『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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今回から三種族会談となります

それでは本編どうぞ!


第61話

 

「・・・・空気が重いな」

 

とうとう訪れた三種族会談の開催日。窓から外を見てみると悪魔、天使、堕天使の姿が確認できる。彼らは結界で学内に入ることはできないがまさに一触即発。何かあればすぐに争いにも発展しかねない物々しい雰囲気だ。

 

「まあ無理もないよ。これまで対立してきた組織が集まっているんだ。和気藹々とはいかないだろうね」

 

まあ木場の言う通りだろう。会談の結果次第では、その場で即戦いということにもなりかねない。それだけこの会談は重要なのだ。

 

「面倒ごとにならないのを願うばかりね・・・・さあ、皆行きましょう」

 

「い、一誠先輩、部長、皆さん・・・・・」

 

部長の一誠で会談の会場に向かおうとしたところでギャスパーが俺達に声をかけてきた。

 

「ギャスパー、あなたには悪いけれど、今日はここで待って居てちょうだい。あなたの神器(セイクリッド・ギア)が暴走してしまったら、会談に支障をきたしてしまうから」

 

修行のおかげで少しずつ神器の制御ができるようになってきたギャスパーではあるが、それでもまだ暴走の危険性が無くなったわけではない。そのため、ギャスパーは部室に置いていかざるをえなかった。

 

「わかってます。だから僕はここで上手くいくように応援しています。皆さん、頑張ってください」

 

はたして会談で何を頑張ればいいのだろうかと思ったが、それを口に出すのはやめておいた。ギャスパーは俺達を気遣って言ってくれているのだから。

 

「終わったらすぐにこっちに戻ってくるからそれまでは大人しくしてろよ。暇つぶしになるものはおいていくから。ちなみに俺のお勧めは魔法少女ミルキースパイラルのDVDだ。さすがに全話見るのは無理だろうが、初めの数話だけでも見ておくといい」

 

まさかミルタンに布教用にもらったDVDボックスを俺も布教のために使うことになるとは・・・・まあ、実際ミルキーは素晴らしいのだから、少しでも広められるのなら本望だ。

 

「一誠先輩のお勧めなら絶対に見ます!」

 

「よく言った。あとでちゃんと感想も教えるように」

 

「はい!!」

 

「一誠、ギャスパー・・・・」

 

なぜか部長が何か言いたげに俺とギャスパーの方を見ている。他の皆も苦笑いを浮かべているし・・・・どうしたのだろうか?

 

「・・・・・まあいいわ。行くわよ」

 

「「「はい」」」

 

部長に続き、俺達は部室をあとにする。

 

三種族会談・・・・果たしてどうなるかな・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼します」

 

部長に続き、会談の行われる部屋に入る。入った瞬間に、強い圧のようなものを感じた。まあ、戦闘態勢に入っていないとはいえ、この部屋の中にいるのは各勢力のトップたちだ。威圧感を感じるのも無理もないことだろう。

 

ふと、壁に寄りかかっている白龍皇、ヴァーリと目が合った。ヴァーリは俺を見て、ニヤリと不敵な笑みを浮かべるが・・・・どうにもその笑みが意味深に感じられた。

 

「私の妹とその眷属達です。先のコカビエルの一件では彼女たちが活躍してくれました」

 

サーゼクス様が、俺達のことを会談の出席者たちに紹介する。

 

「コカビエルの件では悪かったな。迷惑かけた」

 

アザゼルが俺達に対して謝罪するが・・・・どうにも悪びれている様子がない。まあ確かに、コカビエルは独断だったためこのひとが直接悪いということはないだろうが・・・・

 

「・・・・・一応あなたのところが問題起こしてこの会談の場が設けられたんですからもう少しぐらい悪びれたらどうですか?」

 

「ちょ、一誠!?」

 

「・・・・あ」

 

やばい、発言の許可も得てないのに思わず言ってしまった。下級悪魔の分際で。どうにもアザゼルが関わると口が軽くなるんだよな・・・・・

 

「はははははっ!違いないな!だがまあ許してくれ。何分こういう性分なんでな」

 

ひとまず、俺の発言に関してはアザゼルは笑って流してくれた。やっぱりこのひと、おおらかで結構度量が広いな。

 

「一誠・・・・こういう場では許可なく不用意に発言してはダメよ」

 

「はい・・・・・申し訳ありませんでした」

 

「わかってくれればいいわ。次からは気をつけなさい」

 

小声で部長に注意される。下手をすれば部長の顔にも泥を塗りかねなかった・・・・・何が忠義を尽くすだ。もっと慎重にならないと。

 

「では君たち、席につきなさい」

 

サーゼクス様に促され、俺達は席につく。そしてそののちに、会談が始まった。

 

会談は神の不在に関することから始まり、各組織のトップたちが各々の現状を説明し、そして先のコカビエルの件を当事者である部長と、会談に同席していたシトリー様が説明する。特に滞ることなく、会談は順調に進んで行った。

 

「さて、コカビエルの件に関して堕天使総督の意見を聞かせてもらおう」

 

サーゼクス様はアザゼルに説明するように促す。

 

「あの件に関してはコカビエルの独断だ。俺や大多数の堕天使、そして堕天使の中枢機関『神の子を見張る者(グリゴリ)』は関与していない。まあ、奴の動きを把握しきれなかったという点では確かに責任はあるが。だからこそ、奴を止めるために白龍皇を派遣したんだが・・・・・赤龍帝のおかげでそれも無駄になっちまった」

 

言い方に少しむっとするところもあったが、さっきのこともあったので喉まで出かけた言葉を飲み込んだ。

 

「コカビエルは現在、組織の決定で『地獄の最下層(コキュートス)』で永久凍結の刑に処した。もう奴が出てくることはないだろう。そのあたりの説明は報告書に書いてあったはずだ。あれで全部だよ」

 

「では、あなた個人が我々とことを構えたくないという話に関しては」

 

ミカエルが訝しげな目でアザゼルを見ながら尋ねる。

 

「それこそ一番信用してくれてもいい。俺は戦争なんかには興味ないからな。それこそ戦闘馬鹿である

コカビエルに神器馬鹿って言われるほどにはな」

 

「ならば・・・・・なぜここ数十年、神器所有者に接触し、集めている?」

 

今度はサーゼクス様が尋ねる・・・・その眼から、アザゼルを怪しんでいるというのが見てわかる。

 

「なんだ?戦力増強を図ってるとでも思ってるのか?だとしたらそれはとんでもない誤解だな。所有者を集めてるのは研究のためだ。なんなら研究データをお前たちに送ってやってもいい」

 

「白龍皇を手中に収めておいて戦力増強ではないというのですか?白龍皇だけではない・・・・・神滅具(ロンギヌス)黒刃の狗神(ケイニス・リュカオン)』さえあなたの下にあると聞きます」

 

(黒刃の狗神・・・・・ドライグ、何か知っているか?)

 

(さあな。俺も詳しくは知らん。だがあれは神滅具の中でも特異なものであるとだけは聞いたな)

 

神滅具の中でも特異か・・・・・少し興味があるな。

 

「白龍皇にしても黒刃の狗神・・・・・刃狗(スラッシュ・ドッグ)に関しても不条理で俺の下に来たってだけだ。戦力増強を狙っていたわけじゃない」

 

(・・・・・不条理?)

 

なぜかアザゼルの言った不条理という言葉がいやに引っかかった。

 

アザゼルの言葉を信じるなら、ヴァーリの身には何らかの不条理がすでに起きているということになる。ならあの時ヴァーリが部長や皆に言ったことは・・・・・自分の体験に基づく忠告だったということだろうか?

 

「たくっ、三すくみの中でも堕天使の信頼は最低かよ」

 

「当然だね」

 

「その通りね」

 

「そうですね」

 

サーゼクス様、セラフォルー様、ミカエルのトップ3人はよほどアザゼルを信用していないらしい。正直俺個人としてはアザゼルのことは信用できるんだがな・・・・・それこそ、今この場にいる誰よりもだ。まあ、どうしてそこまで信用できるのかの根拠なんてありはしないのだが。

 

「神や先代ルシファーに比べてまだマシだと思ったんだが・・・・・お前らもお前らで面倒くさいな。まあいい。そろそろこそこそ研究するのも性に合わないと思っていたところだ・・・・・まだるっこしいことは抜きにしよう。和平を結ぼうぜ。お前らもはなからそのつもりなんだろう?」

 

アザゼルの口から提案される三種族の和平。

 

会談は・・・・佳境へと差し掛かっていった。




現状原作と大きな差異はない・・・・と思います

まあ、この先もそこまで変わることはないと思いますが・・・・

それでは次回もまたお楽しみに!
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