『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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今回でライザーさんとのレーティングゲームは終了となります

果たしてどのような結末を迎えるのか・・・・・

それでは本編どうぞ


第24話

それはあまりにも苛烈な赤だった。

 

爆弾王后(ボム・クイーン)』と呼ばれ、その確かな実力を認められているライザー・フェニックスの女王(クイーン)ユーベルーナ。フェニックスの涙を用いたとは言え、朱乃さんと小猫ちゃんを倒してしまった強敵。そのユーベルーナを・・・・・赤を纏った一誠くんは圧倒していた。

 

爆炎よりも早く動き、強烈な打撃によってユーベルーナを追い詰める一誠くん。ライザーの妹だというレイヴェル・フェニックスから渡されたフェニックスの涙などとうに使ってしまい、あとがない。もう間もなく、彼女は撃破(テイク)されるだろう。

 

「あ・・・・ああ・・・」

 

レイヴェル・フェニックスは一誠くんの戦いように、腰を抜かしてその場にへたりこんでいる。でもそれは無理もないことだった。あんなの、僕だって圧倒されてしまう。

 

(一誠くん・・・・・それが君の本気なのかい?)

 

僕は思い知らされた。一誠くんの力は僕たちをはるかに凌駕していると。

 

一誠くんは・・・・・まさしく力の権化たる『(ドラゴン)』であると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リアス、もういい加減投了(リザイン)するんだ。これ以上は君のお父上やサーゼクス様にも格好がつかないだろう?」

 

「黙りなさいライザー!私は諦めないわ!」

 

投了をすすめるライザーに、私は滅びの魔力をぶつける。手応えはあった。けれど、ライザーの体はたちまち再生し、ライザー自身何事もなかったかのように顔色一つ変えていない。

 

実力差があることはわかっていた。フェニックスの特性もきちんと理解していた。けれど・・・・それでも自分の力が一切通用しないことに口では強がってはいても私は絶望していた。

 

「君の滅びの魔力は確かに強力だ。だが、それでは俺には、フェニックスには勝てない。リアスでは俺に勝てないんだ。敏い君ならよくわかっているはずだ」

 

私の心を見透かしたようなライザーの発言。ライザーはわかっているのだ。私がライザーには勝てないと悟ってしまっていることを。

 

諦めるとつもりはない。私は(キング)。私がここで投了してしまったら、私のために戦っえくれている下僕たちに示しがつかない。そもそも、このゲームは私の我を通すためのものなのだから・・・・・なおさらあとには引けない。

 

だけど・・・・・それでも・・・・・

 

「部長さん・・・・」

 

心配そうな表情で声を上げるアーシア。眷属にあんな表情をさせてしまうなんてなんて不甲斐ないのだろう。

 

「・・・・あくまでも投了するつもりがないならいいだろう。これ以上君を痛めつけるのは心が痛むが、それが勝利のためなら、フェニックスとグレモリー、両家の未来のためになるというなら甘んじてその痛みを俺は受け入れよう」

 

いっこうに投了しない私に、ライザーは真剣な面持ちで相対す。ライザーは本気だ。本気でフェニックス家とグレモリー家のことを思っている。真剣に両家の未来のことを考え、そのために私を倒そうとしている。

 

敵わない・・・・・私ではライザーに敵わない。

 

私は・・・・・私は・・・・・

 

『ライザー・フェニックス様の女王一名、撃破』

 

「え?」

 

「なんだと!?」

 

私の心が折れかけたその時、聞こえてきたアナウンス。ライザーの女王が撃破されたという通知に、私もライザーも驚きを隠せなかった。

 

「馬鹿な!ユーベルーナが負けた!?」

 

自身の懐刀である女王の敗北に、ライザーは戸惑っていた。それだけ彼女に対して絶対の信頼を寄せていたのだろう。

 

その一方で、私はライザーの女王が誰に負けたのかを考えて・・・・いいえ、考えるまでもなかった。朱乃をも倒したあの女王を倒せるのは私の眷属の中には一人しかいない。

 

「部長・・・・・お待たせしました」

 

声が聞こえた。声のする方に振り返ると・・・・・背に悪魔の翼を羽ばたかせた赤が居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「部長・・・・・お待たせしました」

 

ユーベルーナを倒し、木場を抱えて部長のもとに訪れる。間に合ったようでよかった。

 

「一誠・・・・なのよね?」

 

ああ、そうか。禁手(バランス・ブレイカー)を発動すると全身鎧で顔も見えなくなるんだったな。

 

「ええ。赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の禁手・・・・赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)。俺の切り札です」

 

「そう・・・・・来てくれてありがとう一誠」

 

「お礼なんていりませんよ。俺は部長の眷属なんですから」

 

そう、俺は部長の眷属だ。この場に駆けつけるのは当然のことだ。もっとも、本来なら部長が危機的な状況に陥る前にどうにかしなければならなかったのだが・・・・気遣って出し惜しみしたのが裏目に出てしまったか。

 

「アーシア、木場の回復を頼む。撃破には至っていないが重傷だ」

 

「はい。わかりました」

 

抱えていた木場をおろし、アーシアに回復を促す。返事を返したアーシアはすぐに木場の治癒を開始した。

 

「木場、回復が済んだらお前は部長の警護を頼む。下にレイヴェル様を残してしまったからな。手を出すつもりはないと言っていたがこの状況になっては奇襲の可能性も十分にありうる」

 

「本当なら僕も部長のために戦いたいところだけど・・・・わかったよ。今は君の指示に従う」

 

回復し傷の癒えた木場は、素直に俺の指示に従って部長の傍に移動した。

 

「部長、あとは俺がやりますので部長は後ろで控えていてください」

 

「そうはいかないわ。この戦いは私の・・・・・」

 

「部長のおっしゃりたいことはわかります。けれど、俺がライザー様を倒そうとも、万一にもそれよりも先にあなたがやられてしまえば負けなんです。どうかご理解ください」

 

この力なら、おそらくライザーには勝てる。だが、勝てたとしてもそれよりも先に部長が撃破されてしまったら意味がない。ここは部長には下がってもらわなければならない。

 

「・・・・わかったわ。一誠、あとは任せるわ」

 

「はい。あなたの兵士(ポーン)の名において、勝利を捧げましょう」

 

俺は勝利を約束し、俺はようやくライザーの前に立った。

 

「律儀に待ってくださりありがとうございますライザー様」

 

「いいや、気にすることはない。リアスに一騎打ちを仕掛けた時点で諦めていたお前との戦いの機会が得られたんだからな」

 

「そうですか。それならば何よりです」

 

どうやら俺と戦えることに歓喜していたようで、ライザーは不敵な笑みを浮かべる。

 

ライザーの気持ちは少しわかる。正直に言えば俺もフェニックス(ライザー)との戦いを楽しみにしていたからな。まあ・・・・・この期に及んで楽しもうなど思わないが。

 

「確認するまでもないが、ユーベルーナはお前が倒したんだろう?正直、期待はしていたが俺の最強の眷属を倒すほどだとは思っていなかった。その鎧の力あってのものなんだろうが、それを考慮してもお前は強いと断言できる。だからこそ、お前には・・・・・リアスの婿となり、身を固める俺の最後の炎を見せてやろう!」

 

拳に炎を宿し、俺に向かってくるライザー。

 

(フェニックスの炎はドラゴンの鱗にも傷を残す。まともに受けるのは危険だぞ?)

 

俺の中からドライグが忠告してくる。

 

(忠告ありがとうドライグ。まともに受けるのが危険か。なら・・・・・受けなければいいだけだな)

 

昇格(プロモーション)騎士(ナイト)

 

俺はライザーの拳が俺を捉える前に、騎士に昇格してライザー以上のスピードでライザーに迫り・・・・

 

「昇格、戦車(ルーク)

 

すかさず戦車へ昇格。それとほぼ同時にライザーの腹に拳を突き刺した。

 

「ごあっ!?」

 

どうやらこの一撃は効いたらしく。ライザーは苦悶の声を漏らしながら怯んだ。その隙に俺は戦車に昇格したまま連続でライザーに殴打を放つ。

 

フェニックスは再生能力に長け、どんな傷もたちまち再生してしまう。だが、だからこそ思った。その再生が追いつかないほどに連続でダメージを与え、傷つければいいと。フェニックスの再生の力を信じきっているであろうライザーはおそらくダメージの蓄積など経験がないだろう。単発の痛みならば慣れているだろうが、蓄積された痛みは未知のダメージ。おそらく相当堪えるだろう。

 

「くっ・・・・・このぉぉぉぉ!」

 

俺からの殴打を受けながらも、反撃のため拳を振るう。大した気迫だが・・・遅すぎる。

 

「昇格。騎士」

 

騎士に昇格し、その場から飛び退く。スピードに着いてこれず、ライザーの拳は空を切った。

 

「昇格、僧侶(ビショップ)赤龍の爪(ドラゴン・ネイル)

 

距離をとっても攻撃の手は緩めない。僧侶に昇格し、赤龍の爪を両手に展開してライザーを切りつけた。魔力に特化した僧侶に昇格したことでリーチと切れ味の増した爪はライザーの体を引き裂いた。

 

「きさまぁぁぁ!!」

 

今度は遠距離から炎を俺へと放つライザー。だが俺はそれをライザーの体ごと引き裂くことでかき消した。

 

ライザーの顔からはもう俺と戦う前に見せた余裕は見受けられない。俺の攻撃で確実に消耗しているのがわかる。となれば・・・・・そろそろ仕上げといこう。

 

「昇格、戦車」

 

再び戦車に昇格した俺は、左腕に全身全霊の力を込めてライザーに接近した。ライザーが放つ炎が何度も直撃するが、消耗しているせいかダメージはほとんどない。

 

そして俺の拳は・・・・ライザーの頬に直撃した。

 

「ガハッ!」

 

血を吐きながら、ライザー体は屋上から弾き飛ばされる。だが、まだこの一撃では撃破に至らない。ならばもう一撃加えるまでだ。

 

「昇格、僧侶」

 

僧侶に昇格しながらライザーのすぐ上に飛んで移動する。

 

赤龍の踏激(ドラゴン・スタンプ)

 

足に魔力を集中し、巨大なドラゴンの脚を展開。体を一回転させて遠心力を加えて・・・・ライザーを校庭へと圧し潰した。

 

ドンッ!!

 

衝撃により、校庭の大地はひびわれ、隆起する。直撃を受けたライザーは・・・・・気を失ったようで、ピクリとも動かなかった。

 

『ライザー・フェニックス様、撃破。王の撃破によりこのゲーム、リアス・グレモリー様の勝利となります』

 

グレイフィアさんのアナウンスがライザーの撃破と部長の勝利を告げる。

 

こうして部長の結婚をかけたレーティング・ゲームは幕を下ろした。

 

 




これにてレーティングゲームは御終いです

ライザーさんは一方的にやられてしまいましたが、これはライザーさんがフェニックスの力を過信して回避しなかったのが原因の一つにあります。ある程度回避に徹していればもっと別の展開もあったかもしれません・・・・・まあ、それを差し引いても一誠さんの禁手状態の力は凄まじいですが

それと、一誠さんが今回見せた昇格(プロモーション)の高速切り替えですが、これは作者が考えた一誠さん独自の戦い方となります。原作でこのような戦い方がありえるかどうかはともかくとして、この作品においてはある理由のもとこれが可能となっています。それについてはいずれまた

それでは次回もまたお楽しみに
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