幻想妖怪百物語   作:ぱる@鏡崎琴春夜

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名無しの本読み妖怪の怪

 カランカランと戸を開けると必ずなってくれるベルが今日もなる。

「こんにちは~♪」

 

 今日は2月14日つまり・・・えーとバレンタインデー?

 

 外来人のあの人が言うには今日はプレゼントして告白をする日だとか・・・

 だから今日こそあの人のハートを仕留める!

 

「やぁ、ようこそ香林堂へ・・・今日は何のようかな?」

 

 私の意中の人、森近霖之助さん・・・今日こそは告白してやりますよ!

 

 

「あのー霖之助さん・・・ちょっといいですか?」

 勇気を振り絞れ私!

 私はやれば出来る子だから!

「どうしたんだい急に改まって?」

 そうだ私プレゼントを取り出せ!

 最近貯めたお金全部使ったんだから頑張れ!

 

「こっこれぇ、かっつえきたのでたったべてくらひゃい!」

 

 ・・・盛大にやっちまったー!

 もうだめだ可笑しな子認定されちゃうぅ~

 

「ははは、急にたじたじになってどうしたんだい?」

 ダメだこの人鈍感すぎる・・・

 

「ん?」

 笑顔でお菓子を受け取った霖之助さんが少し不思議なそうに首をかしげる。

「どうしました?」

 一応気になって聞いてみるが思わしい返事は貰えなかった。

 

 どうしたのだろう?何か不手際などが有ったのかもしれない・・・

 

 

 霖之助さんに背中を預け本を読む。

 しかし、さっきのことが気になって不安で仕方ない・・・

 

「ねぇ、霖之助さん?さっきのお菓子ですが何かあったんですか?」

「いや、それはね」

 何かを誤魔化そうとするそんな言い方が気に食わなく、つい頬を膨らましてしまう。

「何なんですか!ハッキリしてくdー「よー!こーりん!雉捕まえたんだ!鍋にして喰おうぜ!」

 

 しかし、私の怒りの抗議は侵入者によって掻き消される。

 

「ん~?お前たしか霊夢にボコられた奴だよな?」

 その侵入者、霧雨魔理沙は私の顔をみて開幕早々煽るようなことを告げる。

「なんですか?人間ごときが妖怪には敵わないんですよ!」

 売り言葉に買い言葉でどんどん一触即発に移行していく中、霖之助さんが止めに入る。

 

「ハイハイ、そこまでそこまでだ。喧嘩はよそでやって来れ」

「「はーい」」

 そして霖之助さんは少し申し訳なさそうに魔理沙に向かい何かを謝る。

 

 

 そうして、一言二言を霖之助さんと交わすと魔理沙は出ていった。

 

 

 

 

 

 

 さらに言えば、店には私と霖之助さんだけになった。

 

 

 

 

「それで、さっきのお菓子の話だったかい?」

 店内にシーンとした空気がはりつめる。

「そうです、私になにか不手際などがあったんですか?」

 

 少し間を置き霖之助さんは口を開いた。

 

「君は僕の能力を知っているかい?」

 私の問いかけを無視した、霖之助さんからの言葉。

 

「物の名前と用途がわかる能力でしたっけ?」

 その答えに霖之助さんは肯定を示す。

 

「そうだよ、僕は物の名前と用途がわかるんだ。・・・で、さっきのお菓子の事なんだけどね、用途がおかしかったんだ何て書いてあったか、君なら分かるよね?・・・そう【告白用】と僕には見えた」

 

 私はそえが恥ずかしくなり顔を赤面させ伏せる。

「つまりこれは僕への思いを伝える道具だったようだね?」

 

 もう開き直るしかないようだ・・・

 ・・・ズルいなぁ霖之助さんは、私がどれ程頑張っても出せない勇気を出させてしまうのだから。

 

「その通りです」

 

 

 

「でも一言言いますよ・・・・・・・・・・・大好きです霖之助さん!」

 

 私は霖之助さんに飛び付いた。

 

 

 

 

 

・・・外から聞こえた口笛は聞かなかった事にしよう

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