『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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とうとう姿を現すコカビエル

そして一誠さんは・・・・・

それでは本編どうぞ


第40話

 

「ひひひ、こんばんは~。3人でヤってる最中にきちゃってごめんねぇ?でも俺ってば空気読めないから許してね~」

 

外に出た俺、部長、アーシアに対して、フリードは下品な笑みを浮かべながら言う。これが元とはいえ聖職者だというのだから呆れ果てる。

 

だが、そんなことはどうでもいい。それよりもこいつに聞かなければならないことがある。

 

「フリード・・・・・お前を追っていった3人はどうした?」

 

「ああ、あの3人?あの3人なら・・・・」

 

「俺の根城まで来たので歓迎してやった。まあ、二匹は逃してしまったがな」

 

「「「ッ!?」」」

 

フリードの言葉を遮るように聞こえてきた声。声のする方・・・・上空へと視線を向けると、そこには何枚もの漆黒の羽を背に生やす男がいた。

 

「コカビエル・・・・・!」

 

その男・・・・・コカビエルの姿を目にした部長が、体を強ばらせる。確かに、奴からは今までに感じたことのない異様なプレッシャーを感じる。

 

だが、そんなことよりも俺が気になっていたのは・・・・コカビエルが脇に抱えているものであった。

 

「これは土産だ。受け取れ」

 

コカビエルが放ったそれを俺は受け止める。それは・・・・・瀕死の重傷を負ったイリナであった。

 

「イリナ・・・・お前・・・・」

 

俺の・・・・せいだ。あの時、部長の制止を振り切ってでもあとを追うべきだった。そうすればイリナは傷つかずに済んだかもしれない。イリナを・・・・・・守れたかもしれないのに。

 

「いっ・・・せい・・・くん?」

 

怪我で意識も朦朧としているであろうイリナだが、それでも薄く開いた目で俺を見ながら手を俺の頬に添える。

 

「にげ・・・・て。はや・・・・く」

 

「!?」

 

それを言い残して、イリナは気を失った。傷ついてるのは自分なのに・・・・それなのにイリナは俺なんかの心配をしていた。

 

どうしてこいつは俺を・・・・・幼馴染だからって俺はこいつを拒絶するような態度をとったんだぞ?知りたがってた悪魔になって理由を頑なに教えなかった俺にどうしてこいつは・・・・?

 

どうして・・・・・?

 

「・・・・・アーシア、イリナを頼む」

 

「はい!」

 

俺の呼びかけに応えたアーシアは、すぐにイリナの治療ははじめる。意識はしばらく戻らないだろうが、アーシアに任せておけばイリナの傷はすぐに治るだろう。

 

なら、俺のすべきことはこのこみ上げてくる感情・・・悲しみに、怒りに、そして憎悪にこの身を委ねること。感情に身を委ね奴を・・・・・コカビエルを!

 

「ふんっ、所詮は教会の犬。こいつら程度では俺を楽しませるには・・・・・」

 

「黙れ」

 

『BOOST!!』

 

「なっ!?」

 

コカビエルの言葉が最後まで紡がれる前に、俺は悪魔の翼を広げ、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を展開してコカビエルに殴りかかる。まあ、さすがに堕天使の幹部なだけあってすんでのところで躱されてしまったが。

 

「ごちゃごちゃうるせぇんだよ堕天使風情が。殺すぞ?」

 

「くく・・・・・くははははははは!これはいい!思った以上に力を秘めているようだな赤龍帝!」

 

俺はコカビエルに殺気をぶつけるが、コカビエルは怯むどころか歓喜の声をあげる。どうやら俺が今代の赤龍帝であることは把握済みのようだ

 

「うるせぇって言ってんだろうが。その口を閉じろ」

 

「いい殺気だ。それに怒りも憎悪も篭っている。先程の女は貴様と何か関わりがあるのか?悪魔でありながら教会の聖剣使いに心を奪われているというのなら随分とまあ滑稽だな」

 

「黙れコカビエル!」

 

「いいぞ、もっと怒れ!もっと憎悪を俺にぶつけろ!俺を楽しませてみせろ!」

 

俺が殺気を、怒りを、憎悪を高めるほどにコカビエルは歓喜する。こいつは俺を煽って楽しんでいる。おそらく俺との戦いを楽しむためなのだろう。

 

だったら・・・・楽しませる余裕なんて与えない。こいつはここで俺が・・・・

 

「ダメよ一誠、落ち着きなさい!」

 

コカビエルを倒すために禁手化(バランス・ブレイク)しようとしたその瞬間、部長が俺の前に出て来た。

 

「止めないでください部長。俺はコカビエルを・・・・」

 

「あなたの怒りは理解できるわ。今すぐにでもコカビエルを殴り飛ばしたいのでしょう?だけれどここではダメよ。ここでコカビエルと戦えば周囲に被害が出る・・・・・あなたのご両親も無事ではすまないかもしれないのよ?」

 

「ッ!?」

 

部長に言われてようやく気がついた。ここは住宅街だ。コカビエルほどのやつと戦えば周囲に甚大な被害が出てしまう。それにすぐ近くには母さんや父さんも・・・・・

 

・・・・・ダメだ。ここで戦うわけにはいかない。どれだけコカビエルが憎かろうと、関係のない母さんや父さんを危険な目に合わせるわけにはいかない。

 

「ふっ、冷静だなグレモリーの娘。だがまあ、周囲の被害を気にして全力を出せない赤龍帝では確かに面白みに欠ける。となれば、当初の予定通り・・・・貴様等が根城にしている学園で存分にやり合うというのはどうだ?」

 

「駒王学園で・・・・?どういうつもりかしら?」

 

「お前の根城でエクスカリバーをめぐる戦いをさせてもらう。サーゼクスとレヴィアタンの妹が通う学園だ。ほどよく魔力が立ち込めてエクスカリバーの力を解放するには最適な地だ。さぞ混沌が楽しめるだろう」

 

「・・・・・そんなことをすれば戦争が起きかねないわよ?」

 

「願ったり叶ったりだ。俺は戦争を楽しみたいというのにアザゼルもシェムハザも神器の研究などに没頭して戦争に消極的でな。それどころか二度目の戦争はないとまでほざいてやがる。だったら俺が開戦の火蓋を切るしかないだろう?二人の魔王の妹の根城で、貴様らを蹂躙すれば悪魔どもも黙ってはいまい」

 

つまり教会から聖剣を奪い、そしてその聖剣をこの地に持ち込んだのは戦争を起こすためということか・・・・・くだらない。そんなくだらない理由でこいつはこの地に来て、そして・・・・イリナを。

 

「この戦争狂め・・・・」

 

「ふっ、俺にとっては褒め言葉だな・・・・では、俺達は一旦ここで失礼しよう。学園で待つぞリアス・グレモリー・・・・・そして赤龍帝。楽しい戦争をしよう」

 

「ひゃははっ!世界初のエクスカリバー大量所持者になった俺の初陣、しっかり付き合ってくれよ悪魔ども!」

 

捨て台詞を残して、コカビエルとフリードはその場を去っていった。本当はすぐにでも追って奴らを蹂躙したいところだが・・・・今はまだ、こらえるべき時だ。この感情を・・・・・心の奥底に封じておかなければ。

 

「・・・・・イリナ」

 

地面に降りて、俺はアーシアが抱えるイリナのもとに歩み寄る。傷は癒えているが、やはり意識は失われたままで目を覚ましそうにない。

 

「まったく・・・・・ほかの二人は逃げられたってのにイリナだけこんなになっちまって。お前のことだからまた無茶したんだろうな。本当に・・・・・しょうがないやつだ」

 

変わらない。成長はしているけれど、ヤンチャ具合は、無茶するところは昔から変わらない。昔から変わらない・・・・・俺の―――なイリナだ。

 

「・・・・仕方ない。悪魔になった俺にこんなこと言われても嬉しくないかもしれないけど・・・・・幼馴染のよしみだ。お前の敵は俺がとってやる。コカビエルは俺が潰してやる・・・・・約束だ」

 

イリナの手を握り、俺はイリナの仇討ちを誓う。

 

聖剣や木場の復讐のことなんてもうどうでもいい。俺の目的はただ一つ・・・・・イリナを傷つけたコカビエルをこの手で打倒する。

 

「一誠・・・・・」

 

「一誠さん・・・・・」

 

心配そうに俺の名を呼びながら、部長とアーシアが俺腕を掴む。きっと俺の考えなど二人にはお見通しなのだろう。

 

心配をかけさせてしまっていることに対しても申し訳なく思う。だけど、それでも俺はこの憎悪を収めるつもりはない。たとえ何があっても・・・・部長であろうともアーシアであろうとも、誰にも何にも邪魔はさせない。

 

これは俺の・・・・・俺だけの復讐なのだから。

 

 




イリナさんが傷つけられたことにより怒りと憎悪が爆発してしまった一誠さん

果たしてコカビエルとどのような戦いを繰り広げるのか・・・・・

それでは次回もまたお楽しみに!
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