新たな世紀王になってしまった俺が神喰いの世界を駆ける 作:カオスロイドR
「どうしてこんな事になったんだろう・・・・」
荒れ果て窓のガラスも割れて野ざらしになった廃墟のビルの一室で男が独り焚き火を起こして暖をとっていた。
ただこの男見た目が普通ではなかった。
全身が黒い筋肉でおおわれて、目が赤く複眼になっており手首と足首には二本の黄色の帯状のラインと間に赤いラインが巻かれており、最も特徴的なのは腰に赤い宝石が埋め込まれた大きな銀のベルトが巻かれている。
「さすがにこの姿じゃ人のいる所には出られないな。現に挨拶したらみんな逃げるしアラガミと勘違いされてゴッドイーターに追い掛け回されたからな・・・・」
「ここに来てだいたい半年か・・・長いようで短いような」
柱に顔を向けると柱には正の文字が書かれていた。
これは俺が太陽が昇る日の出の時に拾った釘で柱に一本の傷を付けていったものだ。
正の文字が六個と傷が一本溜まるとそれを丸で囲む。
今はそれが六個溜まった。
つまり六カ月分半年と言う訳だ。
半年前の俺はどこにでもいるただの高校生だった。
ある日、学校が休みで家で留守番をしながらゲームをしていたら突如轟音が鳴り響き俺の家に大きな隕石が落ちてきて俺は家ごと隕石に潰されて命を落とした。
その後気がつくと俺は申し訳なさそうに俺をチラチラと見る白髭のおじいさんと若いきれいな女性の前に立っていた。
おじいさんの方は神様で若い女性は奥さんだそうだ。
なんで神様が目の前にいるかと尋ねたらなんでも俺の家に落ちてきた隕石の正体はこの二人が夫婦げんかして怒った奥さんが神様めがけて投げた茶碗でそれが外れて下界の俺の家に落ちたそうだ。
茶碗を投げるっていつの時代の夫婦げんかやねん・・・
ケンカの原因は二人の間に子ができなくその事でお姑さんにねちねち攻められて旦那が護ってくれなくついに奥さんの怒りが爆発したのが原因らしい。
家庭の事情に俺を巻き込まないでください。
お詫びとして俺を養子にして次代の神候補の一人にすると言ってきた。
嫌です、めんどくさいので生き返らせてくださいとお願いしたがすでに俺の肉体はミンチより酷い状態で生き返らせることはできないと言われた。
ナンテコッタイ・・・
ショックで思わず下を向くと腰に何か巻かれていた。
なんかすごい見た事あるんだけど。
これってあれだよね仮面ライダーBLACKのベルトだよね。
なんで外れないの?
おもちゃじゃないのこれ?
え?実在してたの?てっきりお話の中だけかと思ってた。
おのれゴルゴム!ゆ゛る゛さ゛ん゛!!
神様曰くなんでも神候補になる為には用意された世界に送り込んでそこで天寿を全うするという試練との事だ。
ただその世界は余りにも過酷な為に神様が救済処置として俺に与えたそうな。
父さん母さん、あなたの息子は神様に改造人間にされました。
悲しんでも仕方ない。
とりあえずどこの世界に送り込まれるか聞いておくか。
まあ俺の体内にはキングストーンがあるし大抵の世界なら生きて天寿をまっとうできるだろうな。
・・・・そう思っていた時期が俺にもありました。
俺が送り込まれる世界。
それはGOD EATERの世界でした。
待たんかい!ゴルァ!
なんでよりによってあんなアラガミが暴れまわる世紀末ヒャッハーな世界に送り込まれなあかんねん!
せめてもっと平和な世界に送れ!
色々あるだろ学園ものとか日常ものとかさ。
「もう決まった事だ、諦めろ」
「ふざけんな!」
俺は両手を拳にして仮面ライダーBLACKの変身ポーズをとる。
「変・・・身!」
右腕をまっすぐ横に伸ばすとベルトのバックルからまぶし過ぎるくらいの光が溢れ出した。
ドクンッ…
体が熱い…なんだこれ…
い、痛い!痛い!痛い!
よく見れば体の至る所から大量の汗と関節から蒸気が吹き出し筋肉が盛り上がり骨が軋む。
身体が変化する成長痛のような痛みに耐えながら皮膚が緑色に変化してバッタ男の姿になり強化皮膚【リプラスフォーム】が全身を覆い黒い太陽【仮面ライダーBLACK】に変身を果たした。
「変身できたか、つまりキングストーンはお前と完全に適合したという事だ」
勝手な事ばかり言いやがって。
嬉しそうに笑う諸悪の根源に俺の中でなにかが切れた。
とりあえず一発殴る。じゃないと気が済まん。
「トォ!」
ジャンプしてパンチを繰り出そうとする。
「愚かな、神に逆らうとは!カアァァァ!!」
「うわああぁぁ!」
しかし神が手をこっちに向けて念力で吹き飛ばされた。
大神官ダロムかこいつは!
「夫になにするのよ!」
さらに奥さんの目が光ビームが飛んできた。
「痛っ!熱っ!!」
この攻撃は…
目からビームって奥さんはビシュムかよ!
その後何度倒されて立ち上がり立ち向かったが返り討ちにされ、やがて力尽き負けてしまい気絶した俺は穴に落とされて無理やりGOD EATERの世界に送還されてしまった。
変身したばかりの今の俺の実力じゃ奴らには勝てないのか…。
なら向こうで強くなってやる
天寿を全うして再び戻れたら覚えてろよ。
薄れゆく意識の中。
俺は自分をこんな目に合わせた連中に復讐を誓ったのだった。
そして俺は荒野のど真ん中で目を覚ます。
ここがGOD EATERの世界か…
あるのは岩や砂ばかり。
木も鳥も動物もいない。
なんにもないな。
こんな寂しい世界でこれから五万年間の間、生きていかないといけないのか。
取り忘れたのかせめてもの情けなのかキングストーンは没収されずに体内に残っている。
よかったこれがなかったら生きていけない所だった。
ただ困ったことが一つある。
それは元の人間の姿に戻れない事だ。
どんなにやっても元の姿に戻れない。
つまりこれから先このままというわけだ。
向こうの腹いせなのか原因は分からない。
ただ分かるのはいきなり人生の難易度が上がった。
これじゃあ人前に出れない。
いくら正義のヒーロー仮面ライダーの姿でもこの世界じゃ知られていないからバッタの怪物もしくは新種の人型アラガミと思われる。
もしかしたら大丈夫かなと思って試しに人前に出たら悲鳴を上げられて通報を受けたゴッドイーターに追いかけられて散々な目にあった。
こうして俺は人前に出られなくなり、オウガテイルなどのアラガミに襲われたけど仮面ライダーの力でそれを退けて彷徨っていたら廃墟と化したビルを見つけてそこに人知れず隠れ住んで今に至る。
「はあ・・・寂しいよ帰りたいよ」
体育座りして落ち込んでいたら背中を軽く突かれる。
コツン
振り返ると緑色の車体と俺と同じ赤い複眼の目をしたバッタをモチーフにしたようなバイク。
「俺を慰めてくれるのか?バトルホッパー」
俺の背中にあった正体は生きているバイク『バトルホッパー』の前輪。
そうだよって答えるかのように目が点滅するバトルホッパー
「ありがとうバトルホッパー、そうだよな俺は独りじゃない。おまえがいるんだよな」
立ち上がってバトルホッパーの頭を撫でる。
バトルホッパーは俺と同じように神に送還されたようでこの世界に送られて気を失ってた俺が目を開けた時に傍に立っていた。
バトルホッパーがいなかったら俺は気を失ったままアラガミに喰われていただろうな。
「そうだなお腹減ってるから気が滅入るんだ。なにか食べ物を探しに行こうか」
立ち上がり体に付いた砂を払っていると
「誰か助けて!!!」
女の子の叫び声が聞こえてきた。
「今の悲鳴は!」
慌てて外を見るとこの時代では珍しい裕福そうな服装をした女の子が一匹のオウガテイルに追われていた。
いけない!急いで助けないと
ビルから飛び出そうとするとバトルホッパーの前輪に足を取られて転ばされる。
「なにをするバトルホッパー!急がないとあの子が!!」
ファン!ファン!
何かを訴えかけるように左右に首を振り警告音を出す。
どうしたんだ一体?
あ・・・ふと自分の姿を確認する。
そうだ今の姿は人間じゃないんだ。
この姿を見られたら怖がられて石をぶつけられる。
はじめて人前に出たあの時の様に・・・・
もしここに住んでる事がばれたらゴッドイーターがここに来て追われる。
前に追われた時はバトルホッパーがいてくれたから逃げられたけど今度もうまくいくとは限らない。
捕まったら解剖されて人体実験の材料にされるかも・・・
でも一緒に逃げてくれたバトルホッパーには悪いけど目の前で助け呼ぶ女の子を見捨てる事なんてできない。
ここに住んでるのがバレたらまたどこかに引っ越して逃げればいいだけだ。
俺の意志が固いと分かるとバトルホッパーは道を開けて乗れと言ってるように目が点滅する。
「ありがとうバトルホッパー」
俺はバトルホッパーに乗るとフルスロットルで走り出しビルから飛び出すと急いで襲われている女の子の方に向かったのだった。
つづく
キングストーン
王の証みたいな石でゴルゴムはこれを狙っていた。
別名チートの塊
ダロムとビシュム(あとここには書いていないけどバラオム)
仮面ライダーBLACKに出てくるゴルゴムという敵組織の幹部
別名 余計な事して不利になると怪人に押し付けて逃げる上司。
バトルホッパー
生きていて自己修復機能を兼ね備えた呼べば来てくれる世紀王専用マシン
別名 相棒兼嫁