『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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今回はオカ研メンバーが勢揃いとなります

それでは本編どうぞ


第2話

 

「失礼、兵藤一誠くんだね?」

 

堕天使に襲撃され、リアス・グレモリーと初めて接触した翌日の放課後。一人の少年が俺に声を掛けてきた。その人物のことは知っている。

 

木場祐斗・・・・俺の同学年にして学園一のイケメンと噂されている男だ。

 

「そうだけど、要件は?」

 

木場がなぜ訪ねてきたのか理解していながら、俺は敢えて尋ねてみた。

 

「リアス先輩の使いって言えばわかるかな?」

 

やはりか。こいつがリアス・グレモリーの配下の悪魔であることは知っていたからそうだと思っていた。

 

「わかった。行こうか」

 

「うん。ついてきて」

 

俺は木場について教室から出ていく。

 

昨日、リアス・グレモリーから悪魔のことについて聞こうと思っていた俺であったが、彼女にそのことについては他の眷属を交えて話がしたいと言われてしまったため断念せざるを得なくなってしまった。後で彼女の眷属にも同じ話をして二度手間になってしまうということは分かっていたのでおとなしくその場は従ったのだ。

 

そして今、木場に連れられているのはその話をする場に案内されているからである。

 

にしても・・・・

 

(さすがは木場祐斗。廊下を歩くだけでここまで黄色い声援が上がるとはな)

 

周りを見れば木場のファンであろう女生徒が頬を染めてヒソヒソと話をしている光景が目に入る。まあ男の俺から見ても木場は格好良いし、仕方がないとは思うが。ただ、俺の方にも視線を向けるのは勘弁して欲しい。確かに俺なんかじゃ木場と釣り合わないのはわかるが、恨み言を言われるのは勘弁だ。

 

(・・・・・やはり気がつかないか)

 

突然、ドライグが呆れたように呟いた。

 

(気がつかない?なんのことだ?)

 

(いや、まあ俺が必要以上に口を出すことでもないからいいんだがな)

 

ドライグは一体何を言っているんだ?まるでわけがわからん・・・・・

 

「驚かないんだね」

 

ドライグの言っていたことの意味を考えていると、木場が声を掛けてくる。

 

「何の話だ?」

 

「僕が使いとして来たとき、君は一切動じなかったからね。自分で言うのもなんだけど僕は校内でも有名らしいから何か反応があると思ってたんだけど・・・・」

 

どうやら木場は俺が大してリアクションをとっていなかったことを疑問に思ったらしい。そんな話を人前でするなと思ったが、どうやら考え事をしているうちに新校舎を出て旧校舎の前まで来ていたようで人気はなかった。

 

「まあ、木場がマイマスターの配下の悪魔だってことは知ってたからな。マイマスターから使いを寄越すと聞いた時から同じ学年の木場が来るだろうことは予想してたから別に驚きはしなかったよ」

 

「あははっ、僕が悪魔だってこと気がついてたんだね」

 

「木場だけじゃないさ。この学園にいる悪魔は全員把握している。マイマスターの眷属もそうじゃない悪魔もな」

 

「それを聞いて君が何者なのかますます気になってきたよ。部長も興味を示していたし」

 

まあ、リアス・グレモリーや木場からすれば悪魔と関わりのない人間だった俺がどうしてそんなこと知っていたのか気になるのは当然のことか。その答えをこれから話に行くわけだが。

 

「というか、そのマイマスターっていうの部長の前じゃやめてあげてね。部長、だいぶ参ってたみたいだから」

 

「善処しよう」

 

苦笑いを浮かべる木場の様子からして、報復は予想以上に効いたようだな。

 

「善処じゃなくて確約して欲しいんだけどね・・・・・さあ、ついたよ」

 

旧校舎のなかの一室の前で木場は止まる。部屋の扉の上のプレートには『オカルト研究部』と書かれている。

 

(いや、まあ知ってたけどさぁ・・・・・悪魔がオカルト研究部ってどうよ?自分の存在そのものがオカルトじゃん)

 

「部長、連れてきました」

 

「入って頂戴」

 

俺が内心で呆れていると、木場が扉越しに報告をし、中からはリアス・グレモリーの声が聞こえてきた。木場が戸を開けて、俺もそれに続いて部屋に入る。

 

部屋の中はまさにオカルト研究部って感じがした。天井や壁、床に至るまでなんか形容し難い面妖な文字が書かれているし、奇妙な置物とかが置いてある。悪く言えばあやしい部屋だ。

 

ふと、部屋に備え付けられたソファに目を向けると、そこに一人の少女が座っていた。

 

この少女のことは知っている。一年の搭城小猫だ。高校生とは思えない程に小柄で可愛らしいその容姿からマスコット的な人気を誇っている・・・・・・リアス・グレモリーの配下の悪魔だ。

 

「小猫ちゃん。こちら兵藤一誠くん」

 

「・・・・どうも」

 

「ああ。こちらこそ」

 

搭城は無表情で俺に視線を向けて、ぺこりとお辞儀をする。俺も返事を返すが・・・・無愛想な態度だったのでもしかしたら警戒されているのかもしれない。まあ初対面だから仕方ない・・・・

 

「・・・・食べる?」

 

と思ったら、先程から黙々と食べていた羊羹の乗ったお皿を俺に差し出してきた。無表情なのはデフォなようだ。

 

「ありがとう。いただくよ」

 

せっかくの厚意なので。ありがたく羊羹をひと切れつまみ口に運ぶ。程よい甘さで美味しい羊羹だ。あとでどこで買ったのか聞いてみよう。

 

(と、そんなことよりリアス・グレモリーはどこだ?声が聞こえたから部屋の中にいるはずなんだが・・・・)

 

部屋の中を見渡すが、リアス・グレモリーの姿は見当たらなかった。ただ、部屋の奥・・・・カーテンを隔てた向こう側からシャワーの音が聞こえてきて、カーテン越しの女性のものであろう陰影が写っている。カーテンで隔てているとはいえ、シャワールームで浴室でもない部屋にシャワーを備え付けるってどうなんだ?

 

まあそれは置いておくとして、周囲にリアス・グレモリーの姿がないということは、シャワーを浴びているのは・・・そういう事なんだろうな。シャワー浴びるなら浴びるで俺が来る前に済ませておいて欲しかったなぁ。

 

「部長、これを」

 

キュッとシャワーを止める音に続いて、リアス・グレモリーとは違う女性の声が聞こえてくる。カーテンの向こうには彼女以外の誰かがいるようだ。

 

「ありがとう朱乃」

 

布の擦れる音がする。どうやら着替え中のようだ。というかこのひとはカーテン越しとは言え同じ部屋に男がいる中で着替えることに抵抗はないのか?オープンすぎるだろ・・・・・

 

「木場、俺たちの主様に羞恥心はないのか?」

 

「・・・・・・ノーコメントで」

 

「失礼なこと言わないでくれないかしら?それに祐斗もちゃんと反論しなさい」

 

カーテンが開き、中からリアス・グレモリーが姿を現す。その近くには黒髪ポニーテールの女性もいる。

 

「あらあら、あなたが兵藤一誠くんね。姫島朱乃と申します。どうぞお見知りおきを」

 

「いえ、こちらこそ」

 

黒髪の女性、姫島先輩が丁寧に挨拶してきたので、俺も短く返事を返す。

 

リアス・グレモリー、姫島朱乃、木場祐斗、搭城小猫・・・・・これでオカルト研究部の悪魔全員がここに揃った。

 

「全員揃ったことだし、話を始めましょう。座りなさい一誠」

 

「はい」

 

リアス・グレモリーに促され、俺は備え付けられたソファに腰を下ろす。

 

「一誠、私たちオカルト研究部はあなたを歓迎するわ。私達の正体については・・・・・話すまでもないわね?」

 

「ええ。俺含めてここに居るのは全員悪魔。そして姫島先輩、木場、搭城はあなたの配下なんですよねマイマスター?」

 

「・・・・・その呼び方はやめてと言ったでしょう?」

 

『マイマスター』と呼ぶと、リアス・グレモリーは額に手を当てる。

 

「これは失礼、ではなんとお呼びしたらいいでしょうか?リアス様?それとも主殿?」

 

「部長と呼んでくれればいいわ。皆もそう呼んでいるから」

 

部長、ねぇ・・・・俺がオカルト研究部に入部するのは確定事項ってことか。まあ、はなからそのつもりではあったからいいけど。

 

「わかりました部長」

 

「よろしい。さて、それじゃああなたがなぜ私たちが悪魔であることを知っているのか聞かせてもらおうかしら?」

 

部長がその一言を発するのと同時に、全員の視線が俺に向けられた。皆興味津々なようだ。

 

「教えてもらったんですよ。俺の中にいる相棒にね」

 

「相棒」

 

「ええ。まあ、実際に見せたほうが早いですね」

 

俺は皆が見やすいように左腕を突き出し、意識を集中させて神器(セイクリッド・ギア)を出現させる。俺の左手を甲の部分に宝玉が嵌められた赤い籠手が覆う。

 

「これって・・・・まさか!?」

 

俺の神器を目にして目を丸くする部長。どうやら部長はこれがなんなのか知っているようだ。

 

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)・・・・・これが俺の神器。俺は赤い龍の力を宿した今代の赤龍帝です」

 

俺の言葉に、その場にいた全員の表情が驚愕に染まった。

 

 




駒王学園内にどれだけ悪魔がいるか一誠さんはおおよそ把握しています

原作イッセーさんに比べて現時点で色々と察していますのでちょっとやそっとのことでは驚きません

それでは次回もまたお楽しみに
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