『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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今回は若手悪魔の会合の話になります

一話じゃ収まりきらなかったので次回も続きますが・・・・・

それでは本編どうぞ


第73話

 

旧王都ルシファード。今日はここで行われる若手悪魔の顔合わせが行われ、それに参加する部長に俺達もグレモリー眷属として同行していた。

 

「いい皆?これから何が起きても平常心でいるのよ。この先に居るのは将来の私達のライバル。無様な姿は見せられないわ」

 

控室に向けて歩を進めながら部長は俺達に促してくる。確かに、この場で部長の顔に泥を塗るようなことはあってはならない。一眷属として恥ずかしくない振る舞いをしなければな。

 

「おお、来たかリアス。久しぶりだな」

 

まもなく控室に到着するというところで、部長に声をかけるものが現れた。

 

「あら、サイラオーグ。変わりないようで何よりだわ」

 

「そちらこそな」

 

サイラオーグと呼ばれる男と部長は挨拶を交わす。部長の態度からして、おそらく部長と同期の若手悪魔といったところだろう。

 

「彼はサイラオーグ・バアル。私の同期で、私の母方の従兄弟でもあるわ」

 

どうやら彼は部長の従兄弟であるらしい。ヴェネラナ様がバアル家の出身であることは先日聞かされていたので、そこまでの驚きはなかった。

 

「ん?お前・・・・・兵藤一誠か?」

 

俺の方へと視線を向けたサイラオーグさんが声をかけてくる。

 

「ええ、そうですが・・・・・バアル様は俺のことをご存じで?」

 

「サイラオーグでいい。バアルと呼ばれるのは慣れていなくてな。それとお前のことに関しては良く耳にしている。今代の赤龍帝にしてあの堕天使コカビエルと打倒したお前は冥界でも有名だからな」

 

「・・・・・そうですか」

 

どうやら俺の名は、俺が思っている以上に広まってしまっているらしい。正直不本意もいいところだが、俺の名が広まることは俺の主である部長の評判にもつながるので心境としては複雑だ。

 

「今日はお前に会うことも楽しみにしていた。一体どれほどの強者なのかと期待していたが・・・・」

 

「期待外れだったでしょうか?」

 

「いいや、その逆だ。一目見ただけでも相当に鍛えていることがわかる。そこに至るには血反吐を吐くほどの修行を重ねたのだろう。お前は俺の期待以上の強者だ」

 

嬉しそうに微笑みを浮かべるサイラオーグ様。なぜそんなふうに微笑みを浮かべるのか・・・・・俺にはその気持ちが理解できた。このひとはきっと、気質としては俺やヴァーリに近いところにいるのだろう。

 

「兵藤一誠。お前とはいつか拳を交えたいと思う。その時は全力で相手をしてくれるか?」

 

「ええ。俺でよければぜひとも」

 

突き出しされたサイラオーグさんの拳に、俺もまた拳を突き合わせた。俺よりも大きな拳は、貴族の手とは思えないほどに硬く、ごつごつしている。サイラオーグ様は一目見て俺がどれだけ鍛えているのか見抜いていたが、それは俺も同じだ・・・・サイラオーグ様は相当に、もしかしたら俺以上に鍛えているのかもしれない。

 

間違いなくサイラオーグ様は部長やライザーとは違い、己の肉体で戦うファイターだ。上級悪魔のイメージにはそぐわないが、それでも相当な力を有しているというのはわかる。臨戦態勢に入っていないのに・・・・・・感じる闘気はあるいはコカビエル以上かもしれない。

 

戦ってみたい。このひとと・・・・・サイラオーグ様と。ここまで純粋に戦いを楽しみたいと思う相手は、あるいはサイラオーグ様が初めてかもしれない。このひとは、そう思わせるに足るほどの強者なのだ。

 

「ところでサイラオーグ、控室はすぐそこなのにこんなところでなにをしているの?」

 

俺が闘争心を胸に抱いているところで、部長がサイラオーグ様に尋ねた。

 

「なに、くだらんから抜け出してきただけだ」

 

「くだらない?一体何が・・・・・」

 

何があったのかと、部長がサイラオーグ様に尋ねようとしたその瞬間、控室の扉が吹き飛び、部長の言葉を遮ってしまった。

 

「な、なに?」

 

「着いた早々に、ゼファードルがシークヴァイラに絡んでな」

 

「ゼファードル・・・・・あの問題児ね」

 

「ああ。だからデビュー前の会合など不要だと進言したんだがな」

 

話を聞く限りでは、ゼファードルという者が厄介を起こしているらしい。

 

ひとまず、壊された扉から部屋い入る俺達。真っ先に目に飛び込んできたのは言い争いをする二人の男女であった。

 

「死にたいのゼファードル?今ここで殺しても上に咎められないかしら?」

 

「あ?そんなこと言ってるからいまだに男が寄り付かねえんだろ?何なら俺が開通式してやろうかくそアマ!」

 

「・・・・・・あの、部長。とても口が悪い男が居るんですがあれがゼファードル・・・・・様でよろしいのでしょうか?」

 

「ええ。そうよ」

 

どうやらあの思わず様付けを忘れそうになるほど下品な男がゼファードルのようだ。まあ、女性・・・・・おそらくシークヴァイラ様だな。そっちも物騒なことを言ってるのだが、それでも俺としてはゼファードルよりはマシだ。

 

「血の気の多い連中を集めるのだからこういうことも起こる。つまらん諍いには関わり合いになりたくはなかったが・・・・・・仕方ないな」

 

ため息を吐きながら、二人に近づいていくサイラオーグ様。どうやら仲裁に入るようだ。

 

「一誠、よく見ておきなさい。サイラオーグは・・・・・」

 

「若手の中では最強・・・・・ですよね?」

 

「・・・・・そうよ。まあ、あなたならそれぐらいのことはわかって当然よね」

 

部長に言われるまでもなかった。サイラオーグ様以上の悪魔が若手の中に居るとしたら驚くどころの話ではないからな。

 

「そこまでにしろシークヴァイラ、ゼファードル。これ以上続けるというなら強制的に黙ってもらうぞ?」

 

「サ、サイラオーグ・・・・・」

 

「あ?バアル家のできそこないが舐めた口きいてんじゃねぇ!」

 

サイラオーグ様の介入でシークヴァイラ様はたじろぐが、ゼファードルの方はサイラオーグ様まで挑発してしまった。正直愚かだと思う。サイラオーグ様はちゃんと忠告したというのに・・・・・

 

「・・・・・忠告はした。悪く思うな」

 

「アガッ!?」

 

ゼファードルの顔面に拳を振るうサイラオーグ様。その威力にゼファードルの身体は吹き飛び、奥の壁に激突していた。おそらく、あれでも相当加減はしていただろう。

 

「これはまた・・・・派手にやったようね」

 

「あら、ソーナ」

 

ひとまず厄介ごとが収束したのと同時に、ソーナ様が現れた。ことの一部始終は見ていたらしく、若干呆れている。

 

「よう兵藤。初めての社交場はどうだ?」

 

「匙か・・・・・正直、とても一般的な社交場ではお目にかかれないような光景を目の当たりにして面を喰らってるよ」

 

「ま、まあ確かにさっきのはな・・・・・けどまあ、特別に俺がお前に今日集まった若手悪魔達のことを説明してやるよ」

 

説明してくれるのはいいのだが、なんでこいつはこんなに偉そうなのだろうか・・・・・まあ、気にはなっていたので一応聞くが。

 

「リアス先輩とうちの会長を除いて、今日集まった若手悪魔は6人。大王バアル家のサイラオーグ様、大公アガレス家のシークヴァイラ様、現ベルゼブブ様を輩出したディオドラ様、そして現アスモデウス様を輩出したゼファードル・・・・・・様だ」

 

こいつ一瞬ゼファードルに様を付けるの忘れかけてたな。まあ気持ちはわかるが。

 

「大王に大公、そして現四大魔王を輩出した6家・・・・・まだ悪魔になって日が浅い俺でも、この世代は圧倒されるな」

 

「圧倒される?そんなこと言うなよ兵藤。お前だってリアス様の自慢の眷属なんだぞ?一部では若手悪魔の眷属の中では最強だって言われてるんだからな」

 

「だからなんで俺の預かり知らないところで名前が広がるんだよ・・・・・・」

 

確かに最強と言われるのは悪い気はしないけども・・・・・それでも頭が痛くなる。

 

「ほんと、お前が羨ましいよ・・・・・俺も会長の自慢の眷属になってみたいさ」

 

「そう思うなら、結果を残さないとな。こう言っちゃなんだが、結果が伴ってなければ自慢なんてできるわけないしな」

 

「わかってる!だから俺は、この冥界にいる間に一つでも何か結果を残してやるって決めてるんだ!」

 

どうやら相当意気込んでいるらしい。その意気込みが空回りしなければいいが・・・・

 

「まあ、応援ぐらいはいくらでもするさ。頑張れよ匙」

 

「おう!」

 

少し上からものを言いすぎな気もするが・・・・これぐらいでいいだろう。俺は一応、匙にとって目標なわけだしな。

 

匙がどれだけ結果を残せるか・・・・・お手並み拝見だ。

 

 

 

 




案の定、サイラオーグさんとの邂逅により歓喜する一誠さん

サイラオーグさんも一誠さんも強くなるために鍛えているので通じるところはあるのでしょう。ただ実際は・・・・・

それでは次回もまたお楽しみに!
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