『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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特に思いつかなかったので本編どうぞ


第70話

 

「おはようございます一誠くん」

 

「・・・・・朱乃先輩?」

 

深夜、いつも通りの時間に起きた俺の目に朱乃先輩の顔が映った。

 

「あの・・・・・なぜここに?」

 

ここは俺の家で、なおかつ俺の部屋で、さらに言うなら俺のベッドの中だ。本来ここに朱乃先輩がいるなどあり得ない。なのにこのひとは、さも当然かのように俺に微笑みを向けていた。

 

「それは・・・・夜這いですわ」

 

「・・・・は?」

 

朱乃先輩のこの発言に、俺は思わず間の抜けた声を上げてしまった。確かに最近やたらとアプローチしてくるようになったと思っていたし、さすがにあそこまであからさまなのだから朱乃先輩の想いは理解しているつもりではある。だが、だからといって夜這いとは・・・・・予想外にもほどがあった。

 

「一誠くんはこれからトレーニングしに行くのですよね?鍛えるのもいいですけれど、たまにはゆっくりしたらいかがでしょうか・・・・・私と一緒に」

 

俺の首に手をまわしてくる朱乃先輩。こうなってしまうと、朱乃先輩をなだめるのは難しいだろうな・・・・朱乃先輩もそれなりの覚悟をしてきたのだろうし。

 

どうしようかと、俺が頭を悩ませていると・・・・・

 

「・・・・・何をしているのかしら朱乃」

 

やたらとドスの利いた声が聞こえてきた。俺と朱乃先輩が声のする方へと視線を向けると・・・・・そこには鬼でさえ逃げ出しそうなほど恐ろしい形相の部長がいた。

 

「あらリアス、男女の営みに水を差そうなんて野暮ね」

 

「黙りなさい朱乃!もしかしてと思って見に来てみたら案の定・・・・一誠の迷惑も少しは考えなさい!」

 

どうやら部長は朱乃先輩のこの行動を予測していたらしい。いったいどういう経緯で予測するに至ったのかはわからないが、おそらくそれは部長と朱乃先輩の付き合いの長さゆえのものなのだろ。

 

「もう・・・・・だから全員一緒に暮らすのには反対だったのにお兄様は・・・・・」

 

ん?

 

「部長、なんか今ものすごく聞き捨てならないことを聞いたような気がするのですが・・・・・一緒に暮らすってどういうことですか?」

 

「・・・・・お兄様の意向で、私達グレモリー眷属は全員この家で暮らすことになったのよ。眷属同士のスキンシップは重要だと言って」

 

部長は居たそうに額に手を当てながら言っているが、俺の方が頭が痛くなりそうだった。なぜこの家の本来の住人である俺にその話が通っていないのか・・・・・・サーゼクス様、その辺り雑すぎる。

 

「じゃあ朱乃先輩は・・・・・」

 

「本当なら同居は今日、日が昇ってからということになっていたのだけれど、待ち遠しくてフライングさせていただきました」

 

「そんな行動力いらないわよまったく・・・・・」

 

部長の発言に全面的に同意なのだが、口に出すとまた火種を生みそうな予感がしたのでとりあえず思うだけにとどめておこう。

 

「というかその話、俺聞いてなかったんですけど父さんと母さんは知っているんですか?」

 

「ええ。そのことはお兄様から話がされているわ。二人とも喜んでいたそうよ。私はてっきり一誠も聞いていたと思っていたのだけれど・・・・・・」

 

きっと父さんも母さんも俺を驚かせようと思って黙っていたんだろうなぁ・・・・・我が両親ながら頭が痛くなる。

 

「というか、全員で暮らすにはこの家は手狭だと思うのですが・・・・」

 

一軒家とはいえ、眷属全員が暮らせるほどの広さはない。その辺りはいったいどうしようというのか・・・・・

 

「大規模な改築を行うそうよ。その話ももうあなたのご両親や近所の住民にも通してあるそうよ」

 

だからなんで俺だけがそれ知らなかったというのか。一瞬とはいえ悪魔を辞めたくなる勢いだ。

 

「それよりも・・・・一誠、朱乃のことは私に任せてトレーニングに行きなさい」

 

「あら?せっかく一誠くんとゆっくりしようと思ったのに、リアスはケチね」

 

「黙りなさい。一誠にとっては大事なことなの。それを邪魔するようなら嫌われるわよ?」

 

「・・・・・それは困りますわね。仕方がありませんわ。一誠くん、トレーニング頑張ってくださいね」

 

仕方ないといった様子で、朱乃先輩は俺を解放してくれた。

 

「では部長、あとはよろしくお願いします」

 

「ええ。行ってらっしゃい」

 

あとのことを部長に任せて、俺はトレーニングに向かう。

 

それにしても、朱乃先輩にも困ったものだ・・・・・俺も男なので、好意を寄せられるこ自体は悪く思わないのだが、いかんせん色々と困るのも事実だ。

 

・・・・こんど、アザゼル先生に相談してみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、今日はこれからの予定について話をするわ」

 

朱乃先輩の夜這いから一週間経ち、我が家の改築(という名の魔改造)も終わったある日。広大になりすぎた家の一室でグレモリー眷属のミーティングが行われた。

 

「夏休みは毎年冥界に帰省することになっているけれど、私の眷属である皆もついてきてもらうわ。特に一誠、アーシア、ゼノヴィアの3人は冥界に来たことがないからなおさらね」

 

ふむ、冥界にか・・・・どんなところか興味があったから少し楽しみだな。

 

「い、生きているのに冥界に行くだなんて緊張しますが、死んだつもりで行きたいと思います!」

 

「これまで天罰として地獄に送った者たちと同じ世界に行くとは・・・・悪魔になった今の私にはお似合いだ」

 

そういえば、アーシアとゼノヴィアは元々教会所属だったからな・・・・・冥界って場所に思うことは色々とあるのだろう。特にゼノヴィアは自嘲がすごい。

 

「向こうで行事の参加や修行があるから帰ってくるのは8月の末になりそうね」

 

やはり長期の滞在になるのか・・・・そうなると松田や元浜からの遊びの誘いは断らないといけなくなるな。まあ、毎年やってることは海に行ってナンパするあの二人が暴走しすぎないようにストッパーになることだが。

 

「うふふ、一誠くん。せっかくですし、冥界に行ったら私とデートなどいかがでしょうか?」

 

「やめなさい朱乃。そう都合よく時間が取れるとは限らないわよ?」

 

「あら?それは私を時間が取れないほど用事を押し付けると言うことかしら?」

 

「そうね。それも悪くないかもしれないわ」

 

またしても火花を飛ばし合う部長と朱乃先輩。ここまでくると仲違いを心配してしまうが、木場が言うには険悪にはなっていないようなので大丈夫であるらしい。

 

「冥界か・・・・悪くないな。なら俺もお前達と一緒に行くかな」

 

「「「ッ!?」」」

 

突然この場に居なかったの者声が聞こえてきて、一同は声の持ち主・・・・・アザゼル先生の方へと顔を向けた。まあ、俺は先生が堂々と部屋に入ってきたことには気が付いていたから驚きはしなかったが。

 

「ど、どこから入ってきたの?」

 

「普通に玄関からだ。気づけなかったのならそいつは修行不足だな」

 

まあ、堂々とといっても音はほとんど立ててなかったし、気配も希薄だったからな・・・・俺も悪魔になる前の状態だったら気が付けなかったかもしれない。

 

「それよりも、俺もお前たちの冥界入りに同行するぜ。何せ俺はお前たちの先生だからな。冥界での予定はっと・・・・・」

 

「ちょっと、それ私の手帳!」

 

朱乃先輩と言い合っている隙に拝借したであろう部長の手帳に、アザゼル先生は目を通す。

 

「リアスの里帰りに現当主に新入りの紹介、そして新鋭若手悪魔の会合に出たのちに修行に入るか・・・・・ちっ、本当にただの予定帳だな。乙女の赤裸々な日記でもあったら面白かったんだが」

 

「返しなさい!」

 

最後の余計な一言が部長の琴線に触れてしまったらしい。部長は激しくアザゼル先生から手帳をひったくった。

 

「おいおい、先生にそんな乱暴な態度は感心しないぞ?」

 

「黙りなさい・・・・・ともかくアザゼル先生も同行するということでいいのね?」

 

「ああ。手配は頼んだぜ。悪魔のルートで冥界に入るのは初めてだから楽しみだ。ああ、それと一誠」

 

「なんですか?」

 

「冥界での修行・・・・・お前にはおあつらえ向きに相手を用意しておいてやる。今のうちから覚悟を決めておくんだな」

 

俺におあつらえ向きの相手・・・・・アザゼル先生がそこまで言うのだから、相当なのだろう。それで俺がより強さの高みに到達できるのならば願ってもない。

 

冥界での夏休み・・・・・・俺にとって、有意義なものになりそうだ。




朱乃さんクラスに夜這いなんてされたら・・・・・大抵の男はころっと落ちちゃうでしょうねぇ

・・・・・クソ羨ましい

それでは次回もまたお楽しみに!
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