『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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今回はライザーさん登場

リアスさんの夜這い?それはまあこの一誠さんじゃ・・・・ね?

それでは本編どうぞ


第16話

アーシアが部長の眷属になって二週間が経った。俺と同じようにチラシ配りから始まり、今では契約もとっている。といっても、まだアーシア一人では不安ということもあり小猫が補佐についているが・・・・・俺の要望で。()()()の依頼は専門の悪魔が務めるそうだが、アーシアは純情で可愛いから心配になったのだ。少々過保護がすぎるかもしれないが、守ると決めたからにはどうしても気になってしまう。

 

俺の方は・・・・まあまあだ。契約に関してはよほどのことがない限りはきっちりこなせているし、最近は魔力の使い方もトレーニングに加えて慣れてきた。もっとも、この前ミルたんと模擬戦したら負けたが・・・・・赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)や魔力なしといっても肉弾戦で悪魔の俺が負けるとかミルたん本当に人間か・・・・?いや、俺がまだまだ未熟だっていうことだろうけど。

 

そんなこんな、色々あるが俺とアーシアの悪魔生活は特に大きな問題もなく順調だった。そう、俺とアーシアは。問題があるのは・・・・・部長だ。最近どうにも元気がない・・・・というか、何かを悩んでいるように見えた。部長に忠義を尽くすと決めた以上は部長の障害となるものは出来るだけ排除したいとは思う。だが、部長が何に悩んでいるのかわからない現状では動きようがない。下僕である俺から聞くのは不敬に思われるかもしれないし・・・・・どうしたものか?

 

「一誠くん?随分と難しい顔をしてどうしたんだい?」

 

木場とアーシアの二人と部室に向かう途中、木場が俺に尋ねてくる。どうやら表情に出ていたようだ。

 

「ん?まあ、ちょっと・・・・・なあ、木場。最近部長から何か聞いてないか?」

 

部長の騎士(ナイト)であり、俺よりも先輩悪魔である木場ならば何か知っているのではないかと思い聞いてみた。

 

「何かってなんだい?」

 

「何か困ってることがあるとか悩んでることがあるとか・・・・・何か聞いてるなら、差支えのない程度に教えて欲しいんだ」

 

「部長さん、何か悩んでいるんですか?」

 

どうやら気になったらしいアーシアが、木場よりも先に俺に聞いてくる。

 

「いや、そうと決まったわけではないけれど・・・最近どこか浮かない顔をしていることが多かったから気になってな」

 

「悩み事か・・・・・特に聞いてはいないね」

 

どうやら木場も何も知らないらしい。

 

「そうか・・・・・となると、何か知ってるとしたら朱乃先輩か?」

 

「そうだね。朱乃さんは部長の女王(クイーン)・・・・懐刀だ。もちろん知っていると思うよ」

 

やはり部長が現段階で一番信頼しているのは朱乃先輩ということか。聞くところによると眷属の中では一番付き合いも長いらしいし。俺が朱乃先輩並みの信頼を得られるのはいつになることか・・・・いや、忠義に信頼は必ずしも必要ということでもないのだが。

 

「部長さん・・・・早くお悩みが解決すればいいんですが・・・・」

 

「ああ、そうだな」

 

俺は心配そうな表情をしているアーシアの頭を軽く撫でる。その時・・・・

 

(ッ!?この気配・・・・・部室の中から?)

 

部室の前に到着した俺は、部屋の中から見知らぬ気配を感じた。木場も同じように何らかの気配を感じたのか、表情を強ばらせている。

 

「僕がここまで来て初めて気配に気づくなんて・・・・」

 

「木場、中にいるのは誰だ?まさか・・・・」

 

「敵じゃないよ。だからそう身構える必要はない。ただ・・・・まあ入ればわかるよ」

 

そう言って、木場は部室の扉を開く。中には部長と朱乃先輩、小猫といつものオカ研のメンバーと・・・・メイド服を着た、見知らぬ銀髪の女性がいた。

 

(ドライグ、この女・・・・)

 

(ああ、相当な実力者だ。魔王相当の力はあるだろう)

 

ドライグにそこまで言わせるか・・・・・一体何者なんだ?

 

「一誠さん・・・・」

 

隠れるように俺の後ろにつくアーシア。はっきりとはわかっていないかもしれないが、アーシアも女性から何かを感じ取ったのかもしれない。

 

「一誠・・・・・なるほど。あなたがお嬢様の仰っていた今代の赤龍帝ですか」

 

女性が俺に視線を向け、声をかけてくる。

 

「そうですが・・・・・失礼ですがあなたは?」

 

「私はグレモリー家に仕えるグレイフィアと申します。以後お見知りおきを」

 

グレモリー家に仕える、か。さすがは貴族ともなるとメイドがいるということか。

 

「さて、全員揃ったところで、部活の前に少し話があるわ」

 

「お嬢様、私からお話しましょうか?」

 

「いいえ。大事なことだから私の口から直接言うわ」

 

グレイフィアさんが部長に尋ねるが、部長はグレイフィアさんを制した。

 

「実は私は・・・・・」

 

部長が話そうとしたその時だった・・・・・部屋にグレモリーのものとは異なる魔法陣が出現した。

 

「これは、フェニックス家の・・・・・」

 

木場がそう呟くのと同時に、魔法陣から人影が見られる。

 

「久しぶりだな・・・・人間界に来るのは」

 

現れたのはスーツをやや着崩した男だった。顔の造形は男の俺でもわかるほどに整っているが、どこかヤンチャそうにも見える。

 

「愛しのリアス、会いに来たぜ。早速だが式の会場を見に行こうか。日取りも決まっているんだから早いほうがいい」

 

男は俺たちからの視線など知ったことではないといったように、真っ先に部長に絡んできた。

 

「離してちょうだい」

 

「そう言うなよ。俺とお前の仲だろう?」

 

馴れ馴れしく肩に手を伸ばしてきた男を、部長は嫌そうに振りほどく。だが、男はめげずにしつこく部長に突っかかっていった。

 

状況は把握できないが・・・・これは見過ごせないな。

 

「失礼」

 

俺は部長と男の間に割って入った。

 

「あ?誰だお前?」

 

「お初にお目にかかります。私は兵藤一誠。先日部長・・・・リアス様の兵士(ポーン)として転生した新米悪魔です」

 

「ふーん・・・で?どういう了見で俺とリアスのひと時を邪魔してくれたんだ?」

 

「無礼なのは百も承知です。見たところあなた様は位の高い悪魔であるようですが・・・・私の目にはリアス様が少々戸惑っているように見えましたので。下賎な下級悪魔である私が口を出すべきことではないと理解はしておりましたが、それでも放っておけなかったのです。どうかここはリアス様と少々距離をおいていただけないでしょうか?」

 

「・・・・・ほう」

 

無礼承知で口出しした俺に対して、男は初めは不機嫌そうにしていたが、今はどこか感心したように表情を緩ませていた。

 

「邪魔をされたことには腹が立ったが、新米悪魔にしてはそれなりの礼儀はわきまえているようだな。リアス、下僕の教育は怠っていないようで感心したぞ?」

 

「あなたに感心されてもあまり嬉しくないわね」

 

よくわからないが、対応としてはまったく間違ったものではなかったようだな。

 

「というかリアス、こいつ俺の事知らないようだが話していないのか?」

 

「ええ。話す必要がなかったから」

 

「あらら。こいつは手厳しい」

 

部長からの冷淡な返しに、男は苦笑いを浮かべる。結局コイツは誰なのだろうと思っていたら、グレイフィアさんが話し始めた。

 

「この方はライザー・フェニックス様。純潔の上級悪魔であり、古い家柄のフェニックス家の三男であらせられます」

 

フェニックス家・・・・そういえば木場が魔法陣を見てそう呟いていたな。確か72柱37位の名門家系だったか?聖獣であるフェニックスと同じで不死身の再生能力を持っているっていう・・・・・ちょっと戦ってみたいな。

 

いや、そんなことよりも、そのフェニックス家の人間がどうしてここに?

 

「そして、ライザー様はグレモリー家の次期当主の婿でもあらせられます」

 

グレイフィアさんの言葉は、俺の疑問を解消するものであった。

 

だがそれにしても婿か・・・・・

 

「となると、ライザー・グレモリー様とお呼びしたほうがいいのでしょうか?」

 

「「「「・・・・・・」」」」」

 

俺が言ったその瞬間、その場にいたほぼ全員が俺に呆れたような視線を向けてきた。俺、何か変なこと言ったか?

 

(相棒・・・・・お前は時々やらかすな)

 

え?俺今何かやらかしたの?




原作と比べてだいぶ礼儀正しい一誠さん。だけど時々変なことをやらかします。若干天然が入ってますので・・・・・

それでは次回もまたお楽しみに!
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