どんな日々を過ごすことになるのか・・・・・
それでは本編どうぞ!
冥界・・・・死後の世界ともいわれる悪魔と堕天使の住まう世界。部長の話では人間の世界と何もかも違うと言うわけではないのだが、何分人間だった時のイメージからどこかおどろおおどろしく感じてしまう。
ただ・・・・・正直予測していなかった。そんな冥界に向かい方法が・・・・列車だなんて。
「まさか列車で冥界に向かうことになるとは・・・・・」
窓から外を見ながらつぶやく。もっとも、地下を通っているので冥界に入るまでは見れるような景色などないのだが。
「てっきり魔法陣か何かで向かうのかと思っていました。前にライザー様も魔法陣を通って人間界に来ていましたし」
「確かにその方がメジャーですが、一誠くん達のような新眷属はこのルートで入国し、手続きをしなければ罰せられてしまいますの」
どうやら色々と細かい決まりがあるらしい。正直面倒だとは思うが、これも必要なルールだと思って割り切ろう。
「あの、部長さんはどちらに?」
この場にはグレモリー眷属全員とアザゼル先生が居るのだが、唯一部長だけが居ない。それを気にしたようで、アーシアが朱乃先輩に尋ねる。
「部長は前の一等車両ですわ。主と眷属で乗る車両が分かれると決まっていますのよ」
まあ、俺達眷属と部長は立場が違うのだから当然と言えば当然か。
「今ここでは部長の目が届かない。だから・・・・こうしても咎められることはありませんわ」
朱乃先輩は微笑みを浮かべながら、俺の膝の上に腰を下ろして寄りかかってきた。
「ふふふっ。一誠くんの身体、暖かいですわね」
「あ、あの朱乃さん。一誠さんにあまりそういうことは・・・・・」
「あら?眷属同士のスキンシップは大切ですわよアーシアちゃん。こうして親睦を深めれば意思の疎通がしやすくなりますし」
正直、意思疎通どころか一方通行な気がしないでもないのだが・・・・・あまり余計なことを言ってしまうと朱乃先輩の気分を害しかねない。俺の目から見てもかなり不安定な状態にある朱乃先輩をあまり刺激はしたくないのだが・・・・・・
「朱乃、少し目を離した隙にまたあなたは・・・・・」
どうしたものかと悩んでいる俺に、救いとなる部長が現れた。部長は朱乃先輩をにらみながら制してくれている。
「あら?主様が下僕の車両に何の御用かしら?もしかして一人で寂しかったのですか?」
部長の牽制に対して、朱乃先輩は微笑みを崩さない。邪魔をされてもどこか余裕が伺えた。
「馬鹿言わないでちょうだい。約一名の動向が心配になって見に来たのよ。そしたら案の定だったわ」
「ふふっ、期待に添えたようで何よりだわ」
「期待なんてしてないわよ・・・・・まったく」
部長は朱乃先輩の手を引いて、俺の向かいの席に座る。ひとまず、部長のおかげで朱乃先輩からは解放された。
「おやおや、眷属と仲がよろしいようで何よりでございますリアスお嬢様。ですが、そろそろ新眷属の方の手続きをしてよろしいですかな」
「そうだったわね。ごめんなさい」
部長は近くにいた老人に謝罪する。恰好や言動からして、この列車の車掌のように思われた。
「新眷属の皆さんははじめまして。この列車の車掌のレイナルドと申します。それでは新しく眷属になられた方の確認と照合をさせていただきます」
「えっと・・・・・どうすれば?」
「あなた方の情報は転生したときに与えた駒に登録されておりますので、それを照合して確認を取るのですよ」
「全員の確認が取れましたので、これで入国の手続きも完了となります。あとは堕天使の総督様なのですが・・・・」
「よくもまあ、仇敵の領域で堂々と寝ていられるものね」
部長は頬杖を突きながら呑気に眠っているアザゼル先生を見て呆れていた。けどまあ、こんなだが万が一襲われたとしてもすぐに対処できるのだろうこのひとは。
「アザゼル先生、車掌が確認した居そうなので起きてください」
「んが?なんだよ、気持ちよく寝てたってのによ・・・・・」
とりあえず声をかけると、アザゼル先生は寝起き故に不機嫌そうにしながらも目を覚ましてレイナルドさんにパスを渡した。
「確認いたしました。さて皆さま。そろそろ次元の壁を通過し、冥界に入ります」
「もうそんな時間ね。窓の外をご覧なさい」
部長に言われ、外を見てみる。そこには先ほどまでとは違い、広大な土地の景色が映し出されていた。
「今の日本では到底見られそうにない景色ですね・・・・・そういえば冥界って海はないんでしたっけ」
「ええ、大きな湖はあるけれど海はないわね。だから初めて人間界で海を見たときは私も驚いたわ」
海のない陸続きの世界・・・・・大半が海の人間の世界よりも、広く感じられるかもしれないな。
「ところで部長。少し遠くに見えるあの巨大なお城は・・・・」
「ああ、あれが私の実家よ」
・・・・・・どうやらグレモリーは、俺が思っている以上に立派な貴族様のようだ。
「「「おかえりなさいませリアスお嬢様」」」
部長の実家である城に訪れた俺達がまず目にしたのは、ずらりと並んだ使用人達であった。何十人いるんだこれ・・・・
「・・・・・さすがにこの数は圧倒されるな」
「まあ、グレモリー家は日本の本州に匹敵するほどの領土を有する領主だからね。これぐらいの使用人は居て当然と言えるね」
木場は慣れたものなのか、特に圧倒されることもなく説明してくれた。
「もちろん一誠達にもグレモリー眷属として土地を与えるわ」
「土地を・・・・・ですか」
悪魔であり、グレモリー眷属といえども俺は高校生だ。いきなり土地を貰えると言われても正直困惑する。
・・・・・けどまあ、どこか手ごろな荒地は貰っておこうかな。修行で色々壊しても問題なさそうなところを。
「リアスお姉様!」
俺がどの土地を貰おうかと思案していると、部長の名に『お姉様』とつけて呼称する少年が近づいてきた。その髪は部長のものに近い紅だ。また、近くにはグレイフィアさんも控えていた。
「ただいまミリキャス。また大きくなったわね」
ミリキャスと呼ばれた少年と部長はスキンシップを取る。髪の色からして部長の親類か何かと言ったところだろうか。
「ミリキャス、私の新しい眷属達に自己紹介してくれないかしら?」
「はい。ミリキャス・グレモリーです。よろしくお願いします」
「ミリキャスはお兄様の子供で私の甥よ」
「えっ!?」
部長の親類だろうなとは思ったが、まさかサーゼクス様の息子とは・・・・・さすがに驚いたな。
って、そんなことより挨拶挨拶・・・・・
「初めましてミリキャス様。私は兵藤一誠。リアス様の
「ビ、
「
俺、アーシア、ゼノヴィアの新眷属3人でミリキャス様に自己紹介をする。ゼノヴィアはあまり畏まってる様に見えないが、まあそれは本人の性格的なところもあるだろうから気にしないでおこう。
それにしてもサーゼクス様の子供・・・・・母親は多分グレイフィアさんだろう。魔王とその
(随分と楽しそうじゃないか相棒?)
(ドライグ?楽しそうって・・・・・お前にはそう見えるか?)
(ああ。お前は戦いに楽しさを見出すタイプだからな。今は違うとはいえ、将来的に圧倒的な強者となる可能性を秘めた存在を目の当たりにし喜んでいる・・・・・といったところか?)
おそらくドライグの言う通りなのだろう。ヴァーリとの戦いで自分の戦いに対する欲望を知った今の俺は、強者の存在に歓喜するようになった。
圧倒的な強者との戦いは、どんな娯楽よりも俺を楽しませてくれる。まあ、コカビエルの時のように心が憎しみに染まっていなければの話だが。
ともかく、俺にとって強いものが居るという事実はこの上なく嬉しいものであった・・・・・この冥界でミリキャス様のほかに俺を歓喜させてくれる強者はいったいどれだけいるだろうか?
そんな奴らと会えるなら・・・・・・・冥界に訪れたかいがあるというものだろう。
ミリキャスくんは将来超越者に数えられることになりますしね・・・・・一誠さんからしたらそれほどの強者の存在は嬉しいのでしょう
本当に彼はヴァーリさんに引けを取らない戦闘狂だなぁ・・・・・
それでは次回もまたお楽しみに!