今回からとうとうコカビエルとの戦いです
上手く書けてればいいのですが・・・・・
私は一誠が一人でコカビエルと戦うことを許可した。それは一誠の言うとおり、この町でコカビエルと唯一対等に戦えることができるのは一誠だけかもしれないということと・・・・・紫藤イリナさんの件があったからだった。
それでも、一誠一人に全てを委ねようと思っていたわけではなかった。一誠には危なくなったら加勢すると告げていたけれど、そうでなくても隙あらば援護しようと考えていた。
けれど私は思い知らされる。そんな考えはひどく浅はかで、滑稽であることを。
目の前で繰り広げられている戦いは私を想像を絶するほどに過激で、鮮烈で・・・・・・私が加勢する隙など僅かにでも存在していなかった。
「
空中で俺と相対するコカビエルを、まずは地上に叩きつけようと俺は『赤龍の尾』を展開して振りかざす。だが・・・・コカビエルは光の剣を作り出し、その尾をいとも容易く切断してしまった。
「なかなか面白い魔力の使い方だ。次はこちらからいかせてもらう」
コカビエルは数十本もの光の槍を作り出し、俺に向かって放ってくる。一つ一つの大きさは先程体育館に放ったものよりも小さいが、いかんせん数が多い。爪を展開して切り裂くには手数が足りないだろう。
ならば・・・・・
「
俺は魔力で翼を作り出し、それで自分の体を覆って盾の代わりにした。翼は槍を受け、俺への直撃を防いでくれたが・・・・・・あまりの数に翼の耐久力がもたず、翼を貫通して鎧の胸部と左肩に槍が突き刺さってしまった。もっとも、鎧が少々破損しただけで俺の体には届かなかったのでダメージはなかったが・・・・・小さくとも光の槍。届いていたら悪魔の俺にとっては大ダメージとなっていたかもしれない。
(俺の魔力よりもコカビエルの光の方が分がありそうだな。なら・・・・・)
『Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!』
俺は力を高め、左腕でコカビエルに殴りかかる。コカビエルは笑みを浮かべて俺に合わせるように右腕を突き出し、俺とコカビエルの拳がぶつかり合った。
「ぐっ・・・・・ぐおっ!?」
結果として、コカビエルの方がパワー負けして後ずさることとなった。ぶつけた拳は、血が滲んでいる。
(腕力・・・・・パワーは俺が上か。だったらこのまま・・・・)
俺はコカビエルに対して接近戦を仕掛けた。コカビエルに拳や蹴りの乱打を浴びせる。だが、コカビエルはそれらを躱したりいなしたりして、まともにダメージを与えることはできなかった。
「いいぞ赤龍帝!もっと楽しませろ!」
平然と俺の攻撃を捌くコカビエルは、高らかに笑い声さえ上げている。この程度ならまだまだ余裕ということか。
「・・・・・・」
俺は一旦攻撃の手を止め、距離をとった。
「む?どうした?俺と倒すのではないのか?」
「言われなくてもそのつもりだ。黙ってろ」
コカビエルの挑発を適当に流し、俺は戦術を建てることに専念する。
(俺の魔力はコカビエルの光に劣る。だがパワーは俺の方が上でスピードは互角といったところか。だが、それは現段階での話。コカビエルがまだ本気でない可能性もある。何よりあいつと俺とでは戦闘経験が違いすぎる・・・・・・このままなら不利だな)
戦闘能力以上に、戦闘経験の差は大きい。コカビエルは俺が生まれるより遥か前から戦ってきた。もしかしたら俺以上に強い奴と戦うこともあったかもしれない。あるいはコカビエルにとっては本当にこの戦いは余興なのかもな・・・・・
(こうなったらアレを・・・・・)
(よせ相棒)
奥の手を使おうと考える俺だったが、それをドライグが止めた。
(
ドライグの言うことはもっともだ。
そうなればここのいる部長達や・・・・・まだこの町で休ませているイリナもただではすまないかもしれない。そうなると
だが・・・・・
(だからといって・・・・・負けるわけにはいかない!)
「
俺は女王へと昇格する。女王への昇格を戦闘で使うのは始めてだった。すべての能力を引き上げるこの女王への昇格・・・・・それは強力であるが、だからこそ扱いが厄介だ。一点突出ではないため力の調整に難義するし、戦い方が雑になる恐れもある。
だが・・・・・戦闘経験に差があるのなら、せめて戦闘能力ではコカビエルを上回っておかなければならない。それぐらいしなければ・・・・・勝てるはずがないんだ。
「いくぞコカビエル・・・・・ここからが本番だ!」
「ごあっ!?」
俺は一気にコカビエルに接近し、その顔面を殴りつけた。直前で体を後ろへと逸したため威力を少し殺されたが、それでも口から血を吐いているということはそれなりのダメージを与えられたということだろう。
しかし・・・・・
「ちっ・・・・くそが」
やはりコカビエルは強い。俺が殴る瞬間、体を後ろに逸らすのと同時に光の剣で俺を斬りつけていた。浅いが俺の胸部に裂傷が生じ、血が流れる。普通の剣でなく、光の剣で斬られたせいか傷口が酷く熱を持ち、体が内側から悲鳴をあげているように感じる。
「くくくっ・・・・・やはり面白いな赤龍帝。ここまで心が踊る戦いは久方ぶりだ」
まともな一撃入れてなお、コカビエルの笑みは消えない。
むかつく・・・・・むかつくむかつくむかつく
何を笑っていやがる。何がそんなに楽しい?
コカビエルが笑っている姿を見るたびに怒りが増していく。コカビエルが楽しんでいる姿を見るたびに憎悪が増していく。
なんでこいつは・・・・・・・なんでイリナを傷つけたこいつが、こんなに楽しそうに笑ってるんだよ!
「
これまでにないほどに魔力を練り上げ爪を、翼を、尾を展開する。
「ほう、かなりの魔力を練り上げているな。これはさらに面白く・・・・」
「笑うな」
「なに?」
「俺の目の前で・・・・・笑ってんじゃねぇぇぇぇぇ!!」
「ッ!?」
激情のままに腕を振るう。俺の赤い爪はコカビエルの8枚の黒い翼のうち、一枚を引き裂いた。
「もう・・・・・笑わせない!俺の目の前で笑うことなんて二度と許さない!楽しませてなんてやらない・・・・徹底的に苦しめて、貴様を倒す!」
「このガキが・・・・・・いいだろう。そこまで言うなら楽しむのはやめだ。俺も本気で・・・・貴様を殺しに行かせてもらう!」
羽を引き裂かれたことでようやくタガが外れたのか、コカビエルは笑みを消し、憎悪の篭った目で俺を見てくる。そして両手に光の剣を握り、俺に斬りかかり、俺も爪で受け、こちらからも斬りかかる。
俺の赤い爪と、コカビエルの光の剣は高速で何度もぶつかり合う。互いに防ぎきれなかった斬撃が身を引き裂き、血が溢れる。鎧のおかげでコカビエルよりも傷自体は浅いが、相性の悪い俺はそれでもダメージは大きい。トータルのダメージは俺もコカビエルも大差ないだろう。
(もっと・・・・・)
『Boost!!』
(もっとだ!)
『Boost!!』
(もっと速く!)
『Boost!!』
(もっと強く!)
『Boost!!』
(もっともっと・・・・・力を!)
『Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!Boost!!』
倒す・・・・必ずこいつを・・・・コカビエルを!
だから・・・・
「もっと力を・・・・・寄越しやがれ!!」
もっと強く・・・・・もっと俺に力を!
いつもの冷静さが見られない一誠さん・・・・・それだけの怒りと憎悪を抱いてるのはもちろんですが、相手が相手なので余裕がない様子
はたしてどのような決着をみせるのか・・・・・
それでは次回もまたお楽しみに!