『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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今回は一誠さんとヴァーリさんの会話がメインです

はたして原作とどう違ってくるのか・・・・・・

それでは本編どうぞ


第51話

 

「ふふっ、安心したよ。あの時は鎧を纏っていたから言わなければわからないと思っていたが、気が付いてくれるとはさすがは俺のライバルだ」

 

「お褒めに預かり光栄だな白龍皇」

 

ニヤリと笑みを浮かべる白龍皇に、俺も同じように笑みを浮かべながら返す。

 

「・・・・・ヴァーリ」

 

「ん?」

 

「俺の名だ。一応名乗っておく。まあ、白龍皇でもヴァーリでも好きな方で呼んでくれて構わないさ」

 

ヴァーリ・・・・・・・それが現白龍皇の名か。容姿からして日本人ではなさそうだとは思ってたが、やはりそうらしい。

 

「そうか、それじゃあ気兼ねなく名前で呼ばせてもらうよヴァーリ。何せ俺とお前の仲だしな」

 

「俺と君の仲か・・・・・・確かに、俺と君とは切っても切れない縁で結ばれている。それこそ今ここで君に魔術的な何かをかけたり・・・・・・・」

 

俺の方へと手を翳しながら言うヴァーリであったが、その言葉は最後まで紡がれることはなかった。突如現れた木場とゼノヴィアがヴァーリの首筋に剣を突き付けたからだ。

 

「なにをするつもりかは知らないけど、それは冗談では済まないよ」

 

「こんなところで二天龍の戦いを始めさせるわけにはいかないな白龍皇」

 

木場とゼノヴィアはヴァーリを警戒しているようだ。だが、警戒する必要はない。ヴァーリも俺もこの場で戦おうなどと微塵も思っていないのだから。

 

「二人とも落ち着け。そいつは今ここで俺と戦おうなどとは思っちゃいない」

 

「兵藤一誠の言う通りだな。確かに彼と戦いたいという思いは強いが、一応アザゼルに止められているんでね。それに、無関係な他人を巻き込んでしまいかねないこの場では兵藤一誠は力を出し切れず、楽しめそうもない」

 

ヴァーリの言う通りだった。まだ日が出てる時間で人払いもしていないこの場で俺とヴァーリが戦ってしまえば関係のない誰かが巻き込まれてしまう可能性は高い。いくら白龍皇を倒すことを生きる目的の一つとしているとはいえ、そんな状況で戦おうと考えるほど、俺は自分勝手ではない。

 

「だから剣を降ろすといいい。強がってはいるようだが、切っ先が震えているぞ?」

 

ヴァーリの言う通り、木場もゼノヴィアも剣を振るわせてしまっている。それは白龍皇である奴に対する恐怖の現れとみていいだろう。

 

「彼の言う通り剣を納めなさい祐斗、ゼノヴィア」

 

どうやら様子を見ていたらしい部長が現れ、二人に剣を納めるように促す。部長の近くには、アーシアや小猫、朱乃先輩も居た。

 

「「・・・・・・・」」

 

部長に言われ剣を納める木場とゼノヴィア。だが、依然として白龍皇に対して警戒心を露わにしていた。

 

「それでいい。君たち程度では俺に傷一つつけることもできないだろうからね。この場において俺と渡り合えることができるのは兵藤一誠ただひとりだ」

 

どうやら、渡り合えることができると判断されるほどには俺の力を認めてくれているようだ。もっとも。言い方からして俺のことを下に見ているが故の余裕も見られるが。

 

「・・・・・・白龍皇、いったい何のつもりかしら?どうしてここに?」

 

「そう身構えなくてもいいリアス・グレモリー。俺もアザゼルの付き添いでこの町に訪れたものの少々暇だったのでね。退屈しのぎに我が宿敵である赤龍帝、兵藤一誠に挨拶しに来ただけさ」

 

「あなたといいアザゼルといい、堕天使の陣営は随分と勝手なのね。コカビエルの件で懲りてないのかしら?」

 

警戒心を抱きながらも、部長は呆れたように言う。まあ確かに、少々フリーダムすぎると俺も思ってはいたが。

 

「アザゼルはともかく、コカビエルの件は関係ない。奴が独断で行ったことだからね。ただ、その気持ちもわからなくはない。俺も戦いは好むし、戦ってみたい相手は大勢いる。もちろん、兵藤一誠もそのうちの一人だ」

 

そう言いながら、ヴァーリは好戦的な笑みを浮かべて俺の方へ視線を移してきた。

 

「兵藤一誠、君は自分が世界で何番目に強いと思っている?」

 

「さあ?いかんせん世界にどれほどの強さを持った奴らが居るのかわからないから何とも言えないな」

 

ただまあ、興味はあるがな。自分の力が世界基準で見てどれほどのものなのか測りたいとは思う。

 

「そうか。俺の見立てではギリギリとはいえコカビエルを倒した君の強さはこの世界の中でも上位に食い込む強さを持っているだろう。ただ、君以上の強者はいくらでもいるし、一位と比べれば君の力など無力に等しいだろうがね」

 

「まさかその一位が自分だなんて言うつもりはないよな?」

 

「ああ。いくら何でもそこまで自惚れてはいない。一位が誰なのかはいずれ君も知ることになるだろう。俺や最強の悪魔、『紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)』サーゼクス・ルシファーでさえ足元にも及ばない不動の存在さ」

 

ヴァーリやサーゼクス様でさえ足元にも及ばない、か。いったいどんなバケモノだよそれは。ドライグなら何か知っているだろうし、今度聞いてみるか。

 

「兵藤一誠、今日のところはこれで失礼させてもらうが宿敵として宣言しておこう。俺はいずれ、必ず君と戦う。戦ってどちらが強いのかをはっきりさせよう。もっとも・・・・・・・勝つのは俺だがね」

 

「望むところだ。俺もお前に負けるつもりは毛頭ない。今代の赤龍帝としてお前を跪かせてやるよ」

 

ヴァーリからの宣戦布告を受け取り、俺もまた宣言した。現時点では俺の方が劣る。だが、それでも俺はこいつに勝ってみせる。いや、勝たなくてはならないんだ。

 

白龍皇を倒す。それが俺の・・・・・・・・生きる目的の一つなのだから。

 

「それでこそ俺のライバルだな。それじゃあまた・・・・・・ああ、そうだ。もう一つ忠告があったんだったな」

 

「忠告?なんだ?」

 

「これは君にだけじゃなく、君の主であるリアス・グレモリーやその眷属たちに対する忠告だ。過去に二天龍と関わった者の多くはろくな生き方をしていない。凄惨な死を遂げた者も大勢いるし、ドラゴンの力に魅了され、心酔し、精神を侵された者もいる。だから君たちも兵藤一誠と関わり続けるというのなら心した方がいいだろう」

 

思った以上に真剣な忠告に、部長たちは返事も返すことなく。聞き入ってしまっていた。

 

いったいどういう真意で忠告してきたのかはわからないが・・・・・・・なぜだかそこにヴァーリの中の何かが関わっているように思えてならなかった。

 

(って、俺も他人事ではないだろうが)

 

そう、ヴァーリの忠告は俺にとっては決して無視できないものであった。

 

俺が赤龍帝であったがゆえに

 

俺が赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を持っているがゆえに

 

俺と関わってしまったがゆえに

 

俺を・・・・・愛してしまったがゆえに死んでしまった者が居るのだから

 

「兵藤一誠、君の命を狙った堕天使の話は俺も聞いている。君が彼女に抱いた感情についてもね」

 

「・・・・・・何が言いたい?」

 

「大したことじゃないさ。ただ、君が生きている限り、赤龍帝である限り同じようなことはいくらでも起こり得る。そのことを覚えておくといい」

 

ヴァーリは俺にそういうと、踵を返してその場を去っていった。

 

(最後の最後で痛いところを・・・・・・そんなこと俺だってわかりきってるんだよ)

 

気が付けば、俺は拳を強く握りしめていた。強く握りしめながら・・・・・・・レイナーレのことを思い返していた。

 

「あ、あの一誠さん・・・・・・」

 

「大丈夫だよアーシア。俺は大丈夫だ」

 

心配そうな表情で俺に声をかけてくるアーシアに、俺はそう返事を返した。といっても、それはほとんど強がりなのだけれど。

 

「・・・・・・一誠。私は、私たちは後悔しないわよ」

 

「部長?」

 

「私たちはあなたと関わったことを後悔しない。だから、白龍皇の言ったことなんて気にする必要はないわ」

 

どうやら俺を気遣ったらしい部長が、俺の頭を撫でながら言ってくる。主である部長にここまで気遣わせるとは、俺もまだまだだな。

 

けど・・・・・部長には申し訳ないが、それでも気にせずにはいられなかった。俺にとって、ヴァーリのあの忠告は忘れてはならないものだ。

 

この先、俺と関わったせいでどれだけの者が死に、追いつめられるのか・・・・・・それは俺にも予測できないのだから。

 

 




原作のイッセーさんよりも一誠さんの方が強いため、ヴァーリさんの対応が原作よりも少々異なります

そのおかげで少々一誠さんの心の傷がえぐられていますが・・・・・・・

それでは次回もまたお楽しみに!
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