『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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今回もギャスパーくんの特訓・・・・・ってことでいいのかな?

ぶっちゃけ特訓描写はほぼ皆無なので

それでは本編どうぞ!


第58話

 

「ギャスパー、これから神器(セイクリッド・ギア)を使った特訓に入るが覚悟はいいか?」

 

「は、はい!」

 

駒王学園、旧校舎の近くでこれからギャスパーの神器の制御のための修行を始めるのだが・・・・ギャスパーの顔からは緊張の色が見て取れる。やはりまだ自分の神器が恐いのだろう。

 

「よし、では始めよう」

 

「・・・・ギャーくん、ファイト」

 

「ひいっ!?」

 

「ちょっと待てお前ら」

 

特訓の手伝いを申し出たゼノヴィアと小猫が詰め寄ると、ギャスパーは酷く怯えてアーシアの後ろに隠れてしまった。無理もないだろう。ゼノヴィアは聖剣を、小猫はニンニクの束を手にしているのだから。具体的に何をするつもりかはわからないが、ロクでもないことだろうと思い俺は二人に待ったをかける。

 

「お前らな・・・・・神器の特訓だって言ってるのにどうして追いつめようとするんだよ」

 

「いや、追いつめれば神器の制御ができるようになると思ってな」

 

「・・・・・これもギャーくんのため」

 

「お前らな・・・・・肉体的な追い込みは俺がさんざんやってきたから今日はそういうのはなしだ。修行の妨げになる」

 

「・・・・・あの、一誠さん。ギャスパーくん震えているんですが・・・・・」

 

おっと、どうやら俺とのとレーニングを思い出させてしまったかな。毎回トレーニングが終わるたびに死んだように倒れてたから恐怖心を植え付けてしまったのかもな。まあ、それでも食らいついてきてるから大したものだが。

 

「おーい、兵藤」

 

「匙?どうしたんだ」

 

本校舎の方から、ジャージ姿の匙が現れた。

 

「いや、花壇の手入れをするついでに、解禁されたっていう眷属を見に来たんだよ」

 

「花壇の手入れって・・・・・・お前、生徒会の雑用係なのか?」

 

「ぐっ・・・・それを言うなよ。それよりも解禁された眷属っていうのは・・・・・おっ、君か?」

 

「ひっ!?」

 

突然匙に近づかれ、ギャスパーは驚いて後ずさりしてしまう。

 

「すまん匙、あいつはちょっと人と関わるのに慣れてないからあまり前に出過ぎないようにしてくれ」

 

「そ、そうなのか・・・・・それにしても、なかなかの金髪美少女だな。アーシアちゃんといい羨ましいなおい」

 

「匙、残念ながらあれでもギャスパーは男だ」

 

「・・・・・マジで?詐欺だなおい・・・・・」

 

まさかギャスパーが男だとは思いもしなかったようで、匙は驚愕としている。まあ、俺も初めは同じようなリアクションをしたから気持ちは非常によくわかる。

 

「お?こんなところに悪魔ばっかで集まって・・・・・・お遊戯か何かか?」

 

突然、背後から聞こえる声、振り向くとそこには・・・・・堕天使の総督、アザゼルが居た。

 

「・・・・・こんなところで何をしているんですかアザゼル総督?」

 

「「「アザゼルっ!?」」」

 

アザゼルの名前を聞き、匙、ゼノヴィア、小猫が臨戦態勢をとる。アーシアとギャスパーもアザゼルに警戒している様子だ。

 

「皆落ち着け。このひとはこんなところで戦いを吹っ掛けようとするほど短絡的じゃない」

 

「赤龍帝の言う通りだ。コカビエルにさえ及ばない下級悪魔を虐める趣味なんて俺にはねえよ。この中で俺と渡り合えるあとしたら、赤龍帝だけだ」

 

「アザゼル総督にそこまで実力を買っていただけるとは、恐縮でございますよ・・・・・ところで、今日は何をしにここへ?まさかまた俺をからかいに来たんですか?」

 

「からかうってのは前の公開授業の時のことか?別にあれはからかってたわけじゃない。ちょっと会談の会場の下見がてらお前の学校生活を覗きに来ただけだ」

 

俺の学校生活を覗きにって・・・・・なんなんだこの妙な保護者感は。なんでこのひとは俺のこと気にかけるんだ?

 

「ところで赤龍帝、聖魔剣使いはどこにいる?ちょっと見に来たんだが・・・・・」

 

「木場ならここにはいませんよ。部長と一緒に居ます」

 

「そうか。つまらんな」

 

「一応言っておきますけど、部長達の方には行かないでくださいよ?部長、絶対にうるさく言うでしょうから」

 

「それは面倒だな・・・・・・わかったよ。今日は諦めるとしよう」

 

残念そうに肩をすくめるアザゼル。どうやら本当に木場に会いに来ただけのようだ。

 

「お。おい兵藤」

 

「なんだ匙?」

 

「お前、なんでそこまで堕天使のトップと自然に会話できるんだよ」

 

「どうしてと言われても・・・・・元お得意様だったし」

 

「いや、だとしてもおかしいと思うんだが・・・・・」

 

まあ、匙の言っていることは理解はできる。悪魔である俺と堕天使の総督であるアザゼルが自然に会話している光景は不思議がられても仕方がないだろう。

 

「と、そうだ。おい、そこのヴァンパイア」

 

「ひいっ!?た、食べないでください!」

 

「いや、食わねえよ・・・・・俺のことなんだと思ってるんだ。それよりも、お前は『停止世界の邪眼(フォービドゥン・バロール・ビュー)』の持ち主だろう?五感から発動するタイプの神器は持ち主の力が不足していると暴走する危険性がある。補助具で補えばいいんだが、悪魔はそれほど神器研究が進んでいなかったな・・・・・・まあ赤龍帝がそのヴァンパイアに血を飲ませれば補助具の代わりになるが」

 

「俺の血はパワーアップアイテムってことですか?」

 

「ヴァンパイアにとってはそうなるってことだ」

 

俺の血をギャスパーに飲ませる・・・・か。別に俺としては構わないが・・・・・・

 

「ギャスパー。俺の血飲むか?」

 

「・・・・・それはちょっと」

 

どうやらギャスパー的には拒否したいようだ。あの過酷なトレーニングは耐えられたのに血を飲むのは嫌って、相当な筋金入れだなおい。

 

「なんだよ、ヴァンパイアのくせに血が苦手なのかよ。となると・・・・・おい、お前」

 

「えっ!?俺!?」

 

突然、アザゼルに声をかけられて匙は動揺する。

 

「お前のその神器、『黒い龍脈(アブソープション・ライン)』だろ」

 

アザゼルは臨戦態勢に入ったときに出した匙の神器を指さす。

 

「それのラインをこのヴァンパイアに接続して練習してみろ。余分な力を吸い取れば暴走もある程度抑えられるはずだ」

 

「俺の神器って、相手の神器の力も吸い取れるのか・・・・・・」

 

「そんなことも知らなかったのか。自分の力ぐらい把握しておけ。今日は特別に、俺が少しレクチャーしてやる」

 

こうして、なぜかアザゼルによる黒い龍脈の使い方の講義が始まった。アザゼルの説明は具体的かつ、わかりやすいのですんなりと頭に入っていく。その場にいた全員が思わず聞き入ってしまうほどだ。

 

「・・・・まあ、こんなところだな。せいぜい自分の力を磨くことだな」

 

「アドバイスありがとうございますアザゼル総督」

 

「気にするな。前のヴァーリがちょっかいかけた詫びだとでも思ってくれ」

 

「自分がちょっかいかけることに関しては詫びようとは思わないんですか?」

 

「思わねぇよ。これは俺の趣味なんでな。じゃあな。次に会うのは会談の時だ」

 

ひらひらっと軽く手を振った後、アザゼルは去っていった。

 

「なんていうか・・・・・堕天使の総督ってフランクなんだな。コカビエルの件もあって堕天使ってロクでもない奴ばっかだと思ったが・・・・・」

 

「・・・・堕天使だって人間や悪魔と変わりないさ」

 

「え?」

 

「個人個人性格や考え方が違う。だから、個人を見ずに堕天使だからって理由で敵視したり差別的に見るのは・・・・・やめた方がいい」

 

そう、堕天使にだって色々いる。コカビエルのような戦闘狂もいれば、アザゼルのような神器マニアもいる。そして・・・・・・人間を、悪魔を愛してしまった堕天使だっているしな。

 

「い、一誠先輩?どうしたんですか?」

 

「ん?何がだギャスパー?」

 

「いえ、その・・・・・・様子がおかしかったので」

 

「なんでもない、気にするな。それよりも、特訓を始めるぞ。匙、花壇の整理しなきゃいけないんだろうが少しだけ付き合ってもらっていいか?」

 

「ああ。任せておけ」

 

アザゼルのアドバイス通りに、匙の神器のラインをギャスパーに繋げて、ギャスパーの神器の特訓を始める。

 

匙の神器で力を吸収されたおかげでギャスパーの力が暴走することはなく、特訓は思った以上にすんなりと進んで行った。

 




一誠さんとアザゼルさんの関係はわりと良好です

まあ、理由はちゃんとあるのですが・・・・・それはおいおいと

それでは次回もまたお楽しみに!
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