さて、どうなるか・・・・・・
それでは本編どうぞ
「一誠さん!」
コカビエルとの戦いを終え、鎧を解除した直後にアーシアが俺の方に駆け寄ってきた。その表情は悲痛に染まっている。
「ああ。大丈・・・・ッ!!」
大丈夫だと答えようとしたが、体に走る激痛で言葉に詰まってしまった。戦闘が終わって気が抜けてしまったせいか、先ほどよりも強く、激しく痛みを感じる。考えてみれば光の武器で散々傷つけられ、最後には3箇所も槍で貫かれてしまったのだから痛くないはずがない・・・・・正直、意識を手放してしまいたくなるほどだ。
「一誠さん、じっとしててください」
アーシアは
「・・・・・一誠」
アーシアから治療を受けている俺のもとに、部長や皆が近づいてきた。
「部長、どうにかコカビエルは倒すことができました。かなりギリギリでしたけど・・・・」
「そうね。見ていてとても心配だったわ」
「・・・・・すみません」
「念を押したのに無茶をしたことに関して色々と言いたいことはあるけれど・・・・・今はいいわ。よくやったわね一誠」
部長は微笑みを浮かべて俺の頭を撫でてくる。コカビエルとの戦いで思うところはあるようだが、今は俺の労をねぎらおうとしてくれているのだろう。
それにしても・・・・・部長たちが俺のもとに来ているということは・・・・
「木場、お前の復讐の方は終わったのか?」
「うん・・・・まあね」
木場の返事を聞き、周りを見渡すと倒れているフリードとバルパーの姿を確認できた。フリードのそばには、折れた聖剣もある。
「二人共殺したのか?」
「いいや。フリードは死んでないよ。バルパーに関しては・・・・・やっぱり気づいてなかったんだね」
「どういうことだ?」
「バルパーは・・・・君とコカビエルの戦いに巻き込まれて死んだんだ」
俺とコカビエルの戦いに巻き込まれて・・・・・気がつかなかったな。それだけコカビエルとの戦いに集中してたということか・・・・・まあ、少しでも集中を切らせていたら死んでいただろうから仕方ないか。
ともあれ・・・・木場は俺と同じように、復讐をなしたということか。
「木場・・・・・お前はこれで満足か?」
「・・・・・正直よくわからないかな。自分の中で何もかも割り切れたわけではないから。けど・・・・それでも、一つの決着が付いたことには変わりないからね。これで僕は・・・・『木場祐斗』として部長の眷属であることに専念できそうだよ」
「そうか・・・・・ならいい」
とりあえず、当初の目的は果たせたというわけか・・・・・まあ、途中から俺はコカビエルのことしか考えられなくなってしまっていたが。
(そういう相棒の方はどうなんだ?)
突然、ドライグが俺に語りかけてきた。
(お前が執拗にコカビエルを倒そうと拘っていたのは、あの娘が傷つけられたからだろう?つまりあの戦いはお前にとって・・・・復讐ということになる)
こいつ・・・・・意地の悪い事を聞きやがる。
ここで俺があの戦いが復讐であることを認めれば、イリナが俺にとって特別である事を認めることになる。
いや・・・・今更誤魔化すことなんてできないんだろうな。そう、あの戦いは俺にとって復讐だった。イリナを傷つけられて頭に血が上って・・・・コカビエルを許せなくなって。傷つけられたのがイリナ以外だったら復讐なんて考えなかったかもしれないのに・・・・・・
俺はやっぱり・・・・・・イリナのことが・・・・・・
(相棒・・・・・いい加減自分の想いに素直になったらどうだ?これ以上誤魔化してもそれこそ無意味だと思うぞ?)
ドライグが俺を諭すように言う。ドライグの気遣いは素直に嬉しい。嬉しいが・・・・それでも、どれだけ滑稽でも、愚かでも、哀れでも俺はこの感情と向き合うことはできない。
だって俺には・・・・・そんな資格がないのだから。レイナーレを、最愛だったひとを亡くしてしまった俺に・・・・・偽物の俺にそんな資格など無いのだから。
(ドライグ・・・・・俺はやっぱり・・・・・)
「ほう、コカビエルを倒すとは今代の赤龍帝は当たりのようだな」
「「「!?」」」
ドライグに俺の考えを教え用としたその時、聞き覚えのない声が聞こえてきた。
声をする方・・・・・上空へと視線を向けると、そこには白い鎧が俺の目に映る。
(こいつ・・・・まさか!?)
自然と鼓動が早くなる。目に映る白に対して、強い闘争心が芽生えるのを感じる。
俺の鎧とよく似た白い鎧を纏うあいつはおそらく・・・・・
「貴様・・・・・白龍皇か!」
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』
俺はすぐさま
「あれだけの戦いをしたあとで、まだ禁手化する力が残っているとはね。傷は癒えているようだが、体力までは回復していないはずだが・・・・・面白い。ますます君に興味が湧いたよ」
禁手化した俺に対して、白龍皇は機嫌よさげにしていた。
「だが・・・・・この場で戦うのはやめておこう。禁手化しているとはいえ、疲弊しきっている今の君では俺の足元にも及ばないだろうからね。その状態の君と戦うのはあまりにも勿体無い」
どうやら白龍皇は今は俺と戦うつもりがないらしい。ふざけるなと思ったが・・・・・実際問題、今ここで奴と戦うのは得策ではないことは俺自身十分に理解していた。
禁手化して鎧を纏うことはできたが、これはほとんど形だけだ。魔力はほとんど使い果たしてしまっているし、まともに動くことさえままならない。こんな状態では奥の手である『
「ちっ・・・・・」
納得できないところもあったが、俺は鎧を解除した。
「それでいい。今はまだ、君と戦う時ではないからな。さて、それじゃあ俺は俺の役割を果たさせてもらうとしよう」
そう言いながら、白龍皇は倒れたコカビエルに近づいていった。
「コカビエルをどうするつもりだ?」
「連れて行くのさ。アザゼルからそう言われているんでね。本当はコカビエルと戦うのを楽しみにしていたのだが・・・・・まあ、そこは宿敵と会えたということでよしとしておこう」
アザゼルって・・・・・確か堕天使の総督だよな?そのアザゼルの命令でコカビエルを連れて行くっていうことは・・・・・
「まさか、今代の白龍皇が堕天使側だとはな」
「君も人のことはいえないだろう?君は悪魔なんだからな」
「まあ・・・・そうだな」
数奇なものだな。今代の赤龍帝も白龍皇も人ではない・・・・・かつて二天龍を封印した種族に身を寄せているとは。
「と、フリードも回収しなければな。聞き出さなければならないこともある」
そう言いながら、コカビエルと同じようにフリードも抱える白龍皇。そしてそのまま飛び去っていこうとしたとき・・・・・ドライグが声をあげた。
『無視か白いの?』
『すまんな。だが、せっかく会えたというのにこの状況ではな』
白龍皇の方から聞こえてくる声。この声の主が
『いいさ、いずれは戦う運命だ。今回は互いに宿主に恵まれているようだからな』
『そうだな。言っておくが、こいつは強いぞ?歴代最強の白龍皇になるだろう』
『それはこちらもだ。相棒は間違いなく歴代最強の赤龍帝となる。そちらには負けんさ』
『いいや。今回はこちらが勝たせてもらう』
『『・・・・・・』』
声だけだが、互いに闘志をむき出しにする二天龍。だが、その闘志の中に敵意があまり含まれていないように感じた。
『
『そうだな・・・・・戦う時を楽しみにしておこう。またなドライグ』
『じゃあなアルビオン』
会話を終えると同時に、白龍皇は飛び去っていった。
(あれが白龍皇。俺の宿敵で・・・・・俺の生きる目的)
気づけば強く拳を握りしめていた。宿敵との邂逅により、コカビエルとの激戦のあとだというのに俺の心は激しく高ぶっている。
だが・・・・・その昂ぶりに俺の体は、意識は付いていくことができなかった。
(ああ、くそ・・・・・久しぶりに・・・・・眠たいな)
激戦により疲弊しきってしまっていた俺は、瞼を閉じて意識を手放した。
(いつか必ず倒してやるよ・・・・白龍皇)
ひとまずここでの戦闘は回避。ただ、原作以上に白龍皇は一誠さんの実力を認め、興味を持っていますが・・・・・
それでは次回もまたお楽しみに!