やっと主人公出てきますが、一言も喋りません。
森の中へは、ジープでは行けないのでジープは竜の姿に戻り四人と一匹で森を散策していた。
かさりと、近くの茂みが小さく揺れた。兎か何かだろうかと思い四人は視線だけをそちらに向けて確認した。
「さんぞーいっこー、みーーっけ!!」
その招待は紅孩児の異母妹、季厘であった。
「…さてと、川探すか。」
そんな彼女を無視して歩き出す。
「無視すんなーっっ!」
お怒りのご様子である。
「おい、お前が相手してやれよ、サイズ同じだし。」
「えー?そこはやっぱ三蔵だろ?」
「……なんでオレが。」
「気に入られてるじゃん。」
「……。」
「三蔵、前の街の食べ物は…。ほら、肉まんとか。」
「残ってない。」
「ですよね……。」
完全に季厘のことを無視して話しはじめる四人。
「ふんっだ!今日はその手には引っ掛からないぞ!美味しいご飯、お腹いっぱい食べてきたからな!オイラのとこの料理長(コック)のご飯はそんな肉まんなんかより百倍美味しいもんね!!」
「そんなに!?」
話に食いつく悟空を三蔵はハリセンで叩いた。
「あだっ!?」
「何反応してんだ、バカ猿。」
「って訳で、覚悟しろ、さんぞーいっこー!!」
彼女は低く身を屈ませると、悟空に突進していった。
左足で悟空の軸足を蹴り、左腕の肘で鳩尾を殴ろうとして………滑った。
「へ?」
彼女には何もかもがスローモーションのように見えた。
茂みの中へと体が倒れていき……大きな音がして四人の視界から消え去った。
「え、今何が起こった訳?」
「つーか、やられてんじゃねえよ猿。」
「足蹴られた俺じゃなくてアッチが滑るって…。」
ガサゴソと八戒が茂みをかき分けるとそこには川が流れていた。
「皆さん、川ありましたよ!」
「ホントだ。」
「え、なに?じゃあアイツこの川流れてったの?」
「あー…あそこの岩に掴まってるの季厘じゃん?」
「三蔵、助けますか?」
「知るか、放っておけ。」
「まぁ一応敵だしな…。」
「でもさ、この川すっげー深くね?」
「おい、アイツいなくなってねーか?」
「え。」
悟空は彼女が流されたのかと思い季厘がいた場所よりも遠くを見ようとした。
が、後ろに降り立つ何者かの気配を感じ、一斉に後ろを振り返り、戦闘態勢になった。
季厘を横抱きにしている少女の姿がそこにはあった。彼女はゆっくりと季厘を地面におろした。
「ん、雪お姉ちゃん…?」
季厘が目を開けるのを確認すると仄かに彼女は微笑む。
太陽の光を受けて彼女の銀色の髪がきらめきを返していた。綺麗だ…と悟空は思う。チラリと四人のことを一瞥した瞳は綺麗な碧で引き込まれそうである。左肩にある紋様と尖った耳が彼女が妖怪であると示していた。
やっと主人公出せました…。次回は話します。