まずは手始めに軽く一誠さんとアザゼル先生のお話を
それではどうぞ
第69話
強くなりたい
もっと強く・・・・もっと強く
宿敵である白龍皇ヴァーリを倒せるほどに強く
そして・・・・そして?
白龍皇を倒してそのあと俺は
俺は・・・・・どうしたいのだろう?
「589・・・・590・・・・591・・・・」
「おーおー。頑張るねぇ若人」
早朝、いつも通り俺はトレーニングしていた。ただ、これまでと違うのは・・・・・そこにアザゼル先生が居ることだ。なんでも、俺のトレーニングの様子を見てみたいんだそうだ。
「重りをつけての腕立てとか、随分とまあ古典的というか、芸のないトレーニングしてるんだなお前」
「確かに地味かもしれませんが、これも馬鹿にはならないですよ。パワーを上げるにはこういう単純なトレーニングが効果的なんです」
「そいつはわかってるよ。ただな・・・・・」
そう言いながら、アザゼル先生は俺の隣で死んだように微動だにせずに倒れているギャスパーの方へ視線を移す。ギャスパーは本人の希望で俺と同じ重さの重りをつけて腕立てをしようとしたのだが、一回も腕立てができずに力尽きてダウンしてしまったのだ。これは意識も朦朧としているかもしれない。やはりギャスパーにはこの重さはまだ無理だったか・・・・・いつもなら起こすところだが、少し休ませてやろう。
「魔力で負荷をかけて重りにするって発想は悪くない。筋トレしながら魔力の維持とコントロールの特訓にもなるからな。だが100㎏はやりすぎだ。普通はギャスパーみたいになるぞ?」
「俺も人間だった時はそう何回もできなかったと思いますよ。ただ今は悪魔になったおかげで地力が増してるので、これぐらいはこなせます」
「それを毎日1000回とか・・・・・根性あるな。俺ならやろうとさえ思わないね」
まあ、そもそもアザゼル先生はそういうトレーニングとかするイメージ自体がまずわかないけど。
「だが、こういうトレーニングは今後も続けた方がいいのは間違いない。身体能力の向上はお前の
確かに、このトレーニングが無ければ俺はあの戦いで早々にヴァーリに敗れていただろう。
「だが、だからと言って筋力強化だけしていればいいと言うわけではない。お前が赤龍帝の力でヴァーリを倒したいという考えを否定する気はないが、お前の敵はヴァーリだけじゃない。他の
「敵はいくらでもいるということか・・・・」
「そうだ。だから身体能力だけじゃなく、ほかの力も鍛える必要がある。お前はヴァーリほどではないが魔力が高いからその方面も伸ばした方がいいだろうし、ほかにも強力な武器を持っているだろう?」
「アスカロンか・・・・・」
アスカロン。
「あと、譲渡の力が一切使えないってのも痛いな。あの力も今後の戦いでは重要になってくる。まったく、これまでも片方だけの力に特化した赤龍帝は居るにはいたが、お前ほど極端なのはそうそういなかったぞ?」
「そんなこと言われても・・・・・俺だって使えるものは使いたいですよ。それなのに全く使えなくて・・・・・」
「そのくせ
異質と言われても・・・・・って、あれ?俺アザゼルに禁手に至った経緯のこと話した覚えないのに何で知ってるんだ?
「まあ、譲渡の力に関してはどうにか発現できるようにする方法を考えるとして・・・・一誠、お前に聞いておきたいことがある」
アザゼルが嫌に真剣な目をして俺に尋ねてきた。
「ヴァーリが
あの時のことか・・・・俺は覇龍を使おうとしていたヴァーリに対抗して奥の手を使おうとしていた。まあ、結局は美猴に邪魔されてしまったのだが。
だが、どうするかな・・・・・あの力のことはまだ部長達にも話してない。なのにそれをアザゼル先生に話すのは・・・・・・うん、なんか別にアザゼル先生ならいいかなって思うな。少しぐらいなら話しても問題ないだろう。
「あの時俺が使おうとしたのは、覇龍と引き換えにして手に入れた力です」
「覇龍と引き換えに手に入れた力?」
「はい。二天龍の戦いは先に覇龍に至ったものが勝ってきたとドライグに聞いていました。ですが同時に覇龍に至ったとしたら・・・・勝率は良くて五分程度にしかならない。だから俺は、覇龍の力を棄ててでも、覇龍を打ち破る力を欲したんです」
「そして・・・・・手に入れたのか?」
「ええ。覇龍を凌ぐ力・・・・
あの時、たとえヴァーリが覇龍を使ったとしても、この力があれば勝つことはできるかもしれない。もっとも、一撃を当てることができればの話だがな。
「奥の手か・・・・まさかそんなものを用意していたとはな。これまでのどの赤龍帝にも当てはまらない進化の仕方が。だが、その大帝ってのをこれまで使ってこなかったってのはどういうことだ?そんなに強力な力なら、コカビエルとの戦いのときに使えばもっと楽に勝てただろ?」
「あの力は・・・・・扱いが難しいんです。強すぎる故にリスクも高い。おいそれと使えるものじゃないんですよ」
まあ、それを言うならヴァーリとの戦いの時も本当は使うのまずかったんだけどな・・・・使ったとしたら被害は甚大だっただろう。正直あの時はヴァーリとの戦いで頭に血が上っててそこまで考える余裕がなかった。
「使い勝手は悪いってことか・・・・・まさか覇龍と同じように命を削るのか?」
「いや、そういう力ではないですよ。たと使っても、命を削ることはありません」
ただ、俺の体が耐えられるかわからないが・・・・・それは言う必要はないだろう。
「ならいい。勝っても死んじまったら意味がない。勝つからには・・・・生きて未来を歩まねぇとな」
「アザゼル先生・・・・・なんか先生みたいなこと言いますね」
「ここでそれ言うか!?というかこれまで普通に先生付きで呼んでるのにそれはないだろう!?」
アザゼル先生は文句を言っているが仕方ないだろう。空気重くなっちゃったからそろそろ和ませないといけないかなと思ってしまったのだから。
「まったくお前は真面目なんだか天然なんだか・・・・・まあいい。それよりも、そろそろ少し休んだらどうだ?あまりぶっ続けでやっても効率が悪いだろ」
「まあそうですね・・・・・じゃあ少しだけ休みます。ということで飲み物が欲しいのでお金出してくださいアザゼル先生」
「なんでだよ!?」
「だって俺財布持ってきてないですし、何よりアザゼル先生は俺達の先生なんですからいいじゃないですか。あ、ギャスパーの分もお願いしますね」
「容赦ねえなお前は・・・・・」
ぶつくさと言いながらもお金を出してくれるアザゼル先生。なんだかんだこのひとやっぱり面倒見がいいんだなと思いながら、俺は近くの自動販売機へと向かった。
とりあえず章の頭なのでまずは軽めに
次回からは原作ベースのお話にしていくつもりです
それでは次回もまたお楽しみに!