やっぱりこの子が最初でしょう。
廊下を歩いていると二人と一匹を見かけた。
一人と一匹は知っている。
マシュ・キリエライトとフォウ君だ。
謎の生物、フォウ君。
俺より先にいるカルデアスタッフ達でさえ、その正体を知っているものは少ない。
それは俺と俺のサーヴァントだ。
扱いとしては、守護英霊召喚システム・フェイトの召還第四号サーヴァントという扱いだ。
俺はそいつから教えてもらったが。
話を戻そう。
その一人と一匹以外の彼。
おそらく彼は、ハリー・茜沢・アンダーソンの報告書にあった数会わせのマスターだろう。
名前は確か...。
「あ、兄...ゲフン、教官!おはようございます!」
「フォーウ」
「ああ、おはようマシュにフォウ君。隣の彼は?」
「初めまして。俺は藤丸立花と言います」
「ああ、君が報告にあった藤丸君か」
そうだ。藤丸立花だ。
ハリーの報告書に、レイシフト適合率が脅威の100%と書いてあったのを思い出す。
都心のとある駅前にてダメ元て行った献血サービスに偽装して適合試験で発見したと書いてあったな。
とはいえ、適合率が良くても魔術を知らない一般人なのが問題だ。
どうしても数会わせのマスター扱いだ。
そこら辺はしょうがないだろう。
「よろしく藤丸君。俺は
「いや教官の場合、少し違う意味では...」
「フォーウ...」
「えっと...」
こらこら、マシュにフォウよ。
藤丸君が反応に困ってるじゃないか。
「もうすぐ作戦室でオルガが、作戦要項の説明を始める。早いとこ向かった方が良いぞ」
「そうでした!。さて先輩、早く行きましょう!」
「フォウフォーウ!」
「あ、ちょっと待ってマシュ!。すいません、カナメさん先に行かせていただきます」
「構わないよ。それより追い掛けなくて良いのかい?」
「え?あ!待ってマシュ!?俺まだ道分かんないだけど!?」
そう言いながら藤丸君は、マシュを追い掛けに走っていった。
うむ、俺はゆっくりと行こうかな。
しばらくして、作戦室に着きました。
作戦要項の説明中だが、扉を堂々と開ける。
勿論、大きな音を立てるので中にいるスタッフ達やマスター達の注目を浴びるが。
そんな事は気にせず、俺はゆっくりと前に歩く。
「遅れてごめんなさいね。色々と準備してたもんで」
まあ、嘘だが。
「カナメ!解りやすい嘘をつくんじゃないわよ!」
だが、オルガにはすぐにバレたようだ。
全く、オルガには嘘をつけないな。
「全く。でも、丁度いいタイミングに来たわね」
「ん?それはどういうことだ?」
「貴方のサーヴァントを呼んでちょうだい。ここにはサーヴァントを知らないどころか、魔術を知らない一般人もいるの。その為に分かりやすい形を出したいのよ」
ふと、オルガの目線が藤丸君に向かう。
まあ、そうだよな。
魔術を知らない一般人を、マスターにするんだ。
下手に反英雄を、召還してしまったらたいへんだ。
と、そこでオルガの本当の狙いが分かった。
ここにいるひよっこマスターどもに、サーヴァントというものを教えるつもりだ。
一応俺からも、サーヴァントについて教えたが俺のサーヴァントを直接見せたわけではない。
つまり過去にあったように、ただの使い魔と勘違いさせないために見せるんだな。
「是非とも呼んで欲しい。私もその正体を知らないのでね」
「レフ教授もかい?まあ、隠してたつもりは無いんだが」
俺に話しかけてきたのは、レフ・ライノール教授。
近未来観測レンズ・シバを開発し、カルデアに貢献した人物。
マリスビリー前所長の時からおり、カルデアで顧問魔術師として働いている。
カルデアでの働きは良く、時計塔での評判も良い。
長くいるだけあってスタッフ達の信頼もある。
とはいっても、なにやら胡散臭い。
なぜ、と聞かれても勘としか言えないが。
「別に凄いと想わせるような、サーヴァントではないんだが」
「それは構わないさ。これは、ただの興味だからね」
「そうかい。まあいいや、出ておいで、リリィ」
「はい、マスター!」
呼び声と共に、要の後ろから白と銀の甲冑を着た彼女が、現れる。
最初から霊体化して、後ろについて回っていたからね。
「これが、サーヴァント...」
誰かがそう呟いた。
別にトップ・サーヴァントと呼ばれる程強くなく、けれども決して弱くはない。
ただ、彼女は修行中の身であり、いずれは騎士王となる。
その名は。
「真名、アルトリア・ペンドラゴンです。とはいえまだまだ修行中の身。リリィとお呼びください!」
「とまあ。この子が俺のサーヴァントだ。男と言われてきた騎士王は、実は女だったというね。俺もちょっと驚いたよ」
直にサーヴァントを見て、ひよっこマスター達は考えを変えて欲しい。
レフ教授も納得してくれるだろう。
「ありがとう。カナメ、リリィ。これがサーヴァントよ。直に見て、様々な感想を抱いているでしょう。けれど、これが貴方達が卸さなきゃいけない者よ。どう判断してもいいけど、全て自己責任。カルデアは関与しないわ」
オルガが言ったこれは秘匿性のある魔術師達、一人一人に向かって放った言葉。
サーヴァントをどう運用しようが自分達で判断しろと言っているのだ。
俺もリリィに対して対等に扱っているつもりだ。
ただ、リリィ本人が謙虚なのか自分を卑下しているのか、反応に困るときがあるが。
「説明は以上よ。A班は準備を完了次第、中央管制室のコフィンに入って待機。B班も準備完了次第、近くで待機。後、マシュは藤丸君を連れて部屋に連れていってくれるかしら」
「わかりました。行きましょう先輩」
マシュはオルガの命令で、藤丸君を連れて退出した。
そりゃあ、なにも知らない少年を連れていくほど切羽詰まっている訳ではないが。
他の魔術師達やスタッフ達も続々と退出した。
「カナメ、リリィ、私達も準備するわよ」
「了解」
「了解しました」
誰もいなくなった後、俺もオルガとリリィと一緒に部屋を退出する。
だが、リリィを見せたことで生まれた疑念を、俺は拭えなかった。
サーヴァントの正体は、アルトリア・ペンドラゴン《リリィ》でした。
私にとって、最初のサーヴァントでしたのでこのような形で出させていただきました。
事前登録は皆さんしてましたか?