏はここは原作通りなのかぼーっと上の空だった。

 

 「織斑一夏。……織斑一夏だ。聞いているのか? 何をしている? ばか者が」

 「………」

 

 すると織斑一夏は立ち上がり山田と視線を衝突させた。

 

 「………織斑一夏」

 

 場に緊張走る。何を言うのだ。これ以上のカオスはやめろと言いたい。

 ――織斑一夏。世界で唯一男性にしてISの起動に成功した例外中の例外。

 すると織斑一夏はするりと着席したのだった。任務(ミッション)は完了したと言わんばかりに目を閉じている。

 場の誰もがほっとため息を吐いた。

 なお箒はそれでこそお前だと言わんばかりに頷いていた。なにがなんだかわかんないよ。

 

 「すまないな。弟は不器用なんだ」

 

 その場の空気にするりと入り込んでくる一匹の戦士が一人。

 

 「姉さん……」

 「織斑先生」

 

 来てしまった。中の人と設定が違う事態を想定していなかったからこそ、彼女すなわち織斑千冬についても調べていなかったのだ。入学式と入試で『ん??』と思い調べ直してようやくわかったのだ。

 IS世界大会優勝者。白い悪魔。ユニコーン。最強の女。ブリュンヒルド。

 トレードマークがユニコーンとAを掛け合わせたエンブレムのその人が柔和な笑みを浮かべて教室の扉を開けて中を覗き込んできていた。

 

 「織斑先生。ブリーフィ……会議は終了しましたか」

 「うん? ああ、簡単な打ち合わせだよ。邪魔して悪かったな」

 

 テンパじゃないんすね。俺は口を覆った。いかん男言葉が出かけた。

 千冬さんを狼とするならば、こっちの千冬さんはなんというか頼りになるオカッツァンというか、この人ならば命を預けられるという信頼感がある。男口調も堂々たる態度のお陰で違和感がない。

 

 「みんな聞いてくれ。私が織斑千冬だ。君たちを一人前に育て上げることが私の職務となる。従いたくないならば、それもいいさ。若さは君たちの特権だからな」

 

 だが、と千冬はそう続けながら扉の前から教壇へと移動していった。ハイヒールの音がコツコツと響く。

 

 「若さは時に命取りになる。君たちが扱うのはおもちゃでも重機でもない。スポーツ用になっているとはいえその気になれば人を殺せる兵器だ。私を含め教員メカニックの指示にはよく従うように」

 

 以上だと千冬は欠伸をそっぽ向いてかみ殺していた。

 

 「えっ……織斑くんって、あの千冬様の弟……?」

 

 さらりと流されていた新事実に場が騒ぎ始める。

 千冬自身言うつもりはなかったのだろう。あちゃーと額を押さえている。

 一方の一夏と言えば目を閉じてうつむいている。まさか眠っているでもあるまいに。

 

 「そこまでだ。よしてくれ。大会で活躍したくらいで。私がやっていることは基本を重ね続けた結果に過ぎないよ。口が滑ったが一夏は私の弟で間違いない。だからといって贔屓はしないさ」

 

 千冬は黄色い歓声があがることを十二分に理解しているのだろう、疲労感を隠せないしぐさで手を打って場を静かにさせた。

 基本を重ね続けた結果と本人は謙遜しているが、元ネタ的にピキンんと電流走る的センスを持ってるんだろうなあ。

 一応この世界にも弾道ミサイルを千冬が迎撃した事実はあるらしい。ただしビームサーベルで数百もの弾道ミサイルの先端のみを切断するだとか、距離にして数百kmから狙撃したとか、ニュースサイトを斜め読みするだけで頭が痛くなるような内容だったが。

 

 「SHRは終わりだ。早速で悪いが一時間目から授業が入っている。ついていけるように予習復習はよくしておけよ。年寄りの長話はここまで。以上解散。山田先生。申し訳ないが後をお願いします」

 

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