『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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今回はちょっとほのぼの系・・・・になるのかな?

一章がのっけから重い展開でしたので箸休めと思ってください

それでは本編どうぞ


第15話

 

アーシアが駒王学園に転入してはや一週間。アーシアの学校生活はというと・・・・・

 

「イッセーさん、今日は体育でソフトボールをやるそうですよ。私初めてなのでとても楽しみです」

 

まあ、順調なようだ。楽しそうに笑顔を浮かべるアーシア。年頃の女の子らしく満喫できているようだ。

 

「学校は楽しいかアーシア?」

 

「はい。皆さんにはとても良くしてもらています。お友達もたくさんできましたし。今度一緒に買い物に行こうって誘われているんですよ」

 

「そうか。それはなによりだ」

 

教会で聖女として祭り上げられて、孤独の中にいたアーシアは友達を欲しがっていた。悪魔であるものの、学園内ではアーシアは普通の女の子としてしか扱われないため、アーシアの性格の良さも相まって自然と友達もできたのだろう。

 

もっとも・・・・個人的に友達になって欲しくない奴とも友達になってしまたようだが。

 

「やあアーシアちゃん!」

 

「おはよう、いい朝だね!」

 

「おはようございます松田さん、元浜さん」

 

「・・・・はあ」

 

その友達になって欲しくなかった奴筆頭が現れた。松田に元浜・・・・・俺の中学時代からの友達だ。決して悪い奴らではない。むしろ根はいい奴だということは中学からの付き合いでわかっているのだが・・・・・問題もある。こいつらはなんというか・・・・少々思春期らしすぎるところだ。

 

こいつら女の子・・・・特にかわいい子に対する執着というか欲求が強いからな。アーシアに変な色目を使ってこないか心配だ。

 

「ああ、そうだ」

 

何を思ったのか、アーシアに笑顔を振りまいていた松田が俺の方に歩み寄ってきた。

 

「一誠・・・・・おはよう!」

 

俺に近寄ってきた松田は、左手で俺の肩を掴み、右手で俺の腹を殴ってきた。まあ、素人の殴打なんてそう簡単には喰らわない。当たる直前に松田の腕を掴んで阻んだ。

 

「お前・・・・・相変わらず不意打ちのきかない奴だな。というか防ぐな。一発殴らせろ」

 

「断る。殴られる理由もないのに殴られてたまるか」

 

「理由がないだと・・・・・あるだろ理由は!」

 

「お前は毎日アーシアちゃんと登校している!松田が殴るに値する十分な理由だ!」

 

「あっそ」

 

今にも血涙を流しそうな勢いの松田と元浜。ただ、俺からしたらくだらないにも程があるが、こいつらにとっては重要事項なようだ。

 

「というかおかしいじゃないか・・・一誠、お前なんで毎日アーシアちゃんと同じ方向から登校してくるんだ」

 

「どうしてって、それは・・・・・」

 

「兵藤はアーシアと一緒に暮らしてるのよね?」

 

俺の言葉を遮るようにして聞こえてくる女の声。声の出処は俺の友人の一人、桐生からであった。

 

「「な、なんだってぇぇぇぇ!?」」

 

「あ、おはようございます桐生さん」

 

「おはようアーシア」

 

桐生の発言に驚きを顕にする松田と元浜。しかし、暴露した本人はというとのんきにアーシアと朝の挨拶を交わしていた。

 

「一誠!アーシアちゃんと一緒に暮らしてるってどういうことだ!」

 

「事情説明を要求する!潔く白状しろ!」

 

涙を流しながら詰め寄ってくる松田と元浜。ものすごい勢いだ・・・・そこらの妖怪よりもよっぽど恐ろしいぞ。

 

「事情説明と言われても・・・・縁合ってアーシアは俺の家にホームステイしているとしか言えないんだが・・・・・」

 

「じゃあ、お前は毎朝アーシアちゃんに起こしてもらっているというのか!?」

 

「毎日アーシアちゃんにご飯をよそってもらっているというのか」

 

「朝起こしてもらったりはしてないが、まあご飯をよそってもらうぐらいならしてもらってる」

 

「「ぐぬぬ・・・・」」

 

二人は歯が砕けんばかりの勢いで強く噛み締める。そんなに悔しいのかよ・・・・

 

「はあ・・・・・二人共発想が貧困ね」

 

そんな二人を見て、呆れた様子で桐生がため息を吐く。

 

「なんだと!?」

 

「どういう意味だ桐生!」

 

「どういう意味もなにも、そのままの意味よ。いい?うら若き少年少女がひとつ屋根の下で生活を共にしているのよ?朝起こしてもらうだとかご飯をよそってもらうだなんて次元が低いわ。もっとぐんずほぐれつ、あははうふふなことが起きている可能性だって十分にあるわ」

 

「「な、なんだってぇぇぇぇ!?」」

 

桐生の発言に驚き慄く松田と元浜。というか、さっきと全く同じリアクションするなよ。コピペしたって疑われるだろうが。

 

「くっそぉ・・一誠!うらやま・・・・・恨めしいぞこんちくしょう!」

 

松田、お前今一瞬本音が出てたぞ。

 

「こんな天使みたいに愛らしい子と・・・・うらめ・・・・羨ましすぎるわ!」

 

元浜、お前に至っては建前を訂正して本音が出てるぞ。

 

悪い奴らじゃないし、根はいい奴らだとわかっていても・・・・少しだけどうしてこいつらと友達なんだろうって思っちまうよこんなの。

 

「とかなんとか言いながら、二人共朝っぱらから盛ってるじゃない。もしかして何か変な妄想でもしちゃったの?」

 

怒り狂う二人に、からかうような笑みを浮かべながら桐生が声をかける。

 

「なっ!?何を言っている桐生!」

 

「い、いくら俺たちでも朝からそんな・・・・」

 

口では反論しているが、二人共動揺を隠せていなかった。

 

「隠しても無駄よ。私のメガネは男子のアレを数値化できるのさ。変化すれば一目でわかるわ」

 

「「な、なんだってぇぇぇぇ!?」」

 

だから全く同じリアクションをするなというに。というか、桐生のメガネってそんな能力を備えてたのか?確か前に元浜も『俺のメガネは女子のスリーサイズを測れる!』と豪語していたし・・・・俺の周りのメガネ装着者はろくな奴がいねぇな。いや、そもそもアーシアの前でそういう話はしないでもらいたいんだが・・・・

 

「あの、一誠さん。桐生さんのおっしゃったアレとは一体何なんでしょう?」

 

ほれみろ食いついた。この子世間からちょっと疎いから簡単に興味示しちゃうんだからマジやめてよ。

 

「アーシア、世の中にはな知らないことがいいこともあるんだよ。今回のことはその最たる例だと思ってくれ」

 

「そうなんですか?でも私気になって・・・・・」

 

「お願いですアーシアさん。気にしないでください」

 

「は、はい・・・・わかりました」

 

俺の必死の願いが通じたのか、アーシアは引き下がってくれた。すまないアーシア・・・・だけど、お前には汚れた知識を身につけて欲しくないんだ。勝手な保護者心ということはわかってはいるけれど。

 

「でもさ、実際問題どうなのよ兵藤?」

 

「どうって・・・・・何がだ?」

 

「しらばっくれちゃって。アーシアとそういうことはしてないの?」

 

こいつニヤニヤしながら聞いてきやがって・・・・明らかに楽しんでやがる。今後弄られるのを防ぐためにも、ここははっきりと言ってやらないとな

 

「そういったことは一切ないし、今後も起こりえない。アーシアとはそういう関係ではないからな」

 

アーシアは俺にとっては仲間であり、守るべき対象だ。そういった関係になることはない。

 

というより・・・・・俺はきっと、もう二度と恋愛することはない。愛する女を・・・・レイナーレを死なせてしまった俺にそんな権利はないのだから。

 

「・・・・ふーん、そう。わかったわ」

 

もっとしつこく色々と言ってくると思っていたのだが、桐生は思いのほかあっさりと引き下がってくれた。まあ、桐生は普段の素行には多少問題はあるが空気が読めるやつというか、察しのいいやつだからな。感情の機微にも鋭いし・・・・こういうところは助かるかな。

 

まあそれはそれとして・・・・

 

「ところで皆・・・・あんまりここで駄弁ってると遅刻するぞ?」

 

「「「「・・・・え?」」」」

 

俺の一言に、皆が硬直した後に時計に目をやる。

 

「よし、アーシア。とっとと行くぞ」

 

「い、一誠さん!?」

 

さすがに遅刻はまずいので、俺はアーシアの手をとって小走りで学校へと向かう。それから少し遅れて、松田たちも焦った様子で駆け出した。

 

(まったく・・・・・騒がしい朝だな)

 

とんだことで遅刻の危機に陥ってしまったが・・・・・まあ、こういうのも悪くはないかな。




松田さんも元浜さんも桐生さんも一誠さんにとっては大切な友人です

原作に比べエロ要素はほとんど排除されていますが、3人とも気のいい人たちなのでこの一誠さんとは友達関係は築けています

それでは次回もまたお楽しみに!
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