セシリアに生まれたオリ主がなんとかして一夏を落とそうとするけど中の人が違う面々のせいでなかなか落とせないIS   作:キサラギ職員

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おまたせ
書けるようになったので書きますね
久々すぎて文体やらがおかしい気がする。
一同がイギリス行っていたのでちょこちょこイベントが飛びます。


48話 真夏の夜の夢

 夏休みというものはいいものだとつくづく思う。イギリスから帰ってきてもまだ休みというのは実に神がかり的なものだと思うし、寮に戻っても夏休みというのはすばらしいことだと思う。

 学園はただいま閉鎖されて、各種防衛装置が設置されている真っ最中である。学園への立ち入りはできないが、寮だけは例外とされている。とはいえいかつい体格の黒服がウロウロしているので、いつもの学園とは大きく異なっていると思う。

 対空ミサイル。対空機銃。レーダー装置。校庭隅をちらりと見たとき間違いでなければヘリポートとそれに併設する格納庫も建設されるようだった。なんでも宇宙にも防衛装置が配置されるそうで、いよいよ学園は要塞かなにかのようになってきた感じはある。

 さて、愛すべき母上から『一夏を嫁に貰って来い』などといわれて(言われるまでもなくそうするつもりだが)、俺たちは帰ってきた。確か原作だと何が別のイベントがあったような気がするが帰国するまでの間の時間でイベントがお流れになってしまったような気がする。

 普段、ISの携行には特殊な許可が必要なのだが、件の事件の後はむしろずっと持っておけと言われる始末だった。素手で立ち向かうよりISがあったほうがいいに決まってるという判断らしい。

 たしか―――この後……なんだっけ? 夏祭りかなにかがあった気がする。確か。原作を知っているといっても、それを読んだのは遥か昔のことだ。今はもうセシリアが俺なくらいには適応するまで時間が経ってしまっていて、細部が思い出せない。

 夏祭りか。グラハムさんこともとい箒が踊るんだっけ。あの仮面姿で踊るのか少し気になるが。

 俺は携帯端末を開き、ただいまの気温が35度という殺人的な加速……じゃなくて数値をたたき出しているのを見て、うなだれた。

 

 もういっそ、一夏をプールに誘えばいいんじゃね?

 

 それだ。なぜ思いつかなかったのだろう。水着は買ってある……いや新しいエロ水着を買って誘惑すればよいのだ。ウォーターワールドなるなんちゃらアンズ的な施設が今月オープンしたと聞いた。そうしよう。俺はヴェール付きベッドに寝転がりながら端末を弄ってみた。券なら金の力でたやすく手に入る。あとは相手方がどう思うか、だ。

 その旨を送信してみる。一夏は男らしいというか、メールを送ってもなかなか返信を返さない。返してはくれるが、すぐではない。などと苛々してしまうのは、女の子だからなのだ。

 

「まだかしら……」

 

 時刻は昼。クーラーをガンガン利かせているので暑くもなんともないが、一歩外に出れば地獄が待っている。昼ということは、起きているはずだ。ということは端末を見て返信を送ってきてもいい頃だ。

 

『水泳の訓練か?』

 

 天然な返しが戻ってきたので、俺は思わずにやけてしまった。ベッドでゴロゴロしながら返信を返す。

 

『遊びですわ 新しい水着を披露したいのですけれど』

『構わない 相談にのってほしい』

 

 唐突な切り出しに俺は戸惑いながら、寝転がったまま文をタップして打ち返した。

 

『どのような相談ですか』

『地元で夏祭りがある かぐらまい という宗教儀式で 前までは誘ってくれていた ことしは くるなといわれた』

 

 ああ、と思い出す。そんなイベントが挟まるのか。しかし不思議なこともあるものだ。神楽舞という言わば自分自身がメインイベントになるような好機をあの箒が見逃すはずがない。確か原作箒は恥ずかしくて誘っていなかった気がするけど、この世界だと誘いまくっていたんだろうなというのがわかった。というのに来るなという。意味がよくわからないが、なんと答えるべきだろう。前まではというのもいつまでかはわからない。誘拐されていた時期があるようだし、IS発表騒動でそれどころじゃなくなった時期もあるはずだからだ。

 俺はベッドから脚を下ろして座る姿勢をとると、窓から外を見た。

 

「嫌になるほどのお人よしなんですね、わたくしは」

 

 何か悩みがあるに違いない。解決に導けば感謝はされるだろうが一夏と箒の仲が進んでしまうかもしれない。けど、見過ごせない。俺はため息を吐くと、文を送っていた。

 

『なぜだめか聞きましたか』

『聞いてない 聞いて それでもくるなといわれても見に行きたい そのときは付き合ってくれるか』

 

 この朴念仁はまたこんなことを言う。朴念仁も極まるとそのうち包丁でブッ刺されるぞ。

 俺はその文章にもやはりノウとは言えず、イエスと送っておいた。

 

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 祭り当日。チェルシーの運転するロールスロイスに乗って俺は会場までやってきていた。自慢じゃないがセシリア=オルコットの外見は、日本だと酷く目立つ。ブロンド髪に高身長しかも容姿端麗ときたら何もしなくても男が寄ってくるのだ。祭りの会場でブランド物をまとっていくのも不自然だし、着物も目立つ。そこでごく普通のシャツに、デカイ麦藁帽子で顔を隠すスタイルを取ってみた。

 車が祭り会場から少し離れた場所で停まった。チェルシーが音もなくやってくると扉を開けてくれる。俺は彼女の手をとりながら車から出ると、端末を開いた。

 

「お嬢様ご健闘をお祈りいたします」

「そ、そんなんじゃありませんわ! わたくしはただ箒さんのことを思って!」

「その割にはずいぶん“気合の入った”お召し物を―――」

 

 チェルシーの目線が俺の足回りに行く。なぜばれたし。夏祭りで過ちを期待するのは間違っているのだろうか!! いや、ない。香水もばっちりだ。どんとこいだ。草むらでもいいよ!

 いかん、危ない危ない。通報案件はまずいな。

 俺は帽子をかぶりなおすと、小走りで車から逃げた。

 程なくして愛しいアイツが見えてきた。短パンにシャツ。鞄一つ持たぬストロングスタイル。携帯を弄りながら、神社の鳥居の足元で暇をつぶしていた。俺は帽子のつばを少し持ち上げると、横合いから声をかけた。

 

「ごきげんよう、一夏さん。良い日暮れですわね」

「不快指数は高いようだが……行くか」

 

 携帯電話で何を調べていたのかは知らないが開口一番これである。でも好き。

 俺は人ごみ掻き分けていく逞しい背中を追いかけた。

 神社は大きくもなく、小さくもないといったところだが、現地民が大勢いるせいか、まっすぐ歩くことができなかった。武道者のような足運びでずんずん進んでいく一夏に追いつくのは至難の業だったが、ごめんあそばせを連呼しながらついていくことで間に合わせた。

 

「………」

「あいたっ!?」

 

 俺は一夏が急に止まったので顔面から背中突っ込むことになった。男性的な体臭に恍惚としかけたが、そこは鋼の理性で押しとどめる。

 仮面を取り払った箒が、舞台の上で舞っていた。巫女装束に、真っ白な化粧をして、赤い口紅を引いていた。片手には扇を、片手には宝刀を握って、緩やかに神に奉げる儀式をしていた。太鼓(正式名称は知らない)と、琴と、笛の音に合わせて、緩やかに、扇についている鈴を鳴らす。

 

「まあ……綺麗ですわ………」

「ああ」

 

 俺は思わずそう呟いていた。あの活発で破天荒で突拍子もない行動ばかりする箒が、まるで本職の巫女さながらに舞っているのを見て、嫉妬心さえ沸いてこない。境内に炊かれている篝火に照らされながら舞を踏む姿は幻想的としか言いようがなかった。

 俺たちが固唾を呑んでみていると、踊りも終盤に差し掛かっているのだろう、動きがさらに遅くなってきた。刀を鞘に戻し、しずしずと奥へと消えていく。

 

「あっ……いち……か?」

 

 その時、箒が急に俺たちの方を見た。正確には俺ではなく、一夏が食い入るように見つめているところを。

 しかし、不思議だ。箒は仮面で顔を隠していたからてっきり大やけどでもあるのだと思っていたのに、見ている限りは綺麗だったのだ。傷跡一つ無かった。というのに箒は顔を隠して足早に去っていった。

 

「何をするんだ。後を追いかけなくては」

「いえ、一夏さん。ここはわたくしに任せて頂けませんか。今彼女と会ってもいいことはないでしょうから」

「どうしてわかる」

「女の勘というやつでしょうか……とにかく、本人がいいと言うまでは会わないほうがいいと思いますわ」

「しかし……」

「いいから!」

 

 駆け出そうとする一夏を俺は服を掴んで食い止めた。ぐずる一夏の唇に指を押し付けて、黙ってなさいとジェスチャーして駆け出す。

 恋敵である俺が行くほうが状況を悪化させるかもしれないが、来るなと言われているのに来た一夏よりも、俺のほうがいいだろうと思ったのだ。だって、何せ……。

 

「泣くなんてらしくないですわよ、箒さん」

「セシリア=オルコットか……」

 

 神社の境内を駆け抜ける神楽舞用の装束をまとった巫女というのは目立つものだ。屋台のおじさんに話を聞けば、すぐにどこに言ったのか位はわかった。神社の倉庫の裏にいるらしい。俺が覗いてみると目元を擦り涙を零す篠ノ之箒その人がいた。

 

「泣いてなどいない。ただ感極まっただけだ!」

 

 言いながら箒はそっぽを向こうとした。俺は半ば強引に肩を掴んでこちらを向かせて、

 

「顔が………」

「だから見られたくなかったと私のことを笑うか? 笑いたければ笑うがいい。不肖、篠ノ之箒。恥というものは知っているつもりだ」

 

 やけくそ気味に言うその箒の顔には、有機的な曲線を描く無数の光る線が浮かび上がっていた。

 黒い機体が似合いそうだなと一瞬意識がそれるも、俺は一夏が追いかけてきていないことを確認すると、箒の肩に手を置いたのだった。ああ、こういう役割はどっちかと言うと、なんて思いながら。




ナデシコ? 知らんなぁ(すっとぼけ)
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