『兵藤一誠』の物語   作:shin-Ex-

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今回はゲーム前のミーティングです。かなり短いですが………

それでは本編どうぞ


第83話

美猴、黒歌、そして聖王剣コールブランドの使い手との接触から二日後。今日は明日に控えたレーティング・ゲームの為のミーティングが行われた。パーティでは不測の事態が起きはしたが、それでもゲームは予定通り行われるようだ。

 

「さて、いよいよ明日はゲーム本番だ。お前達、心構えはできてるだろうな?」

 

アザゼル先生の言葉に、皆頷いて答える。先日までの修行で皆力をつけている。多少のハプニングは会っても準備は万端だった。

 

「リアス、シトリーはグレモリー眷属の情報をほとんど知っていると見ていいんだよな?」

 

「ええ。ライザーとのゲームの記録で能力に関してはほとんど把握されているでしょうね。ソーナの性格からして、対抗策はいくつも練られていると思うわ」

 

「逆にお前は向こうの陣営についてはどれだけ知っている?」

 

「編成は『(キング)』『女王(クイーン)』『戦車(ルーク)』『騎士(ナイト)』それと『僧侶(ビショップ)』と『兵士(ポーン)』が二人ずつの計八人。数はこちらと同じだけれど、一部能力が不明な者も居るわ」

 

どうやら人数は同じようだが、情報アドバンテージでは向こうに利があるようだ。実際俺も匙以外の能力は部長に教えられたこと以上のことは何も知らないしな。

 

「情報においてはこっちが不利か………まあ、そこは仕方がないだろう。とりあえず戦力の分析をしていくぞ。俺はプレイヤーを『パワー』『テクニック』『ウィザード』『サポート』の4つに分類している。グレモリー眷属で言えば魔力で戦うことに秀でているリアス、朱乃がウィザードタイプだ。リアスはパワー、朱乃はテクニックに寄っているから、まったく同じタイプというわけでもないがな」

 

アザゼル先生がボードに図を書きながらグレモリー眷属の戦力分析を始める。

 

「戦車である小猫はパワータイプ。ただ素質的にはウィザードの適性もある。ゼノヴィアはスピードに秀でたパワータイプで、木場はスピードと技で翻弄するテクニックタイプ。タイプの違う騎士が二人いるのはバランスとしてはちょうどいいな。僧侶であるアーシアとギャスパーはサポートタイプだが、アーシアはウィザード寄りでギャスパーはテクニックタイプに近い」

 

一人一人の特徴を大まかに捉え、大まかに位置づけしていくアザゼル先生。分析に迷いが無いのは、このひとの優秀さの表れなのだろう。

 

「そして一誠だが………基本的にはパワータイプだ。だが、状況によってはテクニックやウィザードの戦い方もできる。サポート以外ならこなそうと思えばこなせる万能タイプだな。まあ、譲渡の力も使えればサポートもできるんだろうが………ともかく、こういうタイプは相性による不利が少ないのが強みだ」

 

万能タイプか………アザゼル先生に評価されているのは嬉しいが、個人的には力任せな戦い方の方がやりやすいからパワータイプとして見て欲しいんだよな。まあ、状況によってスタイルを変えなきゃならないんだろうけど。

 

「リアス、シトリー眷属のタイプはわかるか?」

 

「そうね………テクニックとウィザードが多い傾向にあるわ」

 

「となると相性が悪いな。うちの主力はパワーに寄っている。パワータイプはテクニックタイプ………特にカウンター系能力と相性が悪い。自分の力をそのまま利用されちまうからな。うちで言うと、木場のようなタイプだ」

 

確かに、木場はカウンターが上手い。何度か模擬戦しているが、カウンターを喰らいそうになったことは何度もあるしな。

 

………というか、うちで純粋なテクニックタイプって木場だけなんだな。その分木場の負担が増えそうだが………まあ、俺も可能な限りフォローはしていこう。

 

「パワータイプである小猫とゼノヴィア………あと、一誠も警戒しておけ。特に一誠は必ず何らかの対策が取られていると思っておいた方が良いだろう。最悪の場合、向こうは大多数の戦力を投じてもお前を倒しに来る可能性もある」

 

「数が同じなのに、大多数を投入することはないと思うのですが………」

 

「あくまでも可能性の話だ。正直言って、お前は今回のゲームの中では実力が突出している。その分警戒されるのは当然のことだし、グレモリー眷属としても突出しているからこそ一誠だけを主軸にした作戦を建てるわけにはいかない」

 

「そうね。私としても一誠の負担を大きくするような作戦は反対だわ。誰を主軸にしても動けるような作戦を立てていくのがベストなのだけれど………」

 

「ただ、作戦の数も増やし過ぎるのは禁物だ。作戦を増やせば一つ一つの練度落ちる可能性もあるしな。もっとも、作戦を複雑にし過ぎても綻びが生じやすくなるわけだが………その辺りは経験を積んでいかないとバランスは掴みにくいだろうな。それに関しては王であるリアスの今後の課題でもある」

 

確かに、作戦っていうのはバランスが難しい。シンプルにしてしまえば容易に対処されることもあるし、複雑にしても綻びが生じやすい。それを頭に入れたうえで作戦立案するのが王の役割の一つなんだろうが………部長に任せきりにするわけにもいかないし、俺達眷属も考えていかなければな。

 

「今回のゲーム。お前達の勝率は90%を超えると言われている。実際、俺も順当にいけばお前達が勝つだろうと踏んでいるが、それでも絶対に勝てるとは思っていない。いいか、絶対に勝てると思うな。ただし、絶対に勝ちたいとは思え。俺がこの合宿でお前達に伝える最後のアドバイスだ」

 

絶対に勝てると思うな、か。アザゼル先生の言っていることはもっともだろう。絶対に勝てると思って戦ってしまえば、それは隙となる。勝ちたいと思うのなら、それは排除するべきだろう。そして、それを一番に意識しなければならないのは………俺なのだろう。

 

アザゼル先生が言っていたように、正直俺はこの中で自分が一番強いと思っている。だが、その考えが隙となってしまえば俺は最弱にもなりえるだろう。

 

誰よりも強くありたいと思う。だからこそ油断も隙も見せてはならないし、自分の力を過信してもいけない。それを忘れてしまえば俺は………部長への忠義を貫けないのだから。

 

 

 

 




原作に比べ、魔力が豊富で独特ではありますが技術も備わっているため一誠さんは万能型と位置付けました。それでもパワー特化ではありますが

それでは次回もまたお楽しみに!
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