そして・・・・・
それでは本編どうぞ
会いたい・・・・・会いたい会いたい会いたい
どうしようもないほどに焦がれてしまった・・・・求めてしまった
許されないということ・・・・・認められないということはわかっている
それでも会いたい
たとえ拒絶されようとも、否定されようとも・・・・・殺されようとも
この恋情は抑えられない
だから会いにいくよ
・・・・・愛しのレイナーレ
走る走る走る・・・・・祭儀場へと向け、俺は階段を駆け下りる。この先にレイナーレがいる。そう思うと、一刻も早くたどり着かなければと気が早ってしまう。
その場にアーシアもいるというのに・・・・彼女を助けることもこの教会に趣いた理由の一つだというのに。なのに俺の思考は、心は、全てはレイナーレに集中してしまっている。今の俺はレイナーレのことしか考えられず、彼女に会うことだけを目的としてしまっている。
走る走る走る・・・・・階段の終わりが見えてきた。大きな扉が見えてきた。この中にいる。この中に・・・・愛しのレイナーレが・・・・・
扉の前に立ち、休むことなく開け放つ。扉の奥にいるのは二人・・・・何かの装置に磔にされているアーシアと・・・・
「会いたかったよ・・・・・レイナーレ」
愛しい愛しい・・・・・レイナーレがそこにいた。
「・・・・・私は会いたくなかったわ。一誠くんになんて・・・・二度と会いたくなかった」
「そうか。それでも俺はお前に会いたかったよ。会いたくて会いたくて・・・・・だからこうしてここに来たんだ」
「・・・・あなたはアーシアを助けに来たのではないの?」
「ああ、そうだな。確かにそれも理由の一つだったよ。だけど・・・・・ごめんなアーシア。俺は確かに君を助けに来た。けど、今はそれ以上に優先したいことができてしまっているんだ。俺のことを軽蔑してくれてもいいし憎んでくれたっていい。だけど・・・・・今は時間をくれ」
「一誠さん・・・・・はい。わかりました」
俺の頼みに、アーシアは微笑みを浮かべて返事を返してくれた。助けに来たにも関わらず、自分のことをないがしろにされているというのに・・・・・本当に優しい子だ。
「・・・・私に会いたかったと言っていたわね。そのためにここに来たと」
「ああ。言ったよ」
「会ってどうしようというの?私は言ったはずよ。邪魔をするなら殺すと。それなのにあなたはこの場に来てしまった。いったい私をどうしようというの?私をどうしたいというの?」
レイナーレをどうしたい、か。そんなの・・・・・そんなの・・・・
「・・・・わからない」
「え?」
「会ってどうしようとか正直考えてなかった。俺はただ、レイナーレに会いたかっただけなんだから。たとえその結果どんな結末が待っていようとも・・・・・・俺はただ、レイナーレに会いたかった」
そう、それだけだった。レイナーレに会って、どうこうしようだなんて全く考えていなかった。俺はただ・・・・愛しい女に会いたいだけだったんだから。
「ふざけないで・・・・ふざけるな!この期に及んでただ会いたかっただけですって?馬鹿も休み休み言いなさい!」
俺に向かってレイナーレは激情を顕にし、怒り、叫ぶ。
「この際だからはっきり言ってあげるわ!私があなたと付き合ってあげたのは、あなたを殺す前に弄ぶためなのよ!どうせ殺すなら楽しませてもらおうと思って恋人ごっこを楽しんだってわけ!楽しかったわよ?騙されているとも知らずに私に笑いかけてくれるあなたを見るのは酷く滑稽で愉快だったわ!」
レイナーレはニヤリといやらしい笑みを浮かべる。笑みを浮かべながら俺を嘲笑う。
「あの時だってそうよ!あなたを殺した時だって、最期だから少しくらい良い思いをさせようと思って、わざとしおらしくしてあげたのよ!あの時のあなたも惨めで愚かで哀れでたまらなく私を楽しませてくれたわ!」
レイナーレ・・・・・それは本当にお前の本心か?それは本当にお前の本音なのか?
「どう?これがあなたが会いたがっていた私・・・・・レイナーレという堕天使よ!ショックかしら?自分がこがれた相手にこんなふうに思われていて傷ついてかしら?だとしたら嬉しいわ。あなたのような悪魔に成り下がった男を弄べただなんて最高にいい気分ですもの!」
「・・・・そうだな。確かに傷つくよ・・・・・それがレイナーレの本心だって言うならな」
「・・・・は?何を言って・・・・」
「レイナーレ・・・・・泣きながらそんなこと言う奴なんていないぞ」
「え・・・・?あ・・・・え?」
自分の顔に手を当てるレイナーレは気づいただろう・・・・頬に伝う涙に。
はじめから・・・・俺への罵倒を始めたその瞬間からレイナーレは涙を流していた。口では俺を散々罵っていたが、俺を嘲笑う表情を作っていたけれど・・・・・はじめからずっとレイナーレは泣いていた。
その涙を見れば誰だってわかる。レイナーレの俺への罵倒は全て・・・・本心でないことに。
それに・・・・・
「そのブローチ・・・・・付けてくれているんだな」
俺はレイナーレの胸元に付けられたブローチに視線を向けばがらいう。そのブローチは、付き合い始めてまもない頃に俺がプレゼントしたものであった。本当に俺の事をなんとも思っていないのなら、わざわざつけているはずがない。
「レイナーレ。俺は今でも、お前が望むというならこの命を差し出すつもりでいる。あの時は結局死にきれずに、こうして悪魔に転生してしまったけれど・・・・またレイナーレが光の槍を俺に放つというなら俺はそれを受け入れよう。だけど・・・・・」
「や・・・・だ・・・・やめて・・・・言わないで・・・・」
いやいやと首を横に振りながら、自分の体を抱きしめるレイナーレ。依然として涙は流れ続けている。
「いいや、言わせてもらう・・・・ああ、そうか。さっきは会いに来ただなんて・・・・ただ会いたかっただけだなんて言ったけど本当は違うんだ。俺は会って伝えたいことが・・・・言いたいことがあったからここに来たんだ」
自分でもようやく気がついた。会いたいだけじゃなかった。俺は・・・・伝えに来たんだ。
「レイナーレ、よく聞いて」
「いや・・・・いやぁ・・・・・」
レイナーレはいやだと言うが、それでも耳を塞ごうとしない。そんな彼女を見て、本当は聞きたがっているのではないかと俺は勝手な解釈をしてしまう。
そして俺は・・・・・その言葉を告げる。
「レイナーレ・・・・・愛してるよ」
「っ!?」
伝えたかった言葉。彼女に殺され、二度と会うことはないかもしれないと思ってもなお、失うことがなかった・・・むしろ日毎に増してしまっていた俺の想い。
俺は・・・・・レイナーレを愛している。
「・・・・馬鹿。馬鹿よ。私は一誠くんを殺したっていうのに。散々嫌われるために一誠くんを侮辱したって言うのに・・・・」
ああ、そうだな。俺は馬鹿だよ。でも、馬鹿でもいい。レイナーレを愛せるなら・・・・馬鹿でもなんでもいい。なん
「けど・・・・だけど・・・・それは私も同じ。私は堕天使で、一誠くんは悪魔で・・・・許されないって、認められないってわかってるのに私は・・・・」
ああ、レイナーレ。お前も口にしてくれるんだな。さっきみたいな嘘偽りじゃない・・・・・レイナーレの本当の想いを。
「一誠くん。私もあなたのことが・・・・・」
レイナーレの口からその言葉が紡がれようとする。
その瞬間・・・・・
「・・・・え?」
レイナーレの胸を・・・・・・光の槍が貫いた。
「レイナーレ!」
倒れゆくレイナーレに駆け寄り、どうにか床に体が着く前に抱き寄せることはできた。だが・・・・俺の目に映るのはあまりにも無残な光景。光の槍は、レイナーレの心臓を貫いており、傷口からは血が溢れていた。
「レイナーレ・・・・レイナーレ!」
目の前の現実を受け入れられず・・・・いや、受け入れようと思えず、俺ただレイナーレの名前を叫ぶことしかできなかった。
「いっせい・・・くん」
今まで見たことないような儚げな微笑みを浮かべながら、レイナーレは俺の頬に手を当てる。
そして・・・・
「ごめん・・・・なさい。私もあなたを・・・愛して・・・るわ」
消え入りそうな小さな声でレイナーレはその言葉を告げる。その直後、俺の頬に当てていた手はだらんと垂れ下がり、静かに瞼を閉じた。
「レイナー・・・・レ・・・?」
閉じた瞼は開かない。レイナーレの体はピクリとも動かない。
「ああ・・・・・ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
愛しのレイナーレは・・・・・俺の目の前で死に絶えた。
間違いなく一誠さんとレイナーレさんは相思相愛でした
レイナーレさんも初めは弄ぼうとしていましたが・・・・だんだん一誠さんに惹かれてしまったのです
そして想いは通じ合ったのですが・・・・・
それでは次回もまたお楽しみに