ですがまあ、本編どうぞ
「信じられないわ!堕天使の総督が私の縄張りに侵入した挙句、私の可愛い下僕に接触してくるだなんて・・・・!」
アザゼルのことを部長に報告すると、部長は声を荒げる。かなりご立腹な様子だ。
「部長、お怒りはもっともですが落ち着いてください」
「落ち着いてなんていられないわ!というより、一誠!知っていたのならどうして報告しなかったのよ!」
「すみません。向こうから敵意を感じませんでしたので泳がせておいても問題ないかと思いまして。もちろん何かあったらすぐさま報告するつもりでしたけど・・・・・・報酬も良かったので」
そう、アザゼルとの契約は中々実入りが良かった。宝石やら大金やら内容の割に豪勢だったからなぁ。まあ、報告しなかったのは個人的にアザゼルに対して敵意を抱くことができなかったというのもあるが。なぜだかあのひとと一緒にいるのは悪い気分ではなかったし。
「アザゼルは
木場の言うとおりかもしれないが・・・・・どうにもそうじゃないような気がするんだよな。まあ確証はないけれど。
「まったく、どうしたものかしらね・・・・アザゼルが何を企んでいるかはわからないけれど、こちらから下手に動くこともできないし・・・・」
「アザゼルは昔からそういう男だよ、リアス」
アザゼルの件をどうしようかと思い悩む部長にかけられる声。声のする方向に視線を向けると、そこには紅の髪を持つ男性と、部長とライザーとの婚約の件の時に出会ったグレイフィアさんがいた。
「お、お兄様!?」
男性の姿を見て、部長は動揺していた。お兄様ということは・・・・あの方が魔王、サーゼクス・ルシファー様なのか?
・・・・とりあえず跪いたほうがよさそうだな。木場たちもしてるし。
「アザゼルは悪戯好きだが、コカビエルのようなことはしないよ。だからそう警戒することはない。それと、今日はプライベートで来たから楽にしてくれて構わないよ」
どうやらルシファー様は気さくな方らしい。ご厚意に甘え、俺たちは姿勢をただした。
「君が・・・・兵藤一誠くんだね」
ルシファー様は俺の近くに歩み寄って尋ねてくる。
「はじめまして。私はサーゼクス・ルシファー。リアスの兄で一応現ルシファーの名を受け継ぐ魔王だ。君のことはフェニックス家とのレーティング・ゲーム以来気になっていてね。こうして会える日を待ち遠しにしていたよ」
「私のような下級悪魔にもったいなきお言葉ありがとうございますルシファー様」
「そう硬くならなくてもいいよ。私の方がこが凝ってしまいそうだしね。それと、ルシファーでなく、名前の方で呼んで欲しいかな」
「そうですか・・・・わかりましたサーゼクス様」
本当に気さくだなサーゼクス様は。だけど・・・・
(なあドライグ)
(ああ。この男、相当な実力者だ。あるいは旧ルシファーをも上回るかもしれん。お前がこれまでに会った者の中では間違いなく最強だろうな)
やはりか。ドライグさえ認める程にサーゼクス様は強いようだ。戦闘でもないのに、あのコカビエルを優に超える圧を感じるのだから・・・・・とてつもないな。
「お兄様、なぜこちらに・・・・?」
「なぜって、授業参観が近いからに決まってるだろう?妹が勉学に励む姿をこの目で見られる機会を私が見逃すはずがないさ」
授業参観・・・・そういえばそんなのあったな。高校生にもなって授業参観とか本当にどういうつもりなのだろうかこの学校は。しかもうちも父さんも母さんも年甲斐もなくはしゃいで参加するとか言ってたし・・・・まあアーシアが目当てなんだろうが。というかそうであってくれ。頼むからそのテンションで俺が授業を受ける姿を見たいとかそういうのはやめてくれ。
「どうしてそのことを・・・・・ま、まさかグレイフィア、あなたが伝えたの?」
「はい。学園から報告がありましたので、サーゼクス様にお伝えいたしました。これもグレモリー家のメイドであり、サーゼクス様の
どうやら授業参観の事を黙っていたらしい部長だったが、その目論見は無意味なものとなってしまったらしい。なんというか・・・・・部長、心中お察しいたします。
「ああ、安心するといい。父上も時間を作ってみにきてくれるそうだ」
「安心できる要素が何一つありません・・・・!」
部長・・・・・本当に心中お察しいたします。
仕方がない・・・・・主のためだ、少し助け舟をだそう。
「僭越ながらルシファー様。三種族会談も控えている中、魔王の職務も忙しいでしょうし、授業参観に参加してもよろしいのでしょうか?」
「そ、そうよ!一誠の言うとおりだわ!お兄様は忙しいのですから無理に参加しなくても・・・・」
「いいや、これも立派な職務だよ。なにせ三種族会談は駒王学園で行われることになったからね。授業参観はいい会場の下見の機会なんだ」
「駒王学園が・・・・三種族会談の会場?」
おいおい・・・・そんな歴史に残るような会談を一つの学校の中で行うとか・・・・・まあ、コカビエルもこの学園に標的を定めたわけだし、それもあるのかもだけど。
「この学園は偶然では片付けられないような『縁』があるようだからね。様々な力が入り混じりうねりを生み出している。ならば会談の会場には適任だろう。そしてそのうねりの中心は兵藤一誠くん・・・・赤龍帝だと私は思っているよ」
俺は・・・・うねりの中心?
(なるほど、確かにそう思われてもおかしくはないかもしれないな)
(どういうことだドライグ?)
(わからないか?ここ最近の大きな出来事はお前が悪魔になってから起きている。つまりきっかけはお前なのだ)
俺がきっかけ・・・・ね。全然自覚はないんだが・・・・・けど確かに、悪魔になってからは色々と慌ただしかった気もする。
「さて、この話はここまでにしよう。難しい話は会談に持ち込むとして、今日の宿泊先を探さないとね。もう夜中だから見つけるのは難しいかもしれないが・・・・・」
「あ、それなら差し出がましようですがうちに来ませんか?」
「一誠くんの家にかい?」
「ええ。父も母もその辺り寛容ですので部長のお兄さんだって説明すればきっと喜んで受け入れてくれますよ」
むしろあの二人が拒否する姿を全く想像できない。父さんの方はちょっとアレなところもあるけど、それでも二人共俺にはもったいないほどにいい親だからなぁ。
「ふむ・・・・・それはいいかもしれない。君とももっと色々と話がしたいと思っていたしね。その招待、喜んで受けようかな」
「い、一誠?本気で言っているの?」
サーゼクス様は乗り気なようだが、部長はどうも反対っぽかった。なにか心配事でもあるのだろうか?
「まあ今から宿泊施設を探すのは難しいでしょうし、それぐらいは。部長には色々とお世話になっていますので、そのお兄さんであるサーゼクス様のためになるのなら構わないかと」
「そ、そう・・・・わかったわ。なら私も今日は今日は一誠の家に泊まるわ」
「・・・・え?」
いやいやいや・・・・なぜそうなる?部長はこっちの生活の拠点があるのに・・・・
「『え?』って・・・・お兄様は良くて私はダメなのかしら?」
「いえ、予想外の提案に戸惑ってしまっただけでそういうわけでは」
「ならいいわ・・・・・あまり大きな声では言えないのだけれど、お兄様は少し・・・・いえ、かなり変わり者なの。だから一誠になにか余計な事をしないか心配なのよ」
部長はサーゼクス様に聞こえないように小声で俺に伝えてきた。
部長がそこまでいうほどの変わり者・・・・・俺と話がしたいと言っていたし、もしかしたら俺は軽率な判断をしたのかもしれない。
(・・・・とりあえず、覚悟はしておこう)
一誠さんとサーゼクスさんの会話は次回となります
どんな話になるのか・・・・・・
それでは次回もまたお楽しみに!