シュウ「マサキが女体化すれば私もホモ呼ばわりされなくなるのでは?」マサキ「ふざけんな」   作:久保サカナ

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投稿が遅れて申し訳ありません

マサキが好きです、でもクォヴレーはもーーーと好きです。


楽しいピクニックの筈だったのに…

今日は大天使プレシアとピクニックに行く約束の日だ。

ゼオルートのおっさんの貴重な休みが取れたからだ。

聞いた所、今までは約束してもおっさんの都合で守れない事がしばしばあったそうだ。

 

それで今日に至るわけだ、プレシアもすごく楽しみにしていてガイドブックを買って読んだり、お弁当の中身を何にするか悩んでいたり、「明日は晴れますように」とてるてる坊主を作ったりと大忙しだった。

俺の妹マジ天使、こりゃ何が何でも願いを叶えてやる、と俺なりにおっさんの仕事を陰ながら手伝ったりもした。

 

おっさんもおっさんなりに今回はとスケジュールを調整したようだ。

そうして今日いよいよ家族3人でピクニックに向かうのだ。

 

天気は快晴、プレシアの笑顔も輝いている。絶好のピクニック日和だ。

 

「 おねぇちゃん!早く早く!」

 

「すみませんねえ、マサキ、プレシアが駄々を捏ねたみたいで」

 

「俺達は家族だろ気にすんなよ、けど、何だってピクニックに行くのに、魔装機に乗って行くんだ?」

 

「魔装機があると何だって便利だからですねえ、あとルオゾールがいつまた襲撃してくるかもしれません、彼は魔装機操者を狙ってますからね、用心にこしたことはありません」

 

「その割に俺に追っぱらわれてるけどなあのワカメ野郎、でも魔装機を私用で使うなんてよく許可が降りたもんだ、この前俺が勝手に使おうとしたらこっぴどく怒られたぜ、魔装機ごと失踪でもするつもりか方向オンチってな」

 

正直今でも微妙に納得行かない、流石の俺でもそこまで酷い方向オンチじゃあない筈だ…多分

 

後の鋼龍戦隊と呼ばれる者達が聞いたら「ハハッ、ナイスジョークw」と確実に言われるだろう、どうやったら探し人を探しに地球を三週するというのか。本人があまり自覚していないのが酷さに拍車をかけている。

 

「 お父さんとおねぇちゃんじゃ信頼が段違いだもん、当然でしょ」

 

「ちぇ、ま、そりゃそうだけどよ」

 

そうこう話している内に目的地に着いたようだ、王都からそこそこ近く景色の評判のいいスポットだった。平日のせいか人も見当たらない。

 

「さあて、この辺りでいいでしょう。見晴らしもよさそうだし」

 

「うわー、きれー!」

 

大喜びするプレシアはマジで天使だった、これだけで今日来てよかったと思う。

 

 

「はい、おねぇちゃんお弁当だよ」

そう言ってプレシアはバスケットを渡してくる。おいおい、着いたばっかりだぜ。

 

「おいおい、まだ着いたばかりだぜ。いくらなんでも早すぎらあ」 

 

 「まあまあ、せっかくプレシアが一生懸命作ってくれたんです、ありがたくいただきましょう」

 

 「……ま、そういうなら、いただいとくか」

 

 「たくさん作ったから、まだまだあるよ」

 

 出てきたのは色とりどりの食材がふんだんに使われた豪華な弁当だった。流石は本番前に練習していただけのことはある。

 

 「いただきます。……ん!? あ、あわわ、これは……」

 

 「? どうした、おっさん?」

 

 「マサキ、これ、差し上げます」

 

 そう言って自分が一口食べた弁当をよこしてきた。

 

 「いらねえよ、食べかけをよこすなよ」

 

 「お父さん、アスパラガスも食べなきゃダメよ。栄養あるんだから」

 

 おっさんはどうやらピーマンだけでなくアスパラガスも嫌いらしい。

 

 「い、いえ、その……あ、そうそう、もうお腹がいっぱいなんですよ」

 

 「ウソ。まだ一口しか食べてないじゃない」

 

 「プレシアの思いやりで、胸がいっぱいなんです」

 

 「おだてたってダメよ! 食べなさい」

 

 「そうだぜ、プレシアが折角作ってくれた弁当だ。残さず食うのが筋ってもんじゃねぇか」

 

 「トホホ……」

 

 諦めて弁当を食べだすおっさん、その背中には哀愁が漂っている。

 

 そうやってのんびりピクニックを楽しんでいるとおっさんが手合わせしようと提案してきた。

 

 「そうだ、マサキ、どうですか? 食後に軽く、訓練などを」

 

 俺にも願ってもない話だ、了承の意を示すとお互いに魔装機に乗り構える。

 

 「それじゃ、早速始めましょう。プレシア、危ないからさがっていなさい」

 

 「あ、お父さん、アスパラガス、残してるよ!! もう」

 

 最後までしまらないおっさんである。

 

 

 

 

 その後はとても楽しい手合わせだったといっておく。

 剣皇の名に恥じない動きでこちらを落とさんとしてくるおっさんに対しランドールとしての自分が前世を合わせてもあったかどうかない位に昂るのを感じた。これだけの使い手は果たして前世にもいただろうか。

 

 剣戟

 

 剣戟

 

 剣戟

 

 そして剣戟の果てに俺の剣はおっさんの持つ剣を弾き飛ばし勝利を収めたのだった。

 

 「これは、これは、……いやあ、スゴイですねぇ、マサキ。まさかこれほどとは思いませんでしたよ」

 

 「まあな」

 

 「……ウソみたい……」

 

 「いやあ、これならもう、私が教える事なんて……」

 

 その時、魔装機に反応があった、どうやら誰かが近づいて来てるらしい。

 

 「誰だ?」

 

 「おや、ファングではありませんか。どうして此処に?」

 

 現れたのはス○カウターのようなものを付けた俺と同じ位の年の少年だった。

 

 「はっルオゾールの目撃情報があった為哨戒にあたっていました、ご無事で何よりです師範」

 

 あのワカメどうやら命拾いしたらしいな。

 

 「紹介しますよマサキ、彼はファング。近衛騎士団のメンバーで、私の教え子です」

 

 「へえ、おっさんの弟子か。ま、よろしく頼むぜ」

 

 帰ってきたのは敵意と嫉妬に満ちた眼差しだった。お前のことが気にくわないとその表情が語っている。

 

 「まあまあ、マサキ。ファングはちょっと無骨なんで、マサキが可愛いので照れてるんですよ」

 

 「……そうは思えねえけどな……」

 

 

 「ファングは、ラ・ギアスの人間にしてはめずらしく、高いプラーナを持っているんですよ。ですから、こうして魔装機の試験操者を務めているわけです。いやあ、私の弟子とはいえ、私などよりよっぽど才能がありますよ」

 

 と我が子の事のように語るおっさん、やけに嬉しそうだ。それだけファングの事を気に入っているんだろう。

 

 「師範、それは違います。師範こそ、それだけの腕があるのですから、魔装機の操者になるべきです」

 

 俺もそう思う。プラーナ以前におっさんには剣技という最大の武器があるからな。

 

 「私なんかより、マサキ達の方が高いプラーナを持っていますからね。おまかせした方がいいです」

 

 「師範!! なぜそのような事を!! ラ・ギアスの事は、我々ラ・ギアスの人間が解決すべきです!!地上人など、頼る必要はありません!!」

 

 おっとここに来て地上人差別か、どうやら相当の地上人嫌いのようにみえる。

 

 「しかしねぇ、ファング……」

 

 「大体地上人がそれほどあてになるものでしょうか? あのルビッカがいい例です! 彼らを信用するなど……」

 

 「よしなさい、ファング!!」

 

 流石のおっさんも今の発言は見逃せなかったらしい、憤りがはっきり見てとれる。

 

 「マサキ達は地上人ですが、真剣に私達のために戦ってくれているのですよ。その彼らに対して、今の言葉は言い過ぎです。謝りなさい」

 

 「……任務は完了しました。失礼します」

 

 そう言うなりファングは去って行った。尊敬する師範の言葉でも納得できないことは納得できないのだろう。

 

 

 「あ、待ちなさい、ファング!!、すみません、マサキ。彼はちょっとプライドが高すぎるのです」

 

 「……まあ、気持ちはわからないでもないけどな」

 

 ランドールだったころの俺ならきっと同じ事を思っただろう。自国の危機を他人任せにしようとする精神は絶対に許せなかったに違いない。そう考えるとファングのことは嫌いになれないのだ。まぁ、後の彼はセニアのお茶くみにジョブチェンジする姿を知っているからかもしれないがw

 

 「彼のような考えを持っている人は、他にもいます。けど、みんながみんな、そうじゃないという事は覚えておいてください」

 

 「わかってるぜ」

 

 「お兄ちゃん、私、いつまでもお兄ちゃんの味方だからね」

 

 「ありがとう、プレシア」

 

 俺の妹が天使すぎてまぶしい。何が何でも守らないと(使命感)

 

 「ところで、どうしましょうか? まだ日没まで時間がありますし」

 

 「もうちょっと遊んでこうよ、お兄ちゃん」

 

 「いや、戻ろう。なんか、気になる、わりいなプレシア。なんか妙に王都の事が気にかかるんだ。気のせいならいいんだが……」

 

 

 

 

 そうして王都に戻った俺たちを迎えたのは最後の魔装機神サイバスターがヴォルクルス教団に奪われたという報せだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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