軽音楽部員の鞄は重い。   作:霧島椎名

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はじめまして。


入部

何故私は視聴覚室などに居るのであろう。

 

私は部活などする気はまったく無かった。適当に勉強をして、バイトを沢山やって夏休みに箱根あたりを旅行する計画を建てていたはずだ。

なのにこの友人は楽器経験が全くない私を軽音部なぞに入れやがった。何故私の姓が掘られている判子を持っているのだこいつは。

 

「まあいいじゃん、お前には花形であるギターをやらしてやるからさ」

 

こいつは私が求めていない言葉をペラペラと喋り始めた。そもそも私は人前に立つのが嫌いなのだ。そんな私が人前で演奏なんぞ出来るわけがない。そう私が嫌な顔をしながら言うと友人は

 

「そもそもお前は人前に立つのを怖がりすぎなんだ。小学校中学校とお前と友達でいたが、お前が人前で何か発表をしたりするところを見たことがないぞ。体育祭でさえも目立ちたくないと言ってサボって休んだじゃないか、そんなのでは将来仕事に就けないぞ」

 

確かにこいつの言うことは確かだ、私もどこかでどうにかしようとは思っていた。願わくば無理やり背中を押してくれる。否、手を引っ張ってくれる奴を探していた。

 

「わかった、お前がそこまで言うなら入部してやる。だが完璧に演奏できるようになるまではライブなどは一切出ないぞ」

 

そう言うと友人は笑顔でありがとうと言ってくれた。

 

「じゃあ二人とも入部ってことでいいのね」

「はい、それでいいです」

 

目の前で私達二人の話し合いを黙って聞いて待ってくれていた先輩が聞いてきた。

 

「じゃあ自己紹介からするね、私はここの軽音部の部長をしている幸助だ。よろしく」

 

それから部長さんは活動内容を私達に説明してくれた。活動日は毎週金曜日の放課後の視聴覚室でバンド毎に一時間ずつ練習をしているようだ。と言っても他のバンドが今は三年生のバンド3人と二年生の1人しかいないようだ。他の曜日は各々自由にスタジオなどに行って練習をしているらしい。

 

「君たち二人は二番目の時間に練習するといい、機材の出し入れにまだ慣れていないだろうからね。では今日は解散だ、来週から頑張るんだよ」

 

そう言われて私達は帰路に着いた。

 

帰り道の途中で友人は

 

「お前まだ楽器持ってないんだろ?だったら日曜日楽器店廻りに行こうぜ」

 

と言ってきた。

確かに私はまだ入部しただけで楽器を持っていない。だがギターの相場がわからないので私は

 

「3万で足りるだろうか」

 

と聞いた。

そうすると友人は

 

「ぶっちゃけ5万は欲しいけど最初だし3万で大丈夫でしょ、足りなければ俺が貸す。誘ったのは俺だしな」

 

じゃあ俺こっちだからと言って友人は私と別れて行った。

 

 

日曜日がなんだかんだ楽しみである私であった。

 




次回ギターを買いに行くが
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