『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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今回から第2章になります

この章ではレーティングゲームがありますからちゃんとした戦闘描写があると思うので・・・・過度でない程度に期待してください

それでは本編どうぞ


戦闘校舎のフェニックス
第14話


 

深夜三時。俺は今町内をランニングしている。始めたのが二時からなので、かれこれ1時間は走りっぱなしなのだが、悪魔になった影響でスタミナが増したようであまり疲れてはいない。

 

(相棒、あまり無理はしないほうがいいぞ?)

 

(大丈夫だ。無理なんてしていない)

 

俺の身を案じて声をかけてくるドライグに、俺はそう返した。

 

(だが、以前よりも()()時間から走り始めていて尚且つ速度もましているぞ?鍛えるのはいいがそれでは体が持たないぞ)

 

(と言われてもな・・・・・)

 

ドライグが心配してくれるのは嬉しいが、それでも仕方がないのだ。このランニングは何年も前から体力作りのために行っていた。正確にはランニングだけでなく筋トレとかも行っているのだが、ともかくそれは以前は四時から始めていた。そして現在はそれよりも二時間早く始めているのだが、それには理由がある。

 

元々俺は不眠症気味で、全く眠れないというわけではないが以前は一日に四時間程度しか眠ることができなかった。日常生活に支障が出ているわけではなかったし、日中眠くなることもなかったのであまり気にしてはいなかったのだが最近になって、睡眠時間は半分の二時間程度になってしまった。これは・・・・レイナーレが死んでしまったあとからだ。

 

以前少し調べたことがあるが、不眠症は精神状態の不調でも引き起こされるらしい。つまり、レイナーレを失ってしまったことが原因で精神的にダメージを受けてこうなってしまったということだろう。

 

これも・・・・彼女を死なせてしまったことに対する罰のひとつなのかもしれない。

 

(日常生活に支障が出ていないとはいえ、はっきり言って相棒も身も心も異常な状態にある。今はまだ大丈夫かもしれないが、いずれ倒れることになるかもしれんぞ?)

 

(別にそれはそれで構わないだろう。時と場合によるがいっそ倒れてしまえば体を休めることができるからな)

 

(その時と場合が悪いかったらどうするつもりなんだ・・・・鍛錬して力をつけたとしても、肝心な時に倒れたら元も子もないだろう)

 

ドライグの言っていることは正論だ。確かに鍛錬して力をつけたとしても、肝心な時に倒れたり力を発揮できなければ意味がない。だが、それでも俺は・・・・俺にはこれしかないんだ。部長に忠義を尽くすこと、アーシアを守ること、白龍皇を倒すこと・・・・・その全てに力がいる。今のままじゃ全然足りないほどの力が。だから鍛錬は続けなければならない。眠れないのなら、その時間は鍛錬に当てなければならない。

 

それぐらいしないと俺は・・・・・

 

(はあ・・・・・まあ、今更お前に何を言っても無駄か。本当に危ない時は強引にでも休め。それを守れるなら俺はもう何も言わん)

 

俺の心境を察してか、ドライグは折れてくれた。ドラゴンだというのに、こいつは本当に人間である俺の事をとことん気を使ってくれる・・・・・ここまでしてくれるのだから確実に白龍皇を倒せるだけの力をつけなければならない。

 

(よし、次は筋トレだな。それと今度ミルたんあたりに模擬戦の相手してもらうか)

 

(・・・・相棒。さらに無茶を重ねる気か?)

 

ミルたん相手の模擬戦がさらなる無茶なのか・・・・・まあ自覚しはているけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう一誠。相変わらず早いわね」

 

「おはようございます一誠さん」

 

四時過ぎぐらいになって、公園で筋トレしていると部長とアーシアが現れた。二人共ジャージを身につけている。部長は少し前から俺のトレーニングに付き合ってくれていたのだが・・・・なぜアーシアまで?

 

「アーシア、どうしてここに?」

 

「部長さんに毎朝ここでトレーニングをしていると聞いて・・・私もお役に立ちたくて来ました。といってもお茶の用意ぐらいしかできませんが・・・・」

 

「いや、助かるよ。体動かすとどうしても喉渇いちゃうからさ。ありがとう」

 

「はい」

 

俺が礼を言うと、アーシアはニコリと微笑みを浮かべる。本当にいい子だな・・・・ちゃんと守れるように、より一層強くならないと。

 

「それにしても、あれだけの力があっても鍛錬に余念がないだなんて随分とストイックなのね。悪魔になったばかりではあるけれど、あなたの力は私の眷属でもトップ・・・・いえ、それどころか私以上といってもいいほどに高いのに」

 

「まあ赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の性能からして体力があるに越したことはありませんからね。それに昔からやっていることなので既に日課のようなものですし」

 

「真面目ね」

 

「悪魔的には真面目なのはダメですか?」

 

「いいえ、そんなことはないわ。努力家な子は好きよ?」

 

そう言いながら、部長は俺の頭を撫でてくる。その隣では少しむっとした表情でアーシアが見てくるのだが・・・・まあ気にしないことにしよう。

 

「それよりも、確か今日ですよね?アーシアがうちで暮らすのは」

 

「ええ、そうよ」

 

「一誠さんのおうちで生活するの、とても楽しみです」

 

そう、アーシアは今日からうちで暮らすことになっていた。アーシアは俺のせいで悪魔になったようなものだから、俺は面倒を見るということだ。父さんと母さんには事前に部長とアーシア立会いのもとの家族会議によって報告済みであるが・・・・・あの時は大変だった。本当に色々と。

 

(唐変木のお前が女を連れ込んだと騒がれていたな)

 

(やめてくれドライグ・・・・あの時のことは思い出すだけで頭が痛くなるんだ)

 

父さんも母さんも俺の事なんだと思ってるんだ・・・・・俺だって一応は年頃の青少年だというのに。いや、アーシアとはそういう関係じゃないから別の意味で変な感じに捉えられても困るのだけれど。

 

「荷物はいずれ届くと思うから、その時は荷解きを手伝ってあげなさいよ一誠?」

 

「荷解き・・・・ですか」

 

まあ結構手間のかかる作業だから手伝うのは構わない。構わないのだが・・・・思い出されるのはアーシアと初めて会ったときだ。あの時俺、誤ってアーシアの下着を手にとっちゃったんだよなぁ・・・・アーシアもその時のこと思い出してるのか、顔が赤いし。

 

「二人共どうしたの?随分と微妙な表情をしているけれど・・・・」

 

「ま、まあ色々あるんです。色々・・・・・」

 

・・・・手伝うときは、細心の注意を払うことにしよう。あの悲劇を繰り返してはならない。

 

(眼福と思っていたくせにか?)

 

(ドライグ・・・・俺が手を出せないと思ってあまり調子に乗るなよ?)

 

なんというかドライグ・・・・知り合った当初に比べて余計なちょっかい出してくることが多くなったな。こいつ本当にドラゴンか?もうほとんど友達とか兄弟の感覚になりつつあるぞ。

 

「まあいいわ。それよりもいい加減トレーニングを始めましょう。さっきから話してばかりだったし」

 

「ええ、そうですね」

 

「頑張ってくださいね一誠さん」

 

はじめるというか、俺にとっては再開なのだが細かいことは言わないでおこう。俺もそろそろトレーニングに戻りたいと思っていたし。

 

ただ・・・・

 

「まずは腕立て500回。私を乗せた状態でやってもらおうかしら」

 

「・・・・・はい」

 

女性を背に乗せた状態で腕立てって・・・・誰かに見られたら俺、変態だと思われそうだなぁ。いや、確かに普通にやるよりは効果があるのは確かだし、主の命令なのだから文句はない。ないけども・・・・・

 

(大丈夫、朝早いからきっと誰にも見られない・・・・・頼むからそうあってくれ)

 

俺は心の中で誰にも見られないようにと祈りながら部長を背に乗せて腕立てをするのであった。

 

 

 




寝れない時間をほとんどトレーニングに当ててる一誠さん。才能もあって努力もしてるのでそりゃ強いに決まってます

それでは次回もまたお楽しみに!
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