少し用事が入りますので、13番目の星座も含めまして『ジョジョの奇妙なライフスタイル』も投稿できないかと。
それと、夏休み以降は難しくなると思いますので夏休み中に頑張って何話か投稿できる限り投稿したいです。
『薙払市立
年々、付近で増加する『怪奇事件』によって入学する生徒が少なくなっているのだ。
それでも学校が閉鎖されることなく、運営されているのは充実した設備や優秀な人材を派遣したこと
が多いとされる。
校舎は七階建てと近隣の学校の校舎より高く、南館屋上にプール、一般的な他校にもあるプールは下駄箱の近くにもある。
その他の設備は北館三階にコンピュータ室があり、ノートパソコンが六十台ある。数年前、ノートパソコンへと全て買い換えた為であり、一クラス分全員が使用できるようになっている。
その他の設備は――――――・・・』
―――――――区取府学園生徒会監修・出版『薙払市立区取府学園入学案内』より抜粋。
★
今日、自己紹介のときから思ってたんだが・・・白戸虎之介の中に『ナニカ』がいるのを感じる。
奴の中に。
俺と
それは俺がアイツに感じた一種の嫌悪感のような、そんなものと似ている。
俺の持つ
起源はきっと、
全く、
能力を持たない野郎共にはわからんだろうが、もう少し気をつけたらどうなんだ。
『オジフミ』なんてフザけた名前で呼ばれている奴だ、その辺の気配りが出来ないんだろうな。
だから十六夜先輩にフラれるんだ、馬鹿め。
キサマのような奴には永遠に俺たちの位置には来れないだろう。ノロマでクズで騒がしい奴には。
さぁ、この異様な雰囲気に対する調査を十六夜先輩から頼まれているし、ちゃっちゃと終わらせておくか。
この時間だと・・・だいたい、校門の前くらいか。
・・・なんだ、まだ居るのか。
体育教師の三村がアイツに目をつけていたから・・・失敗したら、三村に任せよう。
十六夜先輩は「どんな手を使っても構わないから能力を見てきなさい」と言っていた。
あの先輩の言葉は常に裏がある。
この場合、『能力が分かって
いつもはミスを犯してしまいがちだが、今回ばかりは成功させなくてはな。
早く向かわなければ、校門に。
「じゃあさ、また後で連絡するわ!また後でな、ヒヤヤッコ!セリーちゃん!」
「セリーじゃないぞ!おじーさん!」
連絡先を交換していたのか、百戸と御時。
それに芦沢の奴、ちょこまかと百戸に付きまとっているんだな。また風紀委員会に手助けをしてもらうとしよう、あいつからは嫌な予感がする・・・・。
「おい、転校生。ちょっと、いいか?」
「お、お前!?白猫ちゃんに簡単に触れるな!」
なんだ?この芦沢って奴は。
軽く気がつかせるために百戸の肩に触れただけで、そこまで過剰反応をするのか?
こいつら、彼氏彼女、ってことでも無さそうだし、百戸の表情からして。
仲の良い先輩後輩以上恋人未満、ってところか。
それにしても、どうして同じところに一緒に転校してくるのかが理解できない。
「少しだけだ。てか、なんなんだ?白猫ってのは。」
「お前には関係ないことだろう。手短に済ませろ」
「分かった、少しだけだ、生徒会室に来てもらおう。」
俺が
調子乗りやがって、この野郎が!
★
「・・・生徒会室ってのはどこなんだ?」
そして、時は今に戻る。
先ほどから、そんなに時間は経っていないはずなのだが、何十分も経っている様だ。
寝る前に区取府学園の特徴についてネットで美春に調べてもらい、コピーしてもらったものを休み時間に御時に色々突っ込まれながら、芹那と共に校内を案内してもらったが生徒会室については聞いていなかった。
こんなことになるのなら聞いておけばよかったか?と虎之介が考えていると、プレートに『生徒会室』と書いて吊り下げられた教室を発見した。
フロアは恐らく、職員室と同じはず。
未だにすべて覚えきっているわけじゃないが、やはり御時には感謝せねばならない。
「・・・着いたぞ。」
黒髪銀目の生徒が生徒会室の鍵を開ける。
きっと、虎之介に声をかける前に既に職員室から借りてきたんだろう。
入る際に区取府学園の校章が付いた名札をつけていたので、虎之介にはその名前を知ることが出来た。
それが黒髪銀目の生徒の名前のようだ。
「ほら、早く入れ、転校生。」
桜崎に促され、虎之介は生徒会室に入った。
通常の生徒会室(虎之介は入ったことがなかったが、芹那が生徒会役員だったので前の学校で迎えに行った時にちょうど見たことがある)のようにテーブルを繋げて、それぞれにパイプ椅子が置いてある。
『区取府学園生徒会会長』と書かれた台座とそれが貼ってあるネームプレート。
入ってすぐ目に入る中央席にあることから、そこが生徒会長の席のようだ。
桜崎が生徒会室に入ってからすぐに名札をつけているところを見ると、彼は生徒会役員なんだろうか?
校則では『委員・役員は活動を行なう教室において名札の着用が義務付けられる』そうだから、生徒会役員でなくとも委員であることは予想できる。
後ろ手で扉を閉め、内側から鍵をかけながら桜崎は虎之介の方へと向き直る。
「さて、改めて自己紹介をしよう。俺の名は・・・」
「・・・
「よく知っているんだな?」
「当たり前だ。お前ごとき、すぐに覚えれよう」
虎之介は野獣を思わせる鋭い輝きに満ちた黄金色の目で桜崎の姿を捉える。
桜崎は表面上には出さなかったものの、その対照的な銀色の目の奥に若干の焦りの色を滲ませていた。
手ぶらで素足で何の武器も与えられず、狭いコロッセオに餓えている猛獣の前に投げ出された。
――――クッ・・・、何処までも邪悪な気配のするやつだ・・・!
だが、ここで桜崎も引き下がってはいられない。
このままノコノコ図書委員会に戻ってしまったら、区取学園内で成り上がる桜崎自身の野望が潰えてしまう。
せっかく手に入れた力が
だめだ、それだけは避けなくてはならない。
この学園では委員会や生徒会が絶対的な力を持ち、それは職員室ですらも権限を認めている。
学校側にとって有害、と定められたならば生徒や職員ですらも見境なく“清掃”される。
市立区取学園は一種の独裁国家として、地域に、地方に、国に認められているのだ。
学校が排出したOBが特殊な力を持っているのにつられてしまって。
よって、委員会に所属している桜崎が転入生の白戸虎之介を生徒会室で能力で殺しても、それは校内による事故として処分され、マスコミの侵入を許さない学校の方針によって真実は闇の中に葬られる、という算段だ。
「生意気な目をしていられるのも、今のうちだぜ?百戸。お前のことを調査するように委員長に頼まれていてな、殺す事だって許可されている。」
桜崎の右腕に収束していく、エネルギーの塊。
それらが収束したあとには桜崎の制服の右腕箇所の袖が弾け飛び、異形の怪物を思わせる赤黒い腕へと変化した。
まるで、これは漫画のようだ。
「委員長の話によると、お前からヘンなモノを感じ取ったそうだ。だから、このままにしておくわけにはいかねえ。俺の能力、『
漫画の主人公や漫画を意識しているかのような、桜崎の台詞や向上や理由。
それのどちらもが虎之介には薄っぺらく思えて、自らの力の名を呼ぶ。
「・・・
力の名を呼べば、自らの影からゆらりゆらりと“影の手”が二本出現する。
単純計算で攻撃手段は二つ。
対する桜崎は右腕一本。
これはどちらが有利か明白だ。
「それが、お前の能力か・・・。行くぜ!『
轟!と音がして桜崎の赤黒い右腕に獅子座を現す記号文字が緑色で描かれて現れる。
生徒会室と言うのにだだっ広く、教室の端から端までの幅が広い空間では、あんまり心配は無さそうだが、右腕と聞くと嫌な予感がしないでもない虎之介だった。
「唸れ!穿て!叫べ!轟け!『
地面を蹴ってこちらに直進する桜崎の攻撃を難なく避けたのなら、そのまま掃除箱に突っ込んでいくかと思われた桜崎が方向転換をして右腕を前に突き出して口上を述べる。
「・・・姿を変える、ってか?」
“影の手”を操作しながら何本も何本にも伸ばして桜崎を捉えようとするが、獅子の名の通り、ネコはやはりすばしっこい。
四つん這いへと体勢を変えて“影の手”の猛攻をくぐり抜け、むしろ“影の手”の上を渡ってくる。
何本にも何十本にも何百本にも増やしても、階段のように登っていったり、降りて行ったりと桜崎には効果がないようだった。
「しゃあっ!溜まって来やがった!」
時間を経るごとにスピード・パワーが上昇してゆき、正確にこちらを狙うようになった桜崎。
心なしか、その右腕に書かれた緑色の獅子座の記号文字が紅く染まりあがっている。
「Burn!Blust!Burst!BurningLion!『
「!?」
桜崎が、いや桜崎でない何者かがネイティブの発音をしたことが驚きだったわけでなく、その姿が二百センチはありそうな赤く鬣が燃えているライオン人間、ワーライオンへと変化したからだ。
あの一撃の威力が高そうな右腕での攻撃をせず、ただひたすらに“影の手”の猛攻を凌ぎきったのは力をチャージする為だったようだ。
これじゃあ、どっちが悪いのかわかりやしねえ、と虎之介は“影の手”を収束させて黒いドーム状のバリアーを作り出す。
「オラオラァッ!そんな貧相な防壁でオレの攻撃が防げるとおもっているってえのかい!?」
燃え盛る赤い鬣をした巨大なワーライオンは虎之介が作り出した、黒い防壁を両前脚のネコパンチを叩き込むことにより、中にいる虎之介もろとも壊してしまおう、と考えた。
策略や計画、それすらを必要としない圧倒的な力。
生徒会室の中が散乱しようと、それを厭わないワイルドと言えそうな力。
メタ目線、この戦いを少年漫画のように例えるなら、
しかし、ゆっくりしてはいられない。
このままではコイツに、コイツのこのパワーとスピードなら、この黒いドームの防壁ごと破壊されてしまう。
それじゃあ、駄目なんだ。
それじゃあ、いけないんだ。
せっかく出来た新しい友人や新しい環境。
そんなところで学園異能バトルなんてものを体験してしまって、しかも最初の刺客は少年漫画の主人公的能力、無限大のスピードとパワーを兼ね備えたデザインもカッコいい能力持ち。
かたや自分の能力はまるで少年漫画の刺客のようだ。
「俺は・・・!」
「ああん?どうしたってんだァ?大したことがない能力持ちの癖によ。テメェ、影を使うなんざ、まるで少年漫画の刺客じゃねえか。」
一度、ラッシュをやめて腕組みをするワーライオン。
黒いドームの中から聞こえてきたのは生意気な態度の転校生。
先ほどまでの傲岸不遜な態度が嘘のようで、まるで地面に這いつくばって此方を見上げているかのような感覚を錯覚する。
早くぶっ壊してコイツの死体をバラバラにしてやろう、と思えば、その虫けらの声が聞こえたではないか。
「んなこたぁよ・・・。理解してんだよ、桜崎!『竜王』って漢字表記なのにライオンってわからねえなぁ、そのギャグセンスはよォ!」
「オレの名を気安く呼ぶな!」
“影の手”で構成したドームを崩し、元の二本の“影の手”へと変化させる。
突然起きた事態にワーライオンが構えなおし、ラッシュの雨を虎之介に降り注がせようとする中、っその太く長い腕を絡め取る。
「な・・・なんだ!?この腕は!?」
ワーライオンは絡みついたそれを振りほどこともがくが、もがけばもがくほどに“影の手”は絡みついてワーライオンを離さない。
拘束していなかった頭の部分。
そこを勢いをつけて鋭い牙をギラリ、と光らせて虎之介に噛み付こうとする。
先ほどの勢いと違い、何もしようとしない虎之介の頭を噛み付いた感覚が口内に残り、両腕を拘束されながらも二ヤリ、としてやったり顔。
「先ほどまでの威勢はどうした?百戸?」
二ヤリ、と牙を見せながら笑うワーライオン。
口の中にナニカが入っているのに話せるのは器用さが為せる技か。
「イカ墨スパゲッテイ食った同級生の、いやクラスメイトへの感想ってか?」
「!」
反応がなければ、そのまま十六夜へと報告しようと考えていた。
報告した後は十六夜とデートへ行ける。
それだけが今日の楽しみだったのに、それが
オレを舐めたんだ、ただではおかないぞ、と言おうとしたが、ワーライオンの声から漏れてきたのは唸り声だけ。
「お前の口の中に大量の“影の手”で覆ってやった。あとはお前の『
「グアッ、アアッ!ガアアッ!(や、やめろ!それを壊されたら、暫く変身できなくなる!)」
適当に“影の手”でワーライオンの口内を弄ってやると、ワーライオンの声から漏れたうめき声。
他の犬歯と違って丸い犬歯を引き抜こうとしていた虎之介だが、どうもそれのようだ。
「んじゃな、桜崎。芹那と御時を待たすわけにはいかねえからさ」
「ガアアアアッ!?(や、やめろおおお!)」
「無理。」
必死に懇願するワーライオン。
それを手をヒラヒラさせながら表情一つ変えることなく、無色を思わせる顔で“影の手”を操って“スイッチ”を引き抜く。
引き抜いたのと同時、両腕の拘束を解除して影を収束させ、“スイッチ”を粉々に砕いて大きな“影の手”を作り出す。
勢い良く相手を吹っ飛ばしたのなら、
このフロアの階数は四階。
つまり、ここから叩き落せば暫くは再起不能に陥る、と推測した(?)虎之介は床にヒビが入って下の階層を貫いて、更に床のタイルを砕いてゆく勢いのあるワーライオンが降下する様を見届ける。
「おい!どこで騒いでいる!?」
と、体育教師の声が聞こえたので虎之介はさっさと“影”の中へともぐりこみ、影と影を使う最短のルートを使って下駄箱のほうに出てきた。
周囲に誰もいないことを確認すれば、カバンを持って“影”から這い上がる。
芹那と私服でいることから、もう戻ってきたらしい御時壮史が会話(といっても芹那は露骨に嫌そうだ)しているのを見れば、先ほどのことを思い出して、
「最初から影の中に入ったら、圧勝だったな。」
なんて最後に決めた“影の手”の一撃を思い出しながら、二人の方に向かっていって声をかけた。
最新話です。
今回、出てきたキャラクターは主人公の百戸虎之介と対照的なポジションにいる“主人公”の桜崎竜王といいます。
竜虎、という言葉の通りに強き者としての例えに龍と虎が使われることと、互いに互角であることから、という意味が強いようですね。
桜崎の能力がパワーとスピードが無限大であることには、そんな意味があったりします。