スランプも併用してるから上手く出来てないかも・・・・
まあともかく本編どうぞ
部長の婚約を賭け、ライザー・フェニックスとのレーティング・ゲームが行われるのが決まった翌日、僕達は山の上にある部長の別荘へと訪れていた。ゲームに備え、邪魔の入らない場所で修行するためにだ。ゲームまで十日しかないため、一日たりとも無駄にはできない。
だが、まだ本格的な修行には入っていなかった。その前にやることがあったからだ。
「さて、4人とも準備はいいかしら?」
部長に尋ねられ、僕と朱乃さん、小猫ちゃん・・・・そして一誠くんは頷いてみせた。やることというのは、一誠くんの実力を把握する為の模擬戦だった。一誠くんが部長の眷属になって一ヶ月近く経つが、僕達はまだ本気の一誠の実力を把握していない。一誠くんが戦うところは何度も見ているが、
「一誠くん、ちゃんと赤龍帝の籠手は使ってね」
「ああ、わかってるさ。でないとこの模擬戦の意味がないからな」
そう言いながら、一誠くんは左手に赤龍帝の籠手を展開した。
「・・・・一誠先輩。本当に3対1でいいんですか?」
「一誠くんの実力が高いことはわかっていますが・・・・それでもいくらなんでも3人は・・・・・」
小猫ちゃんと朱乃さんが一誠くんに尋ねる。確かに、いくら一誠くんが強いといっても3対1はきついはずだ。僕達は一誠くんよりも悪魔歴が長いから戦闘経験は上。それなのに一誠くんは自分からやるなら3人でかかって来て欲しいと提案してきたんだ。
「大丈夫ですよ。はっきり言わせてもらうが、3人が相手でも負ける気はしない」
随分と自身に満ち溢れているね・・・・俺だけ自信があるってことだろうけど、そこまで言われるとその自信を崩したくなってくる。それは小猫ちゃんも朱乃先輩も同じようで、少し表情がむっとしている。
「気に障ったのなら謝る。だけど・・・・俺は今代の赤龍帝。それに見合うだけの力をつけてきたつもりなんでね」
「そうか・・・・わかったよ。そこまで言うんだったら僕達は本気でいかせてもらうよ。部長」
「ええ。では初めてちょうだい!」
部長の合図により、模擬戦が始まった。開始早々僕は
「くっ!」
ギリギリのタイミングで反応できて、バックステップで蹴りは回避できた・・・・と思っていたら、腹部に衝撃が走り、僕の体は吹き飛ばされてしまった。いつの間にか、一誠くんの殴打が僕の腹部に決まっていたのだ。
(速い!これ、
僕が一誠くんのスピードに驚愕している間に、今度は小猫ちゃんが一誠くんの背後から奇襲を仕掛ける。だが・・・・
「甘い」
まるで後ろに目がついているのではないかと思えるような動きで殴りかかっていた小猫ちゃんの腕を掴み、遠心力を使って小猫ちゃんを僕の方へ放り投げてきた。
「大丈夫小猫ちゃん?」
「はい。平気です」
「おしゃべりとは随分余裕だな」
飛んできた小猫ちゃんを受け止める僕だったが、その隙に一誠くんが拳を振り上げながら接近してきていた。
「あらあら、私のことを忘れてもらっては困りますわね」
だが、僕たちに気を取られている隙に朱乃さんが動いた。一誠くんに向かって雷撃を放つ。これはさすがに決まっただろうと思ったが・・・・・
「
「「ッ!?」」
一誠くんの背から、赤い龍の尻尾のようなものが現れた。尻尾は僕と小猫ちゃんに巻き付き・・・・僕たちを朱乃さんが放った雷撃に向かって投げ飛ばした。
「「うっ!?」」
朱乃さんの雷撃・・・・模擬戦だから手加減はしたんだろうけど、それでも十分な威力だった。まともに受けてしまったため、しばらくはしびれて上手く動けそうにない。
「そんなっ!?」
「動揺している暇なんてあるんですか?」
雷撃を凌がれてしまい、動揺している朱乃さん。対して一誠くんは動きを止めなかった。赤龍帝の籠手から『Explosion!!』という音声が聞こえてくるのと同時に、一誠くんは左手で地面を殴りつける。相当な威力なようで地面は割れ、衝撃で砂埃が舞って視界が奪われてしまった。
(これじゃあ視界が・・・・一誠くんはどこに?)
視界を奪われた状態で動き回るのは危険だ・・・・もっとも、まだ体がしびれて上手く動けそうにないのだが。ともかく、一誠くんの居場所だけでも特定しておこうと気配を読もうとしたが、なぜか捉えられなかった。
数秒して砂煙が晴れてきた。そして僕の目に映ったのは・・・・・長く、赤い爪のようなものを僕たち三人に突き立てる一誠くんの姿だった。
「
ほんの僅かでも動けば爪は僕たちに突き刺さるだろう。これでは動けそうにない。
こうして、模擬戦は一誠くんの勝ちで終わった。
「3対1で全く相手にならないなんてね・・・・」
「・・・・悔しいです」
「まさかこれほど差があるだなんて・・・・」
模擬戦を終え、僕たち3人は落ち込んでいた。正直、もっとやれると思っていたのだけれど・・・・考えが甘かったようだ。
模擬戦はあくまでも模擬戦。緊張感のある実戦ではまた違った展開になっていたかもしれないが、それでもこの結果は悔しい。僕たちは・・・・僕は一誠くんよりもはるかに弱い。
「皆お疲れ様。感想はどうだったかしら?まずは祐斗から」
部長が模擬戦を終えた僕たちを労いながら、感想を求めてくる。
「実は最初の一撃で決めようと思ってたんですが・・・・見事に躱されてカウンターをもらってしまいました。僕の現時点での最速の一撃だったんですが・・・・」
「確かにあれは速かった。さすがは騎士だと思ったよ。多分最高速度は俺よりも木場の方が上だろうな」
「僕は君の方が速いと思うんだけど?初めの蹴りを躱せたけど次の殴打は躱せなかったし」
「あくまでも最高速の話だ。多分瞬発力と反射神経は現時点では俺の方が上だと思う。それにそもそも、あれは殴打の方が本命で蹴りは囮だったしな」
「え?」
あのカウンターの蹴りが・・・・囮?
「木場ならあの蹴りは確実に躱せると思ってたから当てる気はなかった。んでもって木場は蹴りを躱すことに意識を集中させていたからその次の殴打に対する反応が遅れたんだよ。初めの斬撃が躱されて動揺してたってのもあるだろうがな」
まさか・・・・彼はあの一瞬でそこまで考えて動いたいたのか?そもそもその判断は僕の能力を把握し、僕の動きを予測しないとできないはず・・・・・・まだ仲間になって短期間だというのに彼は・・・・
「その次の私の奇襲を捌けたのは・・・・・」
「小猫は体の中心線をえぐり込むように狙って撃つっていう打撃の基本ができてるからな。だからこそどこを殴ってくるかわかるからタイミングさえ合わせれば止めることができるんだよ。背後から接近してたのは音でわかってたし」
あの的確な防御はそれが理由なのか・・・・・鍛えているとは言え、悪魔になって日が浅いから戦闘経験は浅いと思っていたけれど、どうやらそうでもなさそうだ。戦いなれてなければあんな動きはできない。
「では私の雷撃は・・・・」
「木場と小猫を狙っていれば必ず朱乃先輩は仕掛けてくると思っていました。朱乃先輩は基本的に雷撃を使った中・遠距離戦に特化している。だから攻撃を誘って、木場と小猫を盾にしようって思ったんですよ。こいつでね」
そう言いながら、一誠くんはあの時に見せた赤い尻尾を出現させた。
「一誠、それは?」
「赤龍の尾。ドラゴンの体の一部を魔力を使って具現させたものです。ちなみに三人に突き立てたのはドラゴンの爪を模した赤龍の爪。以前から魔力の使い方を色々と模索していたんですが、俺にはこういう使い方が一番しっくりくるようです。ほかにも派生技はいくつかありますよ」
赤龍の尾に赤龍の爪・・・・・まさかもう魔力の活用に手を出していただなんて。才能があり、鍛錬を怠らず・・・・・ストイックなまでに力を渇望する。そりゃ強いはずだ。彼は強くなるために一切妥協していないのだから。
彼のあの自信を自惚れだと思っていたけれど・・・・・そうじゃない。彼は、自分の力を信じられるほどに鍛え抜いてきた。そして自分と僕たちの力を正しく測り、その上で模擬戦を3対1の形式にしても勝てると踏んでいたんだ。
(強いね一誠くん・・・・・君はここに居る誰よりも強い)
悔しいと思うと同時に、僕は一誠くんに敬意を抱いた。あのライザー・フェニックスに堂々と啖呵をきったのは伊達ではなかった。
けれど、それでも・・・・それ故に思う。負けたくないと。負けるわけにはいかないと。
僕も君のように強くなろう。君以上に強くなろう。
部長の騎士の名に恥じないように。
一誠さんの強さに触発されて意気込む木場くん。強化フラグかどうかは未定(おい)
そしてとうとう出しちゃったオリジナル技・・・・・センスについてはノータッチでお願いします
それでは次回もまたお楽しみに