『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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今回は戦闘描写があります

ありますけど・・・・・うん、ちょっと可哀想

それでは本編どうぞ


第3話

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)・・・・・まさかこんなにも身近に神滅具(ロンギヌス)の使い手が居たなんて」

 

俺の左手の赤龍帝の籠手を見ながら呟く部長。まあ赤龍帝の籠手は世界に13種しかない神滅具の一つだから驚くのは仕方ないか。

 

「けれど、それと一誠が私たちが悪魔だと知っていたことと何の関係があるのかしら?」

 

「赤龍帝の籠手の中には赤い龍・・・・ドライグの魂が宿っているんです。そのドライグから部長たちが悪魔だってことを聞きました」

 

「この中に赤い龍が?」

 

「はい・・・・・・部長たちからしたら、ドライグはやはり憎いですか?」

 

かつてドライグは白の龍との戦いで悪魔、天使、堕天使に多大な危害を加えてしまったらしいからな。三種族協力して神器に封じたとは言え、悪魔からすれば憎んで当然だ。

 

「まあ、全く何も思わないといえば嘘になるわね。けれど、憎んでいるかと言われればノーよ。かつてのことは二天龍を神器に封じた時点で終わっているわ。もっとも、また私たち悪魔に危害を加えるというなら話は別だけれど」

 

赤龍帝の籠手に鋭い視線を向けながら部長は言う。

 

(と言っているが、どうだドライグ?)

 

(別に悪魔たちをどうこうするつもりはない。今の俺が興味あるのは白との決着とお前の行く末を見届けることだ。そもそも、悪魔たちは危害を加えられたと言っているが、俺からすれば白との戦いを邪魔したから相応の報いを与えただけだからな)

 

正直その白との戦いの規模がシャレにならなかったのが原因だと思うんだが・・・・・まあ敢えて突っ込まないでおこう。

 

「今俺の中のドライグに聞いてみましたけど、悪魔たちをどうこうするつもりはないそうです。まあ、白との戦いの妨げになりそうだったらその限りではないかもしれませんが」

 

「そう・・・・・・だったら一誠自身はどうなのかしら?今代の赤龍帝が一誠である以上、一誠次第になると思うのだけれど?」

 

「正直に言えば、悪魔になる前は知ったこっちゃないと思ってましたよ。けれど、今の俺は悪魔ですからね。理由がない限り同族に危害を加えるつもりはありませんよ。部長の顔に泥を塗ることにもなりかねませんし」

 

「本当に正直な答えね。いいわ。あなたのその言葉、信じるわ」

 

ひとまず納得はしてくれたようで、部長は安心したように肩をなでおろした。

 

「さて、疑問が解消したところで聞くけれど兵藤一誠。あなたは今後私の眷属として生きてもらうことになるけれど異論はないかしら?」

 

「それ、異論はあるっていったらどうにかなるんですか?」

 

「あら?あるのかしら?」

 

意地の悪いひと・・・・いや、悪魔だ。どうあっても俺を手放すつもりなんてないくせに。

 

「いいえ、ありませんよ。命を拾ってもらったからには、誠心誠意仕える所存でございます」

 

ソファから降りて、部長に対して跪く。

 

「リアス・グレモリー様。あなたに拾ってもらったこの命。あなたの好きにお使いください。私はあなたの剣にも盾にもなりましょう」

 

「ふふっ、随分と気取るわね」

 

「形から入る主義ですのでね。一応俺なりの悪魔のイメージに従った結果なのですが嫌ですか?」

 

「いいえ、そういうのは嫌いではないわ。けれど、普段からそこまで堅苦しいと窮屈だからほどほどにお願いするわ。顔もあげなさい」

 

「わかりました」

 

部長に言われ、俺は顔をあげる。

 

「じゃあ、正式に私の眷属となった一誠に改めて自己紹介をしなければね」

 

部長のその一言をきっかけに、他の者達は立ち上げる。

 

「二年の木場祐斗。悪魔です。宜しく」

 

「一年、塔城小猫。悪魔です・・・・宜しくお願いします」

 

「三年、姫島朱乃ですわ。一応研究部の副部長をやっています。これでも悪魔ですわ」

 

「そして私が彼らの主、リアス・グレモリー。家の爵位は公爵。宜しくねイッセー」

 

4人は自己紹介をすると同時に、背中から悪魔の羽を生やす。俺もそうだが皆も気取るな・・・・・なら俺も倣うか。

 

「二年、兵藤一誠。皆さんと同じ悪魔として、今後よろしくお願いいたします」

 

俺もまた、背中から羽を生やしながら軽く自己紹介した。

 

(うん、やっぱこういう時のために部屋で羽だす練習しといたのは正解だったな)

 

(色々と台無しだぞ相棒・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・で、いきなりこれか」

 

俺は現在、部長とその眷属たちと共に町外れの廃屋に趣いていた。なんでも、大公から部長にはぐれ悪魔の討伐の依頼が来たそうだ。

 

はぐれ悪魔というのは、主を裏切って単独で行動する野良犬のようなやつを指すそうで、放っておくと大半が悪さをするから見つけ次第消滅させるのがルールらしい。実際、今日討伐目標となっているはぐれ悪魔は何人も人を食っているらしい。

 

まあたしかに・・・・いかにもそんなことしそうな風貌をしているものな。

 

「くく・・・・美味そうだなぁ。早く食い散らかしたい」

 

廃屋の中の血の匂いが漂う一室・・・・・その中にはぐれ悪魔、バイサーはいた。人型の上半身に四足歩行の獣の下半身。両手には槍を持っている。ぶっちゃけ控えめに言っても醜い悪魔だ。

 

そして俺は、そんな醜い悪魔をこれから一人で相手をしなければならないらしい。部長は赤龍帝の籠手を持つ俺の力が知りたいようで、ちょうどいいからバイサーを当て馬にすることにしたようだ。正式に眷属となった初日にこれってとんだブラックだな・・・・まあ俺としても、自分の力を見せる機会としてはうってつけではあるので引き受けたのだが。

 

「もしも危なくなったら助けるわ。だから思い切りやりなさい」

 

「一誠くん、頑張ってね」

 

「・・・・ファイトです先輩」

 

「怪我しないように気をつけてくださいね」

 

後ろで好き勝手言ってくる部長たち。別にいいんだけど・・・なんかちょっとムカつくな。というか危なくなったら助ける?思い切りやれ?あまり侮らないで欲しいものだな。

 

この程度の相手に危なくなることも、思い切りやる必要もない。

 

「食えるものなら食ってみろ。まあ、お前のような雑魚では無理だろうがな」

 

「貴様ァ!!」

 

軽く挑発すると、バイサーは槍を俺の方につき出してきた。

 

「遅い」

 

俺は体をひねって槍を躱す。そして跳躍してバイサーの顔に回し蹴りを叩き込んだ。

 

「ぐおっ!?この・・・・」

 

バイサーは獣の足で俺を押しつぶそうとしてくる。俺はそれを左手で受け止め、右手で足に殴打を叩き込む。感触からしてこれは骨を砕けたかな。

 

「がぁっ!?馬鹿な!こんな小僧に・・・・!」

 

「やかましい」

 

バイサーが怯んでいる隙に背後に回り込み、尻尾を掴む。そのまま持ち上げて地面に叩きつけた。

 

「うぐおぉぉぉぉ・・・・!?」

 

「まだ喚くだけの余裕があるか。だったら、その余裕をすぐに消してやる」

 

「ちょ・・・ごあっ!?待って・・・・ぐえっ!?やめ・・・・」

 

尻尾を掴んだまま何度も持ち上げ、叩きつけるのを繰り返す。8回ほどして、バイサーはうめき声すら上げなくなった。意識はあるようだが、もう気力は完全に死んでいる・・・・戦闘不能状態だ。

 

「部長、とりあえずもう抵抗してこないと思いますがどうしますか?」

 

「・・・・・」

 

バイサーを戦闘不能に追い込んだので、指示を仰いだのだが、部長はポカンとした表情で呆けていた。部長だけでなく、他の皆も同じような感じだ。

 

「部長?聞こえています?」

 

「え?あ、はい。聞こえてます」

 

「なんで敬語なんです?」

 

「それはまあちょっと。というかあなた・・・・いえ、後にしましょう。バイサーのことは私に任せなさい」

 

「はあ?わかりました」

 

どうしたんだ部長?俺何か間違えたか?

 

「バイサー、何か言い残すことはあるかしら?」

 

「いっそ殺してくださいお願いします」

 

部長に問われたバイサーは、潔く死を受け入れた。受け入れたのだが・・・・・なんかニュアンスがおかしいような気がする。

 

「そう・・・・わかったわ」

 

手に球体をつくる部長。凄まじい力を感じる・・・・・おそらくあれは部長の魔力だろう。

 

「せめて苦しまずに消えなさい」

 

魔力の球体がバイサーに向かって放たれる。その直撃を受けたバイサーは、跡形もなく消滅した。

 

「これで仕事は完了・・・・ってことでいいんですか?」

 

「ええ。ご苦労さま一誠」

 

部長は微笑みを浮かべながら俺の頭を撫でてくる。この年になって撫でられるなど恥ずかしいが、俺も男だ。女に撫でられるのは悪い気はしない。

 

「ただ・・・・どうして赤龍帝の籠手を使わなかったのかしら?」

 

・・・・まあ、部長は『赤龍帝の籠手を持つ俺の実力』が知りたかったわけだからな。それなのにそれを使わずに終わってしまったのだから部長としては不満なのかもしれない。

 

「単純に使う必要がなかったからですね。あれを使わなくても勝つ自信はありましたし、実際勝てましたし。それに、赤龍帝の籠手は必要ないときはあまり使いたくないんですよ。強力ではありますが、その分消耗が激しいので」

 

体に負担が大きかったから一定以上使いこなせるようになってからはあまり使わないようにしてたんだよな。今は悪魔に転生して体力も増してるから大丈夫だと思うが、人間だったときは使いすぎてしんどくなったこともあったし。

 

「そう。まあ、赤龍帝の籠手無しであれだけ戦えるってわかっただけでも十分だからいいけれど・・・・随分と強いのね。それに戦い慣れている感じもするわ」

 

「まあ白と戦う時のために鍛えていましたからね。あれぐらい造作もありませんよ。悪魔になって人間だったときに比べて力も増しましたし」

 

人間だったときは赤龍帝の籠手なしじゃさすがにバイサーの攻撃を正面から受け止めたり持ち上げて叩きつけるするのは難しかっただろうからな。やはり悪魔になって結構力は上がってるようだ。

 

「そう・・・・これは想像以上にいい拾い物をしたかもしれないわね」

 

「それは何より」

 

部長の役に立てるのなら満足だ。俺は部長の下僕・・・・部長の役に立つために生きてるのだから。

 

白と戦うことと部長の仕えること・・・・・この2つだけが今の俺の存在理由なのだから。




一誠さんの実力を見せるためにバイザー戦の時系列を変えたけど結局本気どころか赤龍帝の籠手を出すことさえなかったという。

そしてバイザー・・・・・すまない。あんなにボコボコにしてしまってすまない

それでは次回もまたお楽しみに
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